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オンライン動画制作は、固定概念のない初心者の方がむしろ向いている

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11月よりスタートしたブレーン主催のオンライン動画コンテスト「BOVA2018」。応募締切が2018年1月23日と1カ月後に迫る中、応募の助けとなるワークイベント「BOVA 2018 クリエイターズナイト」を12月21日に開催した。

イベントには、動画制作のツールを展開するフレイ・スリー プロデューサーの前田考歩さんが登壇し、「初心者でもできる!オンライン動画の企画・シナリオ・演出の基礎」をテーマにプレゼンとワークショップが実施された。

その内容をダイジェストでレポートする。

初心者がオンライン動画で考えるべきメソッドとは

話し手:フレイ・スリー プロデューサー 前田考歩さん

今日の90分で皆さんには、優秀賞、いやいやグランプリを獲っていただきたいなと思っています。時間内で可能な限り、たくさんのメソッドをお伝えしたいと考えています。どうぞよろしくお願いします。

ちょっとだけ自己紹介しますと、40年以上テレビCMを制作しているピラミッドフィルムから独立した会社がフレイ・スリーです。私はその中で、動画制作のツール提供とワークショップをしています。

今日ご紹介するのは、ピラミッドフィルムのディレクターである串田壮史くんと考えて作ったメソッドです。宣伝会議のWeb動画クリエイター養成講座でもお話している内容から、企画に関する部分を抜粋しています。

今日は動画制作の初心者向けということですが、よくある思い込みがありまして、オンライン動画にもテレビCMと同じレベルのクオリティが必要なんではないかと思っている人が結構います。視聴される条件などによっては、オンライン動画ではそこまで求められません。

なので、初心者は制作できないということはなく、むしろ初心者の方は固定概念がなく、オンライン動画においては新しい表現や手法を発見できるのではないかと思っています。
今日はそういった方がBOVAに挑戦したくなるように、すぐに実践できるメソッドを紹介してきたいと思います。

僕は普段企画をするときには「3つのM」を意識しています。それは、「メッセージ、メディア、メソッド」です。今回のBOVAでいうと、メッセージはクライアントの伝えたい内容。メディアはその内容を載せる媒体。メソッドは、メッセージとメディアの間をつなぐさまざまな方法のことです。
BOVAに応募する皆さんにとって参考になるのは最後の「メソッド」の部分だと思いますので、本日は「情報を際立たせるメソッド」と「情報を伝えるためのメソッド」を紹介していきます。

そもそもメッセージとして伝えるモノが決まっていても、そのモノの何を伝えるか、どの情報を切り取るのかが重要になります。その時に情報をどう取捨選択するかというと、僕はまず「要素・機能・属性」に情報を分けます。ペットボトルに入った水でいうと、「要素」はどんなペットボトルに入っているかなどモノ自体に関すること、「機能」はどんな成分がどれぐらい入っていて効果・効能は何か、「属性」は産地や制作年代など上記2つに含まれない部分です。

このようにモノを一度細かい情報に分けてターゲットに伝えるべきキーワードが決定すると、それをどのように伝えていくかと考えることになります。そこで役に立つのが、メソッドです。

情報を際立たせるメソッドには、商品の機能などを大げさに表現する「誇張」やサービス内容や現象を人間として描く「擬人化」などがあります。

情報を伝えるためのメソッドは、昔話にもみられる代表的な「行って帰る」というストーリーの型があります。マイナスな日常から、非日常に遭遇し、最終的に日常がプラスに転じるという流れです。
これは過去のBOVAグランプリ作品におもしろいものがあるので紹介します。

第2回BOVAグランプリ受賞作品 ニューバランスジャパン「tilt」荒川大(電通)

 

これは冴えないサラリーマンが、世界が斜めになるなど非日常に襲われ、ニューバランスの靴を履くとすいすい走れるようになるという構成です。
この作品がユニークなのは、すごい映像表現やエフェクトを使っているわけではなく、カメラを斜めにして撮ったりしているだけで、ここまでの動画ができている。
アイデアや視点の置き方次第で、ここまでのものが作れるのがオンライン動画です。

その他には、「やってみた」のような些細なことを大げさにやってみたり、まじめにやってみたりするようなYouTuberがやっていることが近いです。「インタビュー」や「ランキング」、「ニュース」、「テレビショッピング」のような構成も使い方によってはおもしろい企画ができます。最近増えているのは「ブランデッドムービー」で、企業発の心がほっこりする動画などです。これもある程度定型化しています。

これまでお話したように普段から映像制作をやっている人がスキルを持っているのは当然ですが、どんな切り口でどういう人に伝えるか、どのインサイトをついていくかは販促プランナーやコピーライター、マーケターが長けています。オンライン動画ではそうしたスキルがあれば戦えると思います。

今回の目的はBOVAに応募しようと思ってもらえるようにハードルを下げることなので、ぜひ本日紹介したメソッドで挑戦してもらえればと思います。どうもありがとうございました。

BOVAの詳細、応募はこちらから
前田さんご自身による、BOVAクリエイターズナイトの講義まとめはこちらから

講義後、第2部では実際にBOVAの課題を題材にオンライン動画の企画を考えるワークショップが行われ、参加者はプレゼンの内容に沿って動画制作の基本の型を実践した。