1970年に大阪の中心地・阪神高速の高架下につくられた巨大商業施設「船場センタービル」が50周年キャンペーンの特設サイトを公開した。うつ病を体験した漫画家とのコラボレーションという異例の企画だ。
「船場センタービルの漫画」は、漫画家の町田洋が4日間かけて同施設を見て歩き、働く人々やお客さんと触れ合って感じた気持ちを、33ページの読み切りエッセイにまとめた漫画作品。同ビルを歩いて感じた、“駅前の商店街のお店を訪れているような”感覚を、いち旅行者のような視点で描いている。同ビルで50年間淡々と積み上げられてきた日常の空気感や、ここで働く人々が醸し出す独特のおおらかさが感じられる内容になっている。
漫画と合わせ、本作を原作とした短編アニメーションも6月29日に公開された。声と主題歌はコムアイ(水曜日のカンパネラ)、アニメーションの監督は大川原亮、アニメーションスタジオはCALF、制作はCEKAIが担当した。
アニメーションの総合演出を担当した村井智氏は、この企画について次のように説明する。
「50周年のウェブサイトだけ作ることが決まっていて、他に何を作るか考えるところからスタートした企画です。クリエイティブチーム(プロデューサー、プランナー、アートディレクター)内で色々とアイデアを出す中で『すぐなくなってしまう派手な広告をここで作っても誰にとっても意味がない』とみんな考えるようになりました。
そこで20年、50年経っても『2020年の船場センタービルは/社会は/そこにいる人はこんな感じだったんだ、懐かしいな』と残り続けるモニュメントになるような映像を作ろうとチーム内で意見がまとまりました。漫画は20年経っても、50年経っても文化としてなくならない限り、書店に作家の作品として残ります。なので漫画家さんにこの場所を舞台に描きたい作品を描いてほしいとお願いすることにしました。
そこから町田洋さんとトーチweb(漫画メディア)編集部の山田さんに奇跡的に相談できることになり、あとは漫画内や特設サイト内の僕のコメントにある通りです。コムアイさんや監督の大川原さん、アニメスタジオのCALFチームも、町田さんから上がってきた漫画のネームを見て『これは今やる意味がある』と忙しい中でも即答で協力いただけたました。それ自体も本当に奇跡的でした。
『普通の日常』というものの尊さが全世界的に再確認されている今だからこそ、僕たちにとって本当に特別なものとは何か、この物語と、50年を生きてきたこのビルと一緒に、今一度立ち止まってゆっくり考える機会にしてもらえたらと思います」
スタッフリスト
- 原作
- 「船場センタービルの漫画」町田洋
- 声・歌
- コムアイ(水曜日のカンパネラ)
- アニメーション・監督
- 大川原亮
- 企画・総合演出・編集・音楽・仕上げ
- 村井智
- 音楽作曲・制作(ピアノパート)
- 山本享平
- 音響
- 河合孝晃
- プロジェクトマネージャー
- 岩永瞳
- プロデューサー
- 三上太朗
- 制作プロダクション
- CEKAI
- 企画・監修
- 濱田龍慈
- 題字・アートディレクション
- 松島遥奈
- 広告会社
- 電通関西支社
- アニメーター
- 大川原亮、倉橋一平、鈴木萌美、野中晶史、宮かなえ、橋本新
- アニメーションプロデューサー
- 廣瀬秋馬
- アニメーションスタジオ
- CALF
- 声&歌
- 録音
- 中山誠一
- 録音スタジオ
- ジーアングル恵比寿スタジオ
- 音響仕上げ
- MURAIMURA
- 主題歌
- 「忘れたフリをして」
- 歌
- コムアイ(水曜日のカンパネラ)
- 作詞
- 田平のぞみ
- 作曲
- 村井智、田平のぞみ、田平恭生、代田栄介
- 編曲
- 村井智
- 演奏+録音
- 村井智
- ミキシング
- 鈴木歩積
- 原作編集
- 山田翔(トーチ)
- ロゴ制作+Webサイトデザイン
- Goo Choki Par
- 撮影
- 田川優太郎
- 企画制作協力
- 井上貴裕
- プランナー
- 中川恭彰、朱喜哲
- Web
- 大井良次、西村一哉
- PR
- 原良輔
- 関西弁監修
- 中邨正人、谷口順一、以西美景、田原あすか
- 翻訳
- 清水鈴
- 協力
- トーチweb
- 特別協力
- 船場センタービル
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