視察では、グローバルで巨大な規模と実績を誇り、伝統もあるメガエージェンシーも訪問。本レポートでは、「真実を巧みに」という理念はそのまま、時代の変化に即したブランドコミュニケーションを実現するMcCANNを紹介する。
マーケティングには永続性と勇気が必要
2017年のカンヌライオンズで複数部門にわたって受賞した「Fearless Girl」を手がけたMcCANN。同社は「TRUTH WELL TOLD(真実を巧みに)」という企業理念を掲げている。
NYオフィス プレジデントのデヴィカ氏は「社会とブランドはつながっている。コミュニケーションが重要で、言葉にすることやビジュアルで表現することが必要である」と話す。そして「ブランドが生活者の日常において、意義ある役割を果たすために力になることこそが重要だ。クリエイティビティこそ、生き残る唯一の道だ」という説明もあった。
さらに同氏は「マーケティング戦略を実行していく上では、永続性と勇気が必要である。『Fearless Girl』についても18カ月の歳月を要した。できないから終わらせてしまうのではなく、どうすれば実現できるかを考え直した。ケイパビリティを広げるためには、野心も欠かせない。今まで取り組まなかったことにこそ、あなたのイマジネーションを最大限に生かしてほしい」と語った。
続いて同社が今年、手がけて話題となった施策のひとつである、冒険や旅行好きの視聴者に人気のナショナルジオグラフィック社による「Astronaut Reality Helmet」について、プロデューサーのクリスティーン氏と、コピーライターのピーター氏に話を聞いた。
「今回のプロジェクトは、宇宙飛行士の視点から地球を見る番組のローンチであった。そこで、宇宙飛行士のヘルメットを装着することで宇宙に行けるというアイデアを提案した。テクノロジーをどう活用すれば、宇宙飛行士の体験をリアルにできるのか。これを実現するのが最大のチャレンジであった。ARゴーグルではヘルメット全体での体験ができないため、VRゴーグルをヘルメットに適応。そうして実際に宇宙飛行士になったような感覚を得ることに成功した。完成後はジャーナリストを招待し、劇場で予告編を体験してもらったり、ヘルメットを学校などの教育機関に持っていき体験の場を設けたりした。こうして3.12億のメディアインプレッションを獲得することができた」と話した。
視察の終盤に設けられた質疑の場では、プロデューサーの役割について質問が挙がったのに対し、「革新的な事業やプロジェクトに対して、テクノロジー観点で実現性を判断し、進行管理を行うこと。例えば、クリエイティブチームと一緒にアイデアを考え、実装可能か調べる」との回答があった。
2019年度の本視察研修「Business Creation Lab. in New York」は9月22日(日)から9月29日(日)に開催予定です。最新情報は、Webサイト、またはメール(info-educ@sendenkaigi.co.jp)までお問い合わせください。
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