佐藤卓・野老朝雄・上西祐理ら参加「グラフィックトライアル2020」開催

印刷博物館P&Pギャラリーで4月24日から、「グラフィックトライアル 2020 -Baton-」が開催される。グラフィックデザインと印刷技術のコラボレーションによって、新しい表現のポスターを生み出すという企画で、今回で15回目。2020年に開催予定だったものを1年延期した形だ。会期は8月1日まで。

制作テーマは「Baton」。リレーのように、「印刷の可能性」というバトンを次世代へつなごうと、佐藤卓、野老朝雄、アーロン・ニエ、上西祐理、市川知宏の5人が参加した。展覧会では、クリエイターの独創的なアイデアと印刷技術を組み合わせて完成させたポスターと、制作過程での数々のトライアルを紹介する。

佐藤卓氏の作品は「みそ汁 -MISO SOUP-」。みそ汁の具材全てを印刷の「ヤレ」のように刷り重ねたほか、具材それぞれの舌触りにあわせて網点の線数と形状を変えている。日本人のルーツでもある「みそ汁」の本質を伝えるべく、まるで解剖するように、具材一つひとつの存在を丁寧に印刷のレイヤーにして重ねて見せるという作品に仕上がっている。

佐藤卓「みそ汁 -MISO SOUP-」制作イメージ。

野老朝雄氏の作品「REMARKS ON BLUE」ではライフワークとして追いかけてきた藍染め、有田焼などの青の表現を印刷で試す。また印刷物は紫外線に長時間さらされると色調が変化という現象に着目し、会期中に展示替えを複数回行うことでポスターの色調が変化していく様を楽しめる。

野老朝雄「REMARKS ON BLUE」制作イメージ。

台湾のアートディレクター、アーロン・ニエ氏はB1の枠から飛び出した新しいポスターの形を提示する作品「Out of Sight」を発表する。歴史になぞらえて、ポスターごとにその時代に合わせた仕様を設計した。メディアの多様化が進む現代で、新たなグラフィックポスターのあり方を提示する。

アーロン・ニエ「Out of Sight」制作イメージ。

電通の上西祐理氏の作品「Powers of 10」では、究極の白、黒、青を、インキ・紙・版式問わずに追求。再帰反射インキを使い、浮かび上がるような表現に挑戦している。二次元から三次元、四次元、五次元へ、紙とインキで異次元を表現したポスターとなっている。

上西祐理「Powers of 10」制作イメージ。

凸版印刷のフォトグラファー、市川知宏氏の作品「Chrome」では、同アングルで被写界深度やライティングなどの撮影仕様のみを変えた写真を複数枚撮影。CMYK各版を入れ替えることで鮮やかな色を創出させた。「写真を撮るこということは、三次元のものを二次元に変換する行為でもある。フォトグラファーとしていつも避けられなかったこの現象を、どうにかして補いたい」という思いから実現した。

市川知宏「Chrome」制作イメージ。

会場の音声ガイドのナレーションは祖父江慎氏が務めるほか、感染症拡大防止の観点からバーチャルギャラリーも開設する。

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