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競合との差別化戦略はいらない!?―志を極めた先にブランドがつくられる

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宣伝会議では「インターネット・マーケティングフォーラム2019」を6月4日、5日の2日間にわたって東京・ANAインターコンチネンタルホテル東京にて開催。今年で13回目の開催となる同フォーラムのテーマは、「想像と創造から生まれる顧客基点のバリューチェーン」。ここでは、ブルーボトルコーヒーと幸楽苑ホールディングスの2名のトップによる対談の様子を紹介する。

商品・サービスの機能的価値だけでなく、ブランドが提供する体験が重要な競争軸になっている現代。デジタル化する時代にブランド戦略はどうあるべきなのか、ブルーボトルコーヒーの矢野健一氏と幸楽苑ホールディングスの新井田昇氏が議論を繰り広げた。

矢野氏は、一杯のコーヒーをどうおいしくできるかを徹底的に研究する姿勢にブランドの原点があるとした上で、「差別化ばかりを考えると物事の小さいところに目がいきがちになり、アイデアがつまらないものになる。大切なのはブランドの想いを世の中に伝えること」と話す。

ブルーボトルコーヒー 取締役/最高責任者 矢野健一氏

ブルーボトルコーヒー
取締役/最高責任者
矢野健一氏

幸楽苑ホールディングス 代表取締役社長 新井田昇氏

幸楽苑ホールディングス
代表取締役社長
新井田昇氏

一方、幸楽苑ホールディングスは、”2億円事件”と題した「元旦全店休業」の新聞広告など、大胆な広告宣伝で近年、話題を生み出してきた。新井田氏は「290円中華そばの『幸楽苑』という安価なイメージを払拭するためブランドの再構築を図っているところ。売上に直結するプロモーションを一層強化しながら、熱烈なファンの方たちとの関係を深めていきたい」と語った。

両企業が共通して力を注いでいたのが社員のモチベーションを後押しするインターナルコミュニケーションだ。例えばブルーボトルコーヒー 青山カフェではバリスタの立ち位置が、庭が最も美しく見える”特等席”になるよう設計されているなど、社員の”コーヒー愛”を企業が理解・尊敬し、バックアップ。幸楽苑では先の”2億円事件”の広告ほか、週に1回本社と各拠点をリアルタイムでつなぐ情報共有会を実施し、エリアマネージャーから全国の店舗へ社長の思いを伝えている。

最後に、2名に経営トップとしてのマーケターへの期待を質問。「4番バッターと自覚して思いっきりバットを振って欲しい。マーケティングは未来への挑戦、企業の成長力だ」(矢野氏)、「マーケターは社員の思いを具現化する役割」(新井田氏)と来場者にエールを送った。