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国スポ「SAGA2024」が大会ピクトグラムを発表、モデルは佐賀県内外で活躍する実在のアスリート

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佐賀県は6月13日に、2024年に佐賀県内で開催される「国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会」(以下、「SAGA2024」)で活用する大会ピクトグラムを発表した。

これまで約80年近く実施されてきた「国体」は、開催する自治体にとっては国際的なスポーツイベントに匹敵するほど大規模なイベント。何年もかけて、行政はもちろんのこと、参加選手や競技団体、学校、民間企業など多くの⼈が関わり、全国から選手・関係者が来場する。

2018年6月13日に「国体」から「国スポ」に名称が変更され、佐賀県がそのはじまりの地に選ばれたことを受けて、同県ではもっと全国民が注目し、楽しめるポテンシャルのあるスポーツ大会にしたいと考えたという。そこで、「スポーツだからできること」「みんなでつくり上げる」という点に特にこだわり、佐賀県が以前から取り組んできたデザイン視点で「モノ」「コト」を磨き上げる「さがデザイン」の観点から、スポーツの魅力を最大限に伝える⽅法を模索。「スポーツを軸にコンテンツを考えること」といった価値基準のもと、この大会に本当に必要なものを探っていった。

その取り組みの中で出てきたのが、佐賀県内外で活躍する実在のアスリートをモデルとし、全競技をピクトグラムで表現するというアイデアだった。このアイデアを提案したのは、以前より「さがデザイン」に関わってきた佐賀県唐津市出⾝のデザイナー 先崎哲進 氏(テツシンデザイン代表)。

「私自身、これまで国体には誰が出ているのかもよくわかっておらず、はじめは‟高校生が出ているのかな?”といったぐらいの認知だったんですよ。それが、あらためて知ると‟これは国際的なスポーツイベントと同等だ“と。スポーツには、人に喜びや感動を与える力があります。国スポは、ふだん知られる機会の少ないスポーツが脚光を浴びるきっかけにもなる。本来のスポーツの力を、あらためて表現し直したいとの気持ちがありました」

みんなで作り上げるプロジェクトにしたいという想いから、SAGA2024では「する」「観る」「支える」の3つをキーワードとして掲げている。みんなが主役になって作っていく象徴として、まずピクトグラムがあるのではないかと考え、リアルアスリート・ピクトプロジェクトがスタートした。

初めての試みゆえに、県担当者は各選手や団体には何度も丁寧に意図を説明し、理解を得ると同時に、「提供できる写真がない」という団体には、担当者が自ら写真を撮りに行ったという。そして約1年をかけて、佐賀県内外100 名以上のアスリートに協力を得て、ピクトグラムは制作された。

完成したピクトグラムは単に写真をシルエット化するのではなく、先崎氏はデザイン性を持たせるところに注力。躍動感や多様さ、感情を動かす動きをピクトグラムで感じてもらいたいと考え、明治維新150年を機に、佐賀で使用した青色「イシンブルー」も含め、複数のビビッドカラーを使用している。

リニューアルした「SAGA2024」の公式サイトでは、すべてのピクトグラムが公開され、その元になった写真も見ることができる。今後は、それぞれのアスリートのストーリーもこちらで順次公開していく予定だ。

また、ピクトグラムの発表が行われた6月13日の佐賀新聞には「どれが、誰でしょう?」というキャッチフレーズで、全ピクトグラムを公開した。

同プロジェクトを推進した佐賀県プロジェクトリーダーの宮原耕史氏は「‟前例のない新しいチャレンジ”の中で、ピクトグラムは大きな一つの取り組みです。通常、ピクトグラムは無機的なものですが、今回は裏側に物語がある。どこか別世界でやっている大会ではなく、もっと近い世界で選手が想いを持って取り組んでいると感じてもらえる象徴になってくれたらいいですね。スポーツの意義にまで想いを馳せてくれたらなと思っています」と語っている。

SAGA2024ではピクトグラムの発表他、名称が国体から国スポに変わる今だから挑戦出来る「アイデア」を2024個以上あつめ、実現させていくプロジェクト「IDEA 2024」も実施中。2023年9月30日(SAGA2024開催約1年前)までを期限に、公式サイトにて全国からアイデアを随時募集している。