「リサーチ」から「データ利活用支援」へ マクロミルの新サービス「DX Buddy」とは?

日本におけるネットリサーチのパイオニアとして創業したマクロミルは、時代に応じて進化を遂げてきた。そんな同社は、顧客企業のマーケティング活動のDX化をワンストップで支援するデータ利活用支援事業として、新サービス「DX Buddy」を立ち上げる予定だ。その構想を聞いた。

「意識データ×行動データ」で消費者を深く理解する

2000年にネットリサーチ会社として創業したマクロミルは、日本のネットリサーチ市場を創出し、その後、総合リサーチ会社へと事業を拡大。2014年には「オンライン行動ログデータ」と「アンケート調査」により企業のデジタルマーケティング施策の効果を測る新手法、「AccessMill(アクセスミル)」をリリースし、データ提供によるデジタルマーケティング支援を開始した。

「AccessMill」によるサービスを立ち上げたデジタルテクノロジーズ事業本部 本部長の後藤新氏は、創業以来、データと共に歩み続けた“データネイティブ”であるマクロミルだからこそ、デジタル領域に進出することで新たに提供できる価値があるという。

「当社では、アンケートによる“意識データ”とデジタル接点による“行動データ”の両方を取得可能。この2つを掛け合わせることで、消費者がどのように考え、どのように行動したかがわかります。例えば、『AというCMを見ましたか?』という質問に対して、アンケートの回答は『見ていない』が7割、『見た』が3割だったとします。しかし、閲覧履歴を確認すると6割の人がCMに接触していることになっている。ここから、『見たはずなのに覚えていない』人が実に半数近くもいることがわかります。プロモーション施策などを考える上でこれは非常に大切です」と後藤氏。

そこからさらに、「なぜ覚えていないのか」を分析することで、次なる打ち手が見えてくると話す。「データを取る」に留まらず「貯めたデータを分析し販売する」ことで、企業がより有効にデータを活用できるようサポートしてきたのだ。

データ利用の規制が進む中コンサルティングサービスを始動

クッキー利用の規制や、GoogleやAppleといった大手プラットフォーマーのデータ活用制限が進む現在、広告主企業にとっての課題は大きく2つあると後藤氏は話す。

「ひとつは、サードパーティーデータの活用が難しくなり、データの流通量が減少すること。これにより、従来の配信方法でのリターゲティング広告が打ちにくくなり、リターゲティング広告を活用している企業は戦略を変更せざるを得ません」。

2つ目の課題は、サードパーティーデータが活用しづらくなれば、おのずとファーストパーティーデータの活用を考える企業が増えることが予測されるが、いざユーザーからデータを取得しようとした際に、説明や許諾取得に関する知見がないため、うまくデータ利活用を推進できない企業が出てくる点だ。さらに今後は、データ入手にかかわるコストが増え、企業はこれまで以上に投資対効果を求めるようになると後藤氏は予想する。

このような課題がある中で、マクロミルではこれまで蓄積してきたノウハウを結集し、新たなサービス事業を開始。同社は国内で人口の約1%に相当する130万人を超える消費者パネルを保有。これは創業から20年をかけて構築してきたもので、パネルとの信頼関係ができている。

まずは、このパネルから取得するデータを企業のマーケティングに直接活用できる仕組みを強化する。加えて、データ提供者との信頼関係の構築方法や、データの使用許諾の取得の仕方、その分析といったマクロミルが培ってきたノウハウをサービスとして提供しようと考えたという。

この考えのもと2020年2月から開始したのが、データ活用コンサルティングサービスだ。データ収集、蓄積、分析、環境構築など、データ活用に知見のある同社のスタッフが時に企業に常駐しながら、戦略の構築から検証まで伴走している。

この取り組みをさらに発展させ、マクロミルは「DX浸透パートナー」という立ち位置でDMP構築支援、データの利活用支援及びコンサルティング業務などを提供し、顧客企業のマーケティング活動におけるDXをワンストップで支援する新サービス「DX Buddy」を開始する予定だ【図表1】。

図表1 企業のDX推進のフローと「DX Buddy」の立ち位置

「現在、DXを推進する企業が増えていますが、多くの場合にハードルとなっているのが『DXの浸透』です。

大手SIerさんなどに相談をして戦略を立て、DMPなどの基盤を構築するところまで進んでも、データ取得の許可を取る方法がわからなかったり、取得したデータの分析方法がわからなかったりと、その後、現場での業務に落とし込む『浸透』のフェーズで苦労されている企業が多く見られます。そのような企業にとって、現場の状況を理解しデータを扱いなれている私たちのノウハウは役に立つと考えています」と後藤氏。

他にも同社では、消費者パネルのデータを活用し、消費者像をセグメンテーションし行う広告配信や、意識調査データと連動して自動で最適化する広告配信、さらにWebサイトのUIと連動させ顧客体験を向上させるといったサービスも実施している。

データ利活用のプロとしてマーケティングの実行も支援

「データ利活用支援事業」の推進により「リサーチ&データ提供」から「データ利活用支援(コンサルティング)」へと事業を拡大する同社だが、企業のマーケティング施策の支援のため、さらにデータを活用していく構想があるという【図表2】。

図表2 事業モデルのサイクルイメージ

「企業のマーケティング課題に『伴走』することで、数々の企業に共通する課題や、解決のために必要なマーケティングデータといった知見やノウハウが我々に蓄積されます。

その蓄積を活用することで顧客企業のマーケティング活動の実行フェーズに関与し、目的達成に直接貢献する『マーケティング施策支援』が可能になるのではないかと考えています。そして、マーケティング支援を行っていると、次の打ち手の実現・検討のために、リサーチを通じて追加でデータを取得する必要が出てくる。このように3つのサイクルをマクロミル1社で回せるようになり、さらにはそれを機械化・自動化できるソリューションをつくることができたら、より企業の役に立てると思います」と後藤氏は展望を語った。



株式会社マクロミル
東京都港区港南2-16-1 品川イーストワンタワー 11F
TEL:03-6716-0707
E-mail:press@macromill.com
URL:https://www.macromill.com

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