企業としてのメッセージをどう発信するべきか

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「DESIGN&DESIGNERS」を標榜する広告制作専門会社、ライトパブリシティ。同社が主催したセミナーのテーマは、コーポレートブランディングだ。本セミナーでは、企業としての考え方や方向性を社内外にどのようにメッセージをしていくべきなのか、2つのパネルディスカッションを通して考えた。

完成後、社内外にどう発信するか

左より、ライトパブリシティ コピーライター/クリエイティブディレクター 国井美果さん、スノーピーク取締役専務COO 高井文寛さん

第1部では、スノーピークの高井文寛さんとライトパブリシティのコピーライター国井美果さんが登壇した。

スノーピークはアウトドア用品メーカーとして1958年に創業。新潟県三条市に東京ドーム4個分の敷地を保有し、そこにキャンプ場と本社を置いている。「自然志向のライフスタイルの提案」を実現するために、オフィス、アパレル、グランピング、地方創生などの事業も展開。こうした活動の柱になっているのが、「The Snow PeakWay」というミッションステートメントだ。

「これは、当時の社員全員の総意によって作成されたもの。毎朝、全社員で唱和するだけでなく、ロイヤルカスタマーにも浸透しています」と、高井さん。2018年にはこのミッションを達成すべく、「行動の6ヵ条、心の3ヵ条」を新たに設けた。今回は300人超の社員一人ひとりに「The SnowPeak Way」を実行していると思われる社員とその行動についてのアンケートを実施。その答えを基に、より具体的に落とし込んだ9ヵ条をつくりあげた。

一方、国井さんが手がけた伊藤忠商事の「ひとりの商人、無数の使命」というコーポレートメッセージの策定においては「伊藤忠商事とは何者か」を明確にするべく、社員へのインタビューなどを通し、「野武士」「たぐいまれなる個の力」というワードを抽出した。

「コーポレートメッセージは完成して終わりではなく、その後こそ重要。まずは社内で共有して、いかに浸透させていくか、届け方にも気をつけています」と、国井さん。「コーポレートメッセージは社員が行動に移すことができるものであるべきで、近いその時の状況に合わせて修正していくことも必要です」と、高井さんは話した。

企業の人格を伝えるメッセージ

左より、ライトパブリシティ コピーライター 山根哲也さん、森下仁丹 ヘルスケア事業本部 副本部長兼 経営企画部 広報・マーケティング担当部長 磯部美季さん

第2部は、リクルーティング広告におけるメッセージをテーマに、森下仁丹の磯部美季さん、ライトパブリシティのコピーライター山根哲也さんが登壇した。

「第4新卒」というコピーで中高年の採用広告を展開し、2017年に話題を集めた森下仁丹。実は磯部さんが博報堂ケトルに在籍していた石原篤さん(当時)と一緒に仕事をしたいと思ったことが発端だ。

「最初に石原さんと打ち合わせした時、森下仁丹はみんなにいい会社だと言われるようにしたいんですよと伝えたんです」(磯部さん)。その言葉に響いた石原さんから提案されたのは、新卒の採用広告。しかし「新卒ではなく、おっさんを採りたい」という社長の言葉を受けて、新たに提案されたのが「第4新卒」という中高年の採用広告だった。そして年齢・性別に関係ない採用に2200人が応募、最終的に10人を採用したという。

刺激的なメッセージで世の中の賛否両論を呼んだのは、POLAのリクルーティング広告だ。「ビューティーディレクターとして経営にも関心を持つ、上昇志向の強い人材を確保したい」と依頼を受けた山根さんは、「日本には職場に不平・不満を持つ女性がいるのではないか、そこを問題提起して共感する人を募りたい」と提案。ジェンダーギャップ指数が日本は111位であるというデータを元に、「この国は女性にとって発展途上国」という強めのメッセージを開発。

それを展開した結果、ビューティーディレクターの認知度アップにつながった。その話を聞いた磯部さんは「企業としての人格を明確にメッセージしないと、“個”とつながることができません。炎上を恐れず、自分たちについて語っていかなければ、会社としての価値を感じてもらえないのではないか」と話した。社外はもちろん社内に向けても、企業としてどんなメッセージを発信するべきか。これまで以上に問われる時代になったことを実感するセミナーとなった。



お問い合わせ
株式会社ライトパブリシティ

URL:http://www.lightpublicity.co.jp/
Email:contact@lightpublicity.co.jp(担当:朝倉)
Tel:03-3248-3334(代)

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