目指すはパーパスが伝わる「広告」 効果測定のしづらさをどう乗り越えるか? — 「CMO CLUB GLOBAL」分科研究会レポート

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「CMO CLUB GLOBAL」では「マーケターの、マーケターによる、マーケターのための組織」を目指して、各業界ごとに6名のボードメンバーを選出。そのメンバーが中心となって年間の活動を設計・実行している。
 
ボードメンバーが主体となる活動の第1弾として、4月から各ボードメンバー6名がリーダーとなってマーケティング課題について議論する、分科研究会がスタート。今年の分科研究会では「パーセプションチェンジによる老舗ブランドの持続的成長」「経営とマーケティング」「マーケティングにおけるテクノロジー活用」「アドエクスペリエンス」「新規事業とマーケティング」の5つのテーマについて、リーダーを中心に関係する4名程度のCLUBメンバーが参加して、ディスカッションを実施。今回は1回目の分科研究会を終えた「アドエクスペリエンス」チームのディスカッションの様子を紹介していく。

「CMO CLUB GLOBAL」の2020年のボードメンバーのひとりである、日本コカ・コーラ マーケティング本部 ICX バイスプレジデントの河合 英栄氏がリーダーとなる研究会のテーマは「アドエクスペリエンス」だ。

河合氏は2019年11月に東京・ANAインターコンチネンタルホテルで開催した「宣伝会議サミット」に登壇し、「広告が『ジャマ者』から脱却するためにコカ・コーラが取り組む3つのアプローチ」をテーマに基調講演を行った。河合氏は、講演の中で「広告に対するパーセプションを変えるのは1社だけではできないこと、アドバタイザーが一緒になって、魅力的なアドエクスペリエンスをつくるための取り組みが必要」と来場者に自身の考えを投げかけた。

「CMO CLUB GLOBAL」も河合氏の問題提起に賛同し、同氏がリーダーとなる分科研究会で、アドエクスペリエンスについて議論をすることになった。この研究会に参加するのはI-neの今井新氏、フェラーリ・ジャパンの遠藤克之輔氏、モンデリーズ・ジャパンの森繁弘氏。食品・日用消費財を担当するメンバーが多いことから「メーカーの場合は、新商品を出し続けることによってニュースをつくり、それによって広告のアウェアネスを獲得する戦略になってしまいがち。しかし、その広告だけでは、商品が存在する意義であるパーパスまでは伝わらない」といった共通課題が浮かび上がってきた。

「最初から数字ありきではなく、まずはブランドパーパスを消費者に届けることを考える。結果的に売上がついてくるのだという発想に切り替える必要がある」とはモンデリーズ・ジャパンの森氏の意見。また、「BOTANIST」の立ち上げから携わってきたI-neの今井氏は「創業当時は、あえてパーパスを言語化しなくても伝わるというスタンスだったが、スタッフも増えてきて、社内のコミュニケーションという観点からも、パーパスの明確化が必要と考えるようになった」といった見解を提示した。

ターゲットが限られているフェラーリは、あまり広告は出稿しない。しかしフェラーリ・ジャパンの遠藤氏は「対象者は限定的であっても、知る人ぞ知るという状況ではブランドはつくれない。マスに対しても、ブランドに対する憧れを抱いてもらうためのコミュニケーションが必要で、今回の議論から得ることが多かった」と話した。

議論を終えてリーダーの河合氏は「ブランドが持つ価値観にいかに共感をしてもらえるかが重要であるとの認識は参加者全員に共通していたと思う。ただ、その指標をビジネスにおいて追求しようとすると、効果が計測できないという壁にぶつかってしまう。皆が同じ点で悩んでいることがわかったので、研究会を通じて突破口を見つけていきたい」と話した。

また「CMO CLUB GLOBAL」の加藤希尊氏は「感染症の影響で、CMOの皆さんも目の前の仕事に追われがちな現状があると思う。その中で、分科研究会は本来、マーケターが考えるべき本質的な議論ができる場であると再認識したし、いまの状況だからこそマーケティング界に提供できる価値があると感じた」とコメントしている。

テーマ:
アドエクスペリエンス
 
リーダー:
・河合 英栄氏(日本コカ・コーラ マーケティング本部 ICX バイスプレジデント)
 
参加メンバー:
・今井 新氏(I-ne 取締役 兼 ブランディング本部本部長)
・遠藤 克之輔氏(フェラーリ・ジャパン マーケティング・ディレクター)
・森 繁弘氏(モンデリーズ・ジャパン 取締役マーケティング本部長)
・加藤 希尊氏(「CMO CLUB GLOBAL」Founder)
・谷口 優(「CMO CLUB GLOBAL」Content Director)

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