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ライゾマティクスが「アブストラクトエンジン」に社名変更、組織体制も一新

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メディアアート・広告・エンターテインメント・建築・都市開発まで、様々な領域でリアルとオンラインを横断しながら活動の幅を拡張し続けてきたライゾマティクス(代表取締役:齋藤精一氏)が、大きな組織変更を図ることを発表した。

具体的な変更としては、株式会社ライゾマティクスを株式会社アブストラクトエンジンへと社名変更し、「ライゾマティクス」と「パノラマティクス」の2つのチームを設置。2019年に設立し、主にクライアントワークを担う株式会社フロウプラトウを関係会社という位置に置いた。

左から石橋素氏、齋藤精一氏、千葉秀憲氏、真鍋大度氏。

同社は2006年、「新しい領域を切り開き世界をより面白くする」という使命感と野望のもと、齋藤精一氏、真鍋大度氏、千葉秀憲氏が設立した。以降、インタラクティブアートを通じて情報表示の新たな形態や、人と人、人と機械の新たなコミュニケーションを提案して来たライゾマティクスの知見は、一般的なサービスやプロダクト、エンターテインメントへと展開してきた。

数多くのプロジェクトやコラボレーションを通じて活動の領域を拡げ、創立10周年となる2016年には、「Research」「Architecture」「Design」の3部門を設立。美術館やライブイベント、広告プロモーションから始まったクリエイションを商業施設や都市開発といった実空間におけるインフラやプラットフォームへと実装してきた。

データとコンピュテーションの主導の元で社会が大きく変容し、同社の仕事も公共空間での展開、それぞれの仕事の規模やスケールが拡大する中で、ライゾマティクスの活動も新たなフェーズに入ったことを認識し、チームとして、個人として次の段階に進むべく、今回の大きな体制変革へと至った。

「アブストラクトエンジン」という新会社名の由来は、フーコーやドゥルーズ、ガタリにも引用されたabstract machines=「抽象機械」から。マシーンではなく力を生み出す社会の動力=engineとして機能すべく新社名を「Abstract Engine」と名付けたという。
主な変更は以下の通り。

●商号変更
株式会社ライゾマティクスを、2021年1月末より株式会社アブストラクトエンジンへと社名を変更。代表取締役は、齋藤精一氏。

●組織変更(2020年10月30日より)
・技術と表現の新しい可能性を探求し、研究開発要素の強い実験的なプロジェクトを中心に扱う部門「ライゾマティクスリサーチ」は、「ライゾマティクス」に変更。
主宰は、真鍋大度氏と石橋素氏。

・デジタル・テクノロジーを活かしたクリエイティブで得られる体験を、空間・都市といった世界まで拡張し、建てて終わりの建築ではない変化と進化を続ける建築を生み出す部門「ライゾマティクス・アーキテクチャー」は、「パノラマティクス」に変更。主宰は、齋藤精一氏。

・株式会社ライゾマティクスで培った横断的なデザイン力・実装力をベースに、より多くのクライアントやパートナーと共に、豊かな体験をつくり持続可能な状態で社会へ実装する会社として、2019年に創設メンバーである千葉秀憲氏が設立した株式会社フロウプラトウ。

2019年に設立されたフロウプラトウでは 「持続可能な社会実装」を全ての活動のベースとし、クライアントと共にデザイン・実装力で課題を解決すること、社会の変化に伴う潜在ニーズとナレッジの接点を見出し、短中長期視点で新たな価値を社会に実装すること、ライゾマティクスでのマネジメントの知見を生かし、クリエイターが活動しやすい環境をつくることを主に行っていく。また、同社は2020年10月に東京理科大学イノベーション・キャピタルより約4億円の資金調達を実施。代表取締役である千葉氏ほか、取締役には創業期からのメンバーである中浜大輔氏、東京理科大学イノベーション・キャピタルから片寄裕市氏が就任する。

ライゾマティクスは創立15周年を記念し、2021年3月に東京都現代美術館で「ライゾマティクス展」の開催を予定している。