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ブランドの好意度・購買意欲がアップ! カルビーが取り組む「GIF」活用 “コミュニケーション広告”

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国内スナック菓子市場で、トップシェアを誇るカルビー。同社が展開する商品には「かっぱえびせん」「サッポロポテト」など、幅広い層で高い認知度を誇るロングセラーブランドも多い。しかし、認知度はあっても日々多くの新商品が店頭に並ぶスナック菓子市場において、マインドシェアや購買意欲には課題を感じていたという。店頭でのブランド想起や購買意欲を高めることを目的に、カルビーはGIFMAGAZINEと協力して“コミュニケーション広告”を展開。その詳細と結果について聞いた。

左から、
GIFMAGAZINE
執行役員 広告事業部 事業部長 住田博人氏
カルビー
マーケティング本部 デジタルマーケティング担当 課長 関口洋一氏
マーケティング本部 商品4部 2課 課長 河内麻由子氏
マーケティング本部 商品4部 部長(当時) 大塚竜太氏

認知のその先、「思い出した」「食べたい」を狙う

河内:当社の「かっぱえびせん」「サッポロポテト」は、それぞれ発売から56年、48年と、長きにわたり幅広い世代からご支持をいただいてきたロングセラーブランドです。非常に高い認知度を誇るのが強みですが、一方でロングセラーならではの課題として、若年層を中心に、親や祖父母から買ってもらって「昔食べた」記憶はあっても、自分が購入するお菓子の選択肢には入らないという傾向がありました。

認知度が高い割に、日々新商品が発売されるお菓子の市場においては、なかなか指名買いされにくい。そこに課題を感じていたのです。そこで、知っているだけではなく、店頭で思い出してもらう。「これが欲しい!」と思ってもらう。そのための新たな挑戦ができないかを模索していました。

カルビー
マーケティング本部 商品4部 部長(当時) 大塚竜太氏

大塚:認知度を高めるだけならテレビCMなどのマス広告を活用する方が効率的かもしれません。しかしすでに「知っている」人に店頭で思い出してもらったり、久しぶりに食べたいと思ってもらうためには、何気ない生活の中で自然と話題にしてもらうような知恵やアイデアが必要だと考えていました。

関口:その方策のひとつとして、従来のような「企業から生活者への発信」ではない方法で、若年層にアプローチできないかと考えていたところ、縁あってGIFMAGAZINEさんのサービスを知りました。そして従来のスタンプにも動画広告にもない、「GIFスタンプ」ならではの奇抜さや面白さに気づくことに。

そして、GIFを活用すれば大量の情報の中でも“埋もれない”施策ができるのではないか、個人対個人のコミュニケーションの中で深くブランドを感じてもらうことができるのではないか、と思い今回GIFMAGAZINEさんとご一緒するに至りました。

 

GIFスタンプで感情の伝達の場に、ブランドを介在させる

カルビー
マーケティング本部 商品4部 2課 課長 河内麻由子氏

住田:GIFMAGAZINEは、日本最大級のGIF動画のプラットフォームを運営している会社で、LINEのトークルームでGIFスタンプを送信できる「ジフマガ」の機能などを展開しています。

今回の施策はユーザー間のコミュニケーションにブランドを背負ったGIFスタンプを介在させる取り組みで「かっぱえびせん」「サッポロポテト」のGIFスタンプ を制作し、昨年10月末から1月中旬の期間で無料配信しました。

スタンプのクリエイティブは、既存のキャラクターを活用したもの、人気スタンプクリエイターとのコラボ、リアルな人物写真を活用したちょっとシュールで面白いものなど、さまざまなバリエーションを用意。

こだわったのは「かわいい」「面白い」で終わってしまうのではなく、商品ブランディングにも寄与するような設計にしたことです。

もちろんGIFスタンプを活用してもらうために、日常の会話に入ってきてもよいと思えたり、会話のきっかけになると思ってもらえるなど、ユーザーにとっての有用性だったり、魅力が不可欠です。しかしユーザー視点にだけ偏りすぎず、常にその体験の中に必ずブランドが介在していることにこだわりました。

GIFスタンプは動画広告よりもカジュアルですが、通常のスタンプや静止画広告よりもリッチな、独特の体験をさせることができます。愉快でリッチな広告表現ができるからこそ、製品やブランドを押し出しても許容されやすい、という一面があると思います。

大塚:住田さんから提案を受けて、確かに「単純に可愛くて面白い道具を提供するだけではなく、企業やブランドをしっかり打ち出していかなければブランドにつながらない」と思いました。その意味でGIFスタンプの表現は意外と新しいのでは、とも考えました。

河内:ご提案いただいた中には、従来の「かっぱえびせん」「サッポロポテト」のトンマナにはなかったようなクリエイティブなものもありました。どこまで「面白い」「キモかわいい」に寄せるかといった議論も上がったのですが、何しろ初めての取り組みだったので、どんなリアクションがあるかも含めてまずは実験してみよう、という話になりましたね。

大塚:ロングセラーブランドにとって、ブランドイメージを守るのは重要なことですが、守りすぎていては生活者に興味を持ってもらいづらい。時代に合わせて攻めていく姿勢が必要な時もあります。その際、お菓子だからこそ「そもそも我々自身が楽しめるか」も重要な要素だと考えて、今回の施策に至りました。

 

 

99%が好意度UP!更に85%が購買意欲UP!「コミュニケーションツール」としての出会いが鍵

GIFMAGAZINE
執行役員 広告事業部 事業部長 住田博人氏

住田:配信後の反響はさまざまで、計40個配信したスタンプのクリエイティブによって若年層に好まれるもの、避けられるものなどの傾向も見えてきました。広告配信などの施策も並走させながら、合計3万5000回ほどGIFスタンプが利用されました。

そして、そのスタンプ利用者への詳細なアンケート調査を行った結果、回答者130人のうち99%がブランドに対する好意度が上昇しました。購買意欲が上昇した割合は85%で、そのうち半数が実際に商品の購買を行ったという結果になりました。

利用者のコメントの中に「GIFスタンプを使ったら久しぶりに食べたくなった」「思い出して食べたくなった」「スーパーで意識した」「GIFスタンプを見たあと、コンビニで『かっぱえびせん』を見かけて、ネタにできると思って買った」などの狙い通りの声が見られたのが、嬉しかったですね。

 

カルビー
マーケティング本部 デジタルマーケティング担当 課長 関口洋一氏

関口:私たちはソーシャルリスニングも行っていますが、通常のプロモーション活動の中で直接的なブランドリフトやユーザの行動を確認できることは稀です。

今回の施策は、生活者同士が「1対1」でコミュニケーションしている中にブランドが登場したことによって、「企業から生活者への発信」の形以上にブランドイメージが深く印象づけられ、好意にもつながりやすかったのではと考えました。

LINEでトークする相手は、プライベートの知り合いや、オフラインでも繋がっている人が多い。そうした自分の知り合いとのコミュニケーション上でブランドが登場したことが、購買意欲につながったのではないでしょうか。

河内:特に私たちが提供しているのはお菓子なので、知ってもらうだけではなく、楽しい、面白いといった感情が生まれるシチュエーションにブランドが自然と入りこめたことが良かったですね。「楽しい、美味しい」ブランドとしての再インプットにつながっていたら、と思います。

大塚:企業・生活者間での情報伝達は、それが一方通行であれ双方向であれ、やはり「企業と生活者」の関係上のコミュニケーションになってしまう。今回の施策は、生活者同士で楽しめる道具を企業が提供したところがポイントでした。今後もこうした新しい挑戦をしていきたいと思います。

住田:生活者が感情の伝達を行うシーンの中で、ブランドや製品が会話に介在できる広告のことを、私は“コミュニケーション広告”と呼んでいます。カルビーさんとのお取り組みの中で、コミュニケーション広告のさらなる可能性が見えてきたので、今後もGIFならではの体験を創意工夫し、さまざまな面で価値あるマーケティングツールとなるよう開発していきたいです。

今回のようにGIFスタンプの制作と広告配信をパッケージ化した商品も製作していますので、ぜひ今後も継続してお力になれたらと思っています。



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株式会社GIFMAGAZINE
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MAIL:contact@gifmagazine.co.jp