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IoTとAIで実現する近未来 インテリジェントマーケティングの時代とは?

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第4次産業革命時代に合わせソリューションをアップデート

基調講演に登壇した米国セールスフォース・ドットコムのMarketing Cloud チーフ ストラテジー オフィサー、ジョン・スアレス・デイビス氏。

1999年に創業し、以降CRM(Customer Relationship Management)ソリューションの提供者として、時代の先頭を走り続けてきたセールスフォース・ドットコム。

これまでは主にBtoB企業のCRMソリューションを中心に「Sales Cloud」などを提供。そのために最適なソフトウェア開発企業の買収なども行い、機能の拡充を続けてきた。近年は、さらにその知見を生かし、BtoC企業が対消費者に向けて活用できるソリューションの提供にも注力している。

当日は「Google アナリティクス360」と「Marketing Cloud」の連携発表や、製品のデモンストレーションなども行われた。

社会は今、すべての人とモノがつながるIoT(Internet of Tings)やAI(人工知能)などの最新テクノロジーの活用が始まり、「第4次産業革命」時代に突入している。同社もAIを組み込んだ製品の提供をスタートさせているほか、2017年にはGoogleとのパートナーシップを締結し、Webサイトのアクセス解析ツール「Googleアナリティクス 360」と「MarketingCloud」の連携を実現させた。Googleが自社サービスにより取得したデータを社外で公開することを認めたのは世界初のことだ。

顧客のニーズに応えるCRMソリューションの提供と、新たな時代に求められるビッグデータの収集、その活用に大きな役割を果たすAIの導入により、セールスフォース・ドットコムはあらゆる業種・業態の企業が顧客体験を向上させるための体制を着実に整えている。

商品やサービスと同じくらい「体験」にも期待する消費者は8割

セールスフォース・ドットコムは、毎年6月にB2Cビジネスイベント「Salesforce Connections」を開催し、アップデートしたサービスや市場のトレンド、導入事例の最新情報を提供している。2018年は米国・シカゴで開催し、1万人以上が来場した。このイベントの熱量を日本のマーケターにもいち早く体感してもらうべく、2018年7月26日、東京ミッドタウンにおいて「Salesforce B2C CRMConference」を開催した。基調講演に加えて、6つのセッションが展開された。当日は1000名以上が参加、すべてのセッションが満席になるなど、関心の高さを垣間見ることができる、大変な盛況ぶりとなった。

基調講演に登壇した米国セールスフォース・ドットコムのMarketing Cloud チーフ ストラテジー オフィサー、ジョン・スアレス・デイビス氏は、消費者の8割が商品やサービスと同じくらい「体験」にも期待しているというデータを紹介し、インテリジェントマーケティングの時代には「IoTやAIを活用し、デジタルツールを駆使する消費者を理解し、深くつながることで本当に必要とされるブランド体験を提供し、消費者の期待値を超える結果につなげる。それがビジネスの成長と消費者との関係構築につながる」と話した。

デイビス氏は「インテリジェントマーケティングの時代においてエンゲージメントはマーケティングの一分野には、とどまらない」と指摘。

全てのチャネルでエンゲージメントは発生し、そのためにカスタマーサクセスプラットフォームがあり、その背後にはAIなどのテクノロジーがある。そして、Trailblazer(先駆者)がインテリジェントマーケティングを牽引し、それぞれの企業内でカスタマープラットフォームを活用していく存在だと提唱した。

AIがもたらすマーケティングの実践的進化

左から、ネットイヤーグループ 石黒不二代氏、名古屋商科大学大学院 山岡隆志氏、SENSY 渡辺祐樹氏、LIFULL 菅野勇太氏。

「AIがもたらすマーケティングの実践的な進化とは?」と題したセッションでは、LIFULL LIFULL HOME’S事業本部 CRMユニット長 菅野勇太氏、SENSY 代表取締役CEO 渡辺祐樹氏、名古屋商科大学大学院 マネジメント研究科 教授 山岡隆志氏をゲストに、ネットイヤーグループの代表取締役社長兼CEO 石黒不二代氏をモデレーターに議論が展開された。

AIを企業で活用するとき、課題となるのは「誰が運用するのか」ということ。この悩みに対して渡辺氏は「企業内に専門家を置かなければならないということはないが、外部に任せて全て上手くいくということもない。社内のリテラシーを上げることが重要。AIは魔法の杖ではないので、『なぜそうなったのか』を考え、使いこなすスキルを身につけてほしい」と話した。

社内にAIを担当するチームを持っているという菅野氏は「社内にチームがあることでAIというテクノロジーを特別扱いしない風土を醸成できる」と話した。

AIの役割については「これまでのテクノロジーと人、バックとフロント・サービスの役割関係を変える存在」(山岡氏)と指摘した。

重層化する顧客のジャーニーに寄り添った設計が必要

左から、セールスフォース・ドットコム 白井崇顕氏、オイシックス・ラ・大地 奥谷孝司氏、りそなホールディングス 伊佐真一郎氏、すかいらーくホールディングス 濱嶋保樹氏。

デジタルテクノロジーの進歩により、消費者と企業の接点は時間、場所、リアルとデジタルといった境界線がますます見えにくくなっている。

こうした時代にいかに顧客との関係を構築していくべきかをテーマにしたのが「オムニチャネル時代のマーケティング戦略-リアルとデジタルの接点を横断した、シームレスな顧客体験を実現するには?」だ。

セールスフォース・ドットコム 執行役員マーケティングクラウド エンタープライズ営業 本部長 白井崇顕氏が問題提起する形で進められたこのセッションでは、オイシックス・ラ・大地 執行役員統合マーケティング部部長 Chief Omni-Channel Officer 奥谷孝司氏、りそなホールディングスオムニチャネル戦略部 グループリーダー 伊佐真一郎氏、すかいらーくホールディングス マーケティング本部 デジタルコミュニケーショングループディレクター 濱嶋保樹氏といった、それぞれの企業でオムニチャネルを推進する役割を担う人物が登壇した。

業種・業態が異なる企業による議論で、課題感や施策、その目指すところに違いはあるものの、共通していたのは顧客中心の視点で施策を展開するかだ。奥谷氏は「重層化する顧客のジャーニーに寄り添った設計が必要」という言葉で説明した。白井氏は「私たちも利用いただく皆さまの伴走者として、デジタルマーケティングをサポートしていきたい」と締めくくった。

この日、行われたセッションを通じて紹介されたインテリジェントマーケティング時代の最新事例は、意欲にあふれるTrailblazer予備軍にとって大いなる刺激となったはずだ。



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