マーケターは経営者になり得るか?マーケティングと経営のかかわりを考える — 「CMO CLUB GLOBAL」分科研究会レポート

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「CMO CLUB GLOBAL」では「マーケターの、マーケターによる、マーケターのための組織」を目指し、各業界ごとに6名のボードメンバーを選出。そのメンバーが中心となって年間の活動を設計・実行している。

ボードメンバーが主体となる活動の第1弾として、4月から各ボードメンバー6名がリーダーとなってマーケティング課題について議論する、分科研究会がスタート。今年の分科研究会では「パーセプションチェンジによる老舗ブランドの持続的成長」「経営とマーケティング」「マーケティングにおけるテクノロジー活用」「アドエクスペリエンス」「新規事業とマーケティング」の5つのテーマについて、リーダーを中心に関係する4名程度のCLUBメンバーが参加して、ディスカッションを実施。1回目の分科研究会を終えたチームのディスカッションの様子を紹介していく。

お客さまだけでなく、社会にとっても価値を提案
マーケティング志向で会社の在りようを考えるべき

「CMO CLUB GLOBAL」2020年のボードメンバーのひとりである、青谷宣孝氏(オークローンマーケティング 代表取締役副社長)をリーダーにして発足した分科研究会のテーマは「経営とマーケティング」だ。青谷氏は2016年6月より「CMO CLUB」に参加。当時はNTTドコモプロモーション部長の職に就いていたが、その後、NTTドコモのグループ企業であるオークローンマーケティングにて、代表取締役副社長として経営マネジメントに携わっている。

長くマーケティング実務を経験した後に、経営の職に就いた青谷氏からの「マーケターは経営者になりうるか?」という問いかけから、分科研究会はスタートした。参加者はマーケティング部長を経て、現在は有楽製菓の代表取締役社長を務める河合辰信氏、そしてマーケティング実務を担いながら、それぞれの企業の執行役員を務めるFWD富士生命・立川麻理氏、三井住友カード・佐々木丈也氏の3名。青谷氏の問いかけに対する3名の答えは「YES」だ。

河合氏からは「マーケティング部を立ち上げたことで、よいと思うものをつくるのではなく、常に顧客にとって価値あるものをつくらなければならないのだという意識が社内に浸透したと思う。経営者の立場になってみて思うのは、どうしても視線が内向きになってしまうということ。現在は商品だけでなく、企業という存在自体をお客さまにとって価値あるものにしていけるかを意識ながら、会社の在りようを考えている。こうした意識の中に、経営とマーケティングの融合を感じている」との話があった。

また佐々木氏からは「これまでマーケティングについては専門部署が担うべきという風潮もあったと思うが、経営者はマーケターという言葉で自分自身を定義していなくとも、過去の経験で何かしらマーケティングにかかわっていると思う。経営者に必要な力のひとつに、財務諸表では見えない顧客の状態変化やトレンドを客観的な視座で把握判断することがある。これはマーケティング的な視点であるし、経営者だけでなく、すべての部門にこうした志向が必要とされていると思う」との意見が提示された。

一方で、立川氏からは経営者になるにはマーケターがさらに意識していかなければならないスキルがあるとの指摘もあった。「現在のCOVID-19の流行拡大のような、予測不能な環境下で、Agilityのスキルを高めなければならない。精緻な仮説を立てられないスピード感で社会が変化している中で、いかに未来を予測してアクションを取っていくかが求められると思う」(立川氏)。

その後、青谷氏から提示された経営に必要なマーケティングの5つの機能、「データマネジメント」「コンセプトマネジメント」「アイデアマネジメント」「コストマネジメント」「コミュニケーションマネジメント」について全員で意見を交換。秋口までに再度、ディスカッションを重ねていく予定だ。

「CMO CLUB GLOBAL」Founderの加藤希尊氏は「マーケティングは経営ゴトである。本研究会で強化されたその総意を、今後さらに明確にしていきたい」と話している。

テーマ:
経営とマーケティングチームリーダー:
青谷宣孝氏(オークローンマーケティング 代表取締役副社長)

参加メンバー:
・河合辰信氏(有楽製菓 代表取締役社長)
・佐々木丈也氏(三井住友カード 執行役員 マーケティング統括部長)
・立川麻理氏(FWD富士生命 執行役員 兼 CMO)
・加藤希尊氏(「CMO CLUB GLOBAL」Founder)
・谷口 優(「CMO CLUB GLOBAL」Content Director)

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