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CM制作の現場でも頼られるコピーライターに憧れ 映像監督・山口淳太氏の広告観

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7月9日よりWOWOWにて放送されるWOWOWオリジナルドラマ『男コピーライター、 育休をとる。』。監督を務める山口淳太氏に、ドラマに込めた思いからコピーライターという職業への憧れ、広告に対する考えを聞いた。

※月刊『宣伝会議』では、連載企画「私の広告観」を掲載しています。8月号(7月1日発売)では映像監督の山口淳太氏にインタビューを実施。ここでは、本誌に掲載した記事を一部公開します。

山口淳太(やまぐち・じゅんた)氏1987年生まれ、大阪府出身。2005年に京都の劇団・ヨーロッパ企画に参加。映画やドラマ、CM、ドキュメンタリーなど、映像コンテンツのディレクターとして幅広く活躍。 監督を手掛けた作品に、映画『ドロステのはてで僕ら』、ドラマ『警視庁捜査資料管理室』シリーズ、ミュージックビデオ「クリープハイプ『イト』」「凛として時雨『Perfake Perfect』」や、WEBドラマ「日清焼そばU.F.O.『U.F.O.たべタイムリープ』」などがある。

 

コピーライターの著作をドラマ化 「育児」というお仕事奮闘記

——現役コピーライターが驚愕した「育休」のリアル。それは、まだ男性の7%しか体験していない「旅」だった。

2019年1月に大和書房より発刊された書籍『男コピーライター、 育休をとる。』がテレビドラマ化。

WOWOWオリジナルドラマとして7月9日23時より放送がスタートする
(WOWOWオンデマンドでは6月25日17時から第1話、第2話を配信)。

『男コピーライター、 育休をとる。』は、本書の著者である電通のコピーライター魚返洋平氏が、自身が実際に体験した、男性会社員が育休を取得した中で感じた不安や奮闘、面白さに満ちた育休期間の6カ月を、笑いと涙で綴るハートフルコメディ。ドラマでは、主人公の魚返洋介役を瀬戸康史さん、妻の愛子役を瀧内公美さんが演じる。

監督を務めるのは、ヨーロッパ企画の山口淳太氏だ。山口氏はヨーロッパ企画の映像全般に携わるほか、映画『ドロステのはてで僕ら』やテレビドラマ『警視庁捜査資料管理室』、クリープハイプのミュージックビデオ『イト』などの監督としての実績を持つ。

過去にはテレビCMの監督も務めたことがある山口氏だが、CM撮影の現場に訪れた際に見かけたコピーライターの様子が印象に残っているという。

「CM制作には多くの役割の人がかかわりますが、コピーライターはそのクリエイティブ集団の中心にいる印象を強く持ちました。皆がコピーライターに相談するし、頼る。当初、コピーライターの役割は最初の企画をつくる段階が主で、文字原稿を書くだけなのかと思っていたのですが、CMが完成する最後まで携わるのだと知りました。ただただ、かっこいい仕事だと思い、憧れましたね。今回のドラマはそんなコピーライターが、コピーライターを“休業”し、育児という仕事をする、そんなお話です」と山口氏は話す。

原作では、育休をバカンスのような「休暇」ではなく、休業中に育児という別の仕事を「開業」する時間と表現。

世の中には多くの“お仕事ドラマ”があり、登場するキャラクターたちは奮闘している。『男コピーライター、 育休をとる。 』も同様に、そんな奮闘をコミカルに描き、笑って泣けるエンターテインメントにしようというのが、監督のオファーを受けた際に山口氏が最初に考えたことだという。

WOWOWオリジナルドラマ『男コピーライター、 育休をとる。』は、7月9日23時よりWOWOWにて放送開始。インターネット番組配信サービス「WOWOWオンデマンド」でも視聴可能。

原作のコミカルさを映像でも表現 15分ドラマは頭から最高速度に

原作が面白くて一気に読破したという山口氏。

自身もお子さんが生まれたばかりという事情も重なり、共感する場面も多かった。

「読むだけで幸福度が上がるような書籍だった」と話す。

「育児に関するHow Toや教則本といった感覚は一切なく、あくまで魚返さんというひとりの男性の経験が主観で書かれていて、楽しく読めました。自分が読んだ時の感覚をドラマでも実現したい。そう思い、ドタバタコメディをつくることにしたのです」と山口氏は振り返る。

本ドラマは1話15分。その短時間の中に込められた非常に多くの描写とスピード感のある展開により、視聴者を飽きさせない、すべてのシーンが見どころのドラマだという。

「私はショートムービーを撮ることも多いのですが、このような短い時間の映像をつくる際に心がけているのは、開始後すぐに視聴者の心をつかむことです」と山口氏。

本ドラマでも“最初からトップスピード”を毎話意識し、演出したと話す。

「このドラマには、強いメッセージ性や社会課題に対する啓蒙といった要素はあまりありません。それよりもまずは、育児を通して人が考えたり悩んだり、幸せを感じたりといった“気分”を味わってほしい。例えば、まだ子育てを経験したことのない方がこのドラマを見て、『子育てって、すごく大変そうだけど、刺激的で面白そうだな』と思っていただけたら、私としてはガッツポーズです」とドラマに対す
る思いを話す。

—映像作品の編集作業時に、ある必須アイテムが欠かせないという山口氏。山口氏の必須アイテムとは?
本記事の続きは月刊『宣伝会議』8月号(7月1日発売)に掲載しています。

育児を経験するなかで、瀬戸さん扮する主人公・魚返と瀧内さん扮する妻・愛子の顔つきが変わっていくのも注目ポイント。ドラマは全12話(テレビでは2話ずつ放送されるため全6回)。1話15分という長さは、通勤時間などにも気軽に見られるようにと考えられたという。

月刊『宣伝会議』8月号(7月1日発売)

特集1 「不安」と消費者-生活、健康、将来の不安に寄り添う
〇コロナがもたらす「家計不安」
続く節約志向に、企業がとるべき対応とは
インテージ 田中宏昌
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エデルマン・ジャパン 森田尚子、廣野貴士
〇世界平均よりも高い「日本人の不安感」
危機を経ることで生まれる変革に期待
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特集2 「預けてもいい」と思ってもらえる関係はいかにつくれるか?
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〇データを預けてもらってこそ事業が成り立つ
コロナ禍の2021年は「情報銀行元年」に?
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〇「つながるドラレコ」で安全・安心を提供
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