「偶発的消費」がECを変える。awoo Japanの「nununi」が実現させる顧客体験とは

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2020年夏に日本市場に本格参入した台湾発のAI×MarTech企業awoo Japan。同社が運営するのが、「商品理解」と「行動理解」を組み合わせたアジア初のオムニチャネルマーケティングオートメーションプラットフォーム「nununi」(ヌヌニ)だ。今回は、同社執行役員で日本事業開発責任者の吉澤和之氏に、「nununi」の特徴とECサイトに不足している「偶発的消費」を可能にする仕組みについて話を聞いた。

awoo Japan執行役員
日本事業開発責任者
吉澤和之氏

フリーライターからキャリアを始め、その後広告代理店でクリエイティブデイレクターを経験した後、外資系マーケティングオートメーション企業に転職し、新規事業・事業開発などを担当。
その後独立し、SaaS企業の事業コンサルティングを行う傍ら、ニューヨーク発のIT企業MovableInkの日本進出支援。
Repro株式会社にてCBDOを経て、awoo Japanの執行役員 事業開発責任者に就任。

 

2020年8月に日本市場へ本格参入

——まず、awoo Japanの事業と吉澤さんの担務について教えてください。

当社は2015年にAI大国である台湾で誕生したMarTech企業で、SEOとEmail配信の分野で業界シェアNo.1まで成長しています。現在は、「より良い買い物体験の提供」をビジョンに掲げ、その中でも「偶発的消費」に注目し、これを誘発するAIソリューションを開発しています。

私は現在、日本の事業開発責任者として、日本国内での組織の立ち上げや市場の認知獲得、営業活動を行うための道筋を立てている最中です。2020年で日本国内の企業との取り組みも増えはじめ、その中で日本国内で発揮できるベネフィットが見えてきました。そのひとつが「偶発的消費」です。

世界的なトレンド「偶発的消費」とは

——「nununi」の根底には、「偶発的消費」という考え方があるそうですね。詳しく教えてください。

消費行動には、「自律的消費」「他律的消費」「偶発的消費」の3パターンあるといわれていて、それらの消費パターンはどれも消費者一人ひとりの中に混在しています。

まず「自律的消費」は、“これを買う”という目的がある消費です。この場合には買うものが決まっているので、リアルでもデジタルでも何をリコメンドしようがあまり効果はありません。2つ目の「他律的消費」は、店員さんに勧められたり口コミで比較して買ったりと、他人の意見を集約して買ってみよう、と考えるパターンです。

そして「偶発的消費」とは、自分の中にある価値観にマッチする商品に偶然出会って、ついつい買ってしまうという行動です。衝動買いに近いかもしれないですね。これは、NetflixやAmazonも注目している考え方で、世界的なトレンドでもあります。

Eコマースの世界ではweb上での行動をもとにした「パーソナラゼイション」が進み成果を上げてきました。しかし、消費者は目に見える行動だけで予想できるほど合理的な意思決定をしているわけではないため、パーソナライゼーションだけに頼ることには限界がありました。そのため、次のテーマとして消費者の趣味嗜好の周辺領域をどう獲得していくかという課題があり、Googleを含めてあらゆる企業が研究を進めているのです。我々もそれを実現するためのソリューションとして「nununi」を提供しています。

Eコマースには「偶発的消費」がない?

——「nununi」の特徴を教えてください。

オフラインの店舗では、ほとんどの方が「買おうと思っていなかったのに買ってしまった」という経験をされていると思います。しかし、Eコマースの世界ではそれがあまり起こっていないですよね。「nununi」はその課題を解決するために、個客に合った偶発的なリコメンドを行なって、リアルで起こる体験をオンラインでも行うことを目的にしたサービスです。

Eコマースでは、フィルタリングという概念が一般的です。ただ、フィルタリングは消費者自身が認識している顕在的なニーズに基づいて、カテゴリーごとに絞り込んでいくので、予期せぬ出会いは起こらなくなってしまいます。つまり、従来の手法だけでは、「偶発的消費」を生み出すことは難しいのです。

そこで、商品の特徴をSNSでよく使われているハッシュタグという形で可視化し、そのタグベースでユーザーの行動を追跡していくことで、個客の購買動機をAIが推定。購買動機が推定できれば、潜在的なニーズまでリコメンドすることができます。これによって偶発的な出会いを演出することができます。

 
アーティストグッズなどを販売する「PGS」(JAMSHOPPING)の例なのですが、このサイトでビートルズのロゴ入りのパーカーの商品ページを閲覧している人がいたとします。買い物客がそのページ内に設置したハッシュタグ「#ロゴ パーカー」をクリックすると、次は「ロゴ入りパーカー」の一覧ページに遷移します。そこにまた、おすすめキーワードとして「#ロゴ 帽子」や「#ロゴ Tシャツ」を設置しておくことで、「この人はロゴ入りグッズがほしいのでは」という推定のもと、ユーザーの潜在的なマイクロニーズに寄り添った偶発的消費を生み出すことができます。

 
リアルの店舗でも、「何が買いたいかは分からないけれど、春物が欲しい」などと漠然と見て回っている人も多いですよね。Eコマースに何となく来たお客さまに対しても、商品と一緒にハッシュタグで興味喚起してあげることによって、選択肢が広がるのです。これを我々は「タグ接客」と呼んでいます。

リアルの購買体験と同じような、商品との偶然の出会いを創出することは、サイト内の回遊性・滞在時間・離脱率・CVRなどの全体的な指標も底上げできます。実際、お客様であるPGSは回遊率3倍、離脱率70%減、滞在時間4倍、CVR3倍を実現しました。

さらに、顧客のエンゲージメントを高めるだけでなく、自動でGoogleの検索ページにインデックスされる仕組みも搭載しているので、ロングテールキーワードのSEO対策を行うこともでき、回遊性向上と同時に自然流入の数(新規顧客の獲得)も増やすことができるのです。台湾では実際、自然流入を2.4倍にした実績があります。

また「nununi」は、“商品理解”という全く新しいアプローチでリコメンドを広げていくため、個人情報を必要とせず、またCookieにも依存しません。プライバシーに関する規制強化が叫ばれる中で、我々のアプローチは今後決定的なメリットをもたらしてくれるでしょう。

——現在の導入企業は。

インターネットオークションサービスの「モバオク」や下着メーカーのピーチ・ジョンなどに導入していただいています。企業規模問わず、多品目多商材の企業は偶発性を起こしやすいので、ぜひ導入を検討していただきたいと考えています。

将来的にはデジタルとリアルを連携させる

——今後の展望をお聞かせください。

本国台湾では「OMO」がより一層進んでいます。そのため台湾国内では、ファミリーマートと連携して、Eコマースのタグ付けをリアル店舗にも搭載する実証実験を行い、商品にまつわるデータを可視化させ、リアルとデジタルの融合を進めています。日本でも同様のOMO推進をしていくつもりです。また、人工知能の技術力をさらに磨き上げ、ポストCookie時代をリードする新たな顧客理解ソリューションを作っていきたいと考えています。

すでに我々はCookie代替技術と言われているFLoC(フェデレッテッドラーニングオブコホート)と同等の技術を持ち合わせていて、nununiに標準搭載しています。今後数年で一変するデジタルマーケティングの世界をリードするため、さらに技術力を高め、スピーディに開発を進めていきたいと考えています。



お問い合わせ
awoo Japan

URL:https://www.nununi.jp/

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