PR事業のDX化を通して見えた次世代のCMP構想とは?

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顧客接点のデジタルシフトが進むなか、企業が発信するコンテンツの配信先は多様化の一途をたどっている。PR活動においては最適な配信先を選べない、配信に絡む業務に膨大な手間や時間がとられてコンテンツの企画・制作に手が回らない、といった課題感を持つ企業も。PRのDX化を促進するベクトルグループでは、こうした現状をどのように捉え、どのような施策を打ち出しているのか。キーパーソン2人が対談しました。

PRのDX化の推進で 考えることに人の力を集中させる

ベクトル 経営戦略本部 本部長 戸﨑 康之 氏
キャリアを通じて、多数の会社経営及び新規事業の立ち上げを経験。主な業務領域は、経営・事業の戦略立案からプロダクト企画、アライアンスやM&A・出資など。ビジネスディベロップメントからマーケティング、コンサルなどオールラウンド型で活動。PR TIMES取締役及び、スマートメディア取締役を兼任。

戸崎:かつて企業発のコンテンツといえば写真とテキストでしたが、いまや動画が中心になりつつあります。

コンテンツフォーマットも多様化していますし、その配信先も爆発的に増えている。この流れはPRにおいても例外ではありません。私たちも従来は、プレスリリースの配信等でパブリシティにつなげる手法を担ってきました。

しかし現在はWebサイトだけでは、なかなか伝わらない企業のタイムリーでリアルな情報を「動画ニュース」として制作し、自社メディアをはじめADへ一括配信することで、ステークホルダーに直接リーチさせる手法に注力しています。

ただ、従来の業務プロセスのまま最新動向までカバーしようとすると、多様化していくデリバリー部分の業務に時間や手間が取られる一方です。

本来ならば、コミュニケーション設計やコンテンツ制作に、より多くの比重を置くべき。そこで、まずはベクトル自らが時代に合った業務改変を行い、自社が担うPR事業のDX化を推進していくことになりました。具体的に私が担っているのは、コンテンツ制作支援や分析支援なども含めたCMP「ベクトルPRプラットフォーム」をつくることです。最適な配信先を組み合わせながら、最終的にはクライアントのマーケティング・コミュニケーション全般を設計していく構想を進めています。

ベクトル 事業開発本部 アナリティクス事業部 プロデューサー 天野 渉 氏
パルコ入社後、店舗でのプロモーション、イベント、顧客開発業務などを担当。ベクトル入社後は、子会社シグナルのCOOとして、ナショナルクライアントを中心にWeb上のPR戦略、コミュニケーション施策を実施。現在は、ベクトルの新規事業「PR Analytics」のプロデューサーとしても活動する一方、 D2Cを展開するスリーズの経営に携わっている。

天野:従来のPRは非常に属人的で、サービスのクオリティが人に依存されるという課題がありました。特に実業務は、労働集約的に人の時間を割いてこなすものが多い。

そこで私が所属する部署では、さまざまなテクノロジーを活用してアナリティクスでコンテンツやデリバリーにまつわる業務の改善を担い、DX化でPR実務の省力化を促進しようとしています。

デリバリーではなく、もっと本質的なコミュニケーション設計やコンテンツ制作に時間を割いてもらいたい。それがDXを推進する目的です。

また私の担当として、正しいKPI設定にも注力しています。PR活動が常態化してくると、その効果が当然のことになってしまい、投資に対して社内理解が得られづらくなるという課題があるからです。

そこでマーケティング活動におけるPRの位置づけを明確にし、適切なKPI設定を実現するお手伝いもしています。

ベクトルグループでは、年間で約2,000のプロジェクトに携わっていますので、全ての活動をデータベース化し、ある種のビッグデータとして共有することで、業界全体の課題解決につなげていけると考えています。

自前「CMSプラットフォーム」で 効果が見える化し始めた

戸崎:現在、構想しているCMPは動画が鍵にはなりますが、【図1】にもあるようにテキスト、写真、動画を格納しながら、最終的にさまざまなところに配信できるプラットフォームです。

配信先のひとつであるCMSに関しても、現在はまだ各種SNS投稿、リーチ分析、広告配信など動画型コミュニケーションに最適なコンテンツをトータルで一元管理できるプラットフォームは存在していません。そのため私たちは、コンテンツを一元管理する「CMSプラットフォーム」も開発中です。実際に、「CMSプラットフォーム」を活用した動画を使ったコミュニケーションプラットフォーム「カンパニーTV」では、すでに効果もしっかり出始めています。

「カンパニーTV」は、PR視点でつくられた「動画ニュース」を社内外のステークホルダーに一括配信するサービスで、オウンドメディアとしての役割も果たします。自社でも「カンパニーTV」を使って「ベクトルタイムズ」というオウンドメディアを立ち上げ、最新のニュースや事例を動画でわかりやすく配信しているのですが、「カンパニーTV」がローンチしたとき、そのニュースを従来のテキストで発信するのと、動画で発信するのとでは、結果に大きな差が生まれましたね。

 

広報とマーケティングが融合 これからの世界を見据える

戸崎:「カンパニーTV」はまだまだ完成形ではなく、今後もブラッシュアップが必要ですが、まずはコンテンツを一元管理できるプラットフォームもきちんとベクトルで用意していく。

その上で、分析支援ツールやクライアント企業が使っているCRMのツールとも連動していく。将来的には、いわゆる企業の広報活動とマーケティング活動が融合していくような世界観を想定しています。ちなみに、「ベクトルPRプラットフォーム」は2年以内に完成させる予定ですが、すでに開発は始まっていてCMPのベースはできているので、今後はデリバリー部分の連携を粛々と進めていきます。

天野:企業が動画を使う目的は、広報的なものからプロダクトの発表会まで多種多様ですが、現在は社内のさまざまな部門がそれぞれ動画の制作・配信に取り組んでいます。けれども、ひとつのプラットフォームのなかで、それぞれの目的に合わせてコンテンツ制作や最適な配信先を選べるようになれば、部門はもちろん企業としてのPDCAがより回しやすくなります。それに、テレビCMと比較すると、オンライン動画であれば少額でトライできるのもメリット。

スピード感をもってPDCAを回せるので、改善ポイントの蓄積が早く、成功法則が見えてくるスピードも圧倒的に早くなります。そうした将来的な構想に向けて、自社の実務を引き続きDX化させるなかで、今後は戸崎が携わるCMPと、私が携わるアナリティクスをさらに連動させていく予定です。


株式会社ベクトル
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