全日本空輸(ANA)は4月1日付でCE(カスタマー・エクスペリエンス)マネジメント室とマーケティング室を統合し、CX推進室を新設する。CX推進室長は、同日付で上席執行役員となる矢澤潤子氏(現・執行役員中部支社長、中部地区担当)が務める。
CX推進室では、旅行前、旅行後、日常的な購買などの各顧客接点で、顧客体験(カスタマー・エクスペリエンス、CX)を向上させるため、グループ全体の方針や戦略を策定する。旅行前から旅行後までのサービスに顧客の声を反映するなど、部門横断の視点で営業収益の増大を図る。
新型コロナウイルス感染症の拡大が引き金となって、オンライン会議が浸透。ANAは減少したビジネス需要は完全には戻らないと見る。一方、友人や親戚の訪問を目的とした旅行(VFR)は今後も堅調で、リモートワークで居住地が分散すれば成長の余地があるという。ANAはCX推進室を設置することで、顧客接点の強化に努める狙い。
従来のマーケティング室の宣伝部、観光アクション部、カスタマーコミュニケーション部は廃止する。デジタルマーケティング、顧客コミュニケーション機能はANA Xへ移管。CX推進室と連携して業務にあたるが、詳細は今後詰める。
ANA Xは4月、ANAセールスを会社分割し、旅行事業を統合し、プラットフォーム事業会社へと再編する。ANA Xの社長には井上慎一ANA HD上席執行役員が就任する。現社長である加藤恭子氏の退任後のポジションは非公表。
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