蔵元が自ら日本酒・焼酎の魅力を発信 顧客に想いを届けるECサイトとはーーフラクタ

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日本酒及び本格焼酎の蔵元が集まる一般社団法人のJSP(ジャパン・サケ・ショウチュウ・プラットフォーム)は、日本酒・本格焼酎の魅力を発信する、サイト「UTAGE」を開設した。つくり手の想いを直接、消費者に伝える「UTAGE」に込めた想いとは。JSPの佐藤氏、ECサイトの開設をサポートしたフラクタの菊池氏、大野氏、高橋氏に話を聞いた。

蔵元の想いをダイレクトにお客さまに届けるECサイト

写真左から
フラクタ プランナーの菊池遼一氏、
一般社団法人JSP 代表理事(新政酒造 代表取締役)の佐藤祐輔氏、
フラクタ アートディレクターの大野隆氏。

―JSP(ジャパン・サケ・ショウチュウ・プラットフォーム、以下JSP)の活動とは。

佐藤:JSPは日本酒及び本格焼酎の蔵元たちが集まった法人です。経営能力ならびに醸造技術向上のための勉強会開催のほか、國酒の啓蒙のためにさまざまな取り組みを行うことを目的に組織されました。現在、私が代表理事を務めています。私自身は秋田で嘉永5年(1852年)に創業した新政酒造の代表取締役でもあります。

現在、39の蔵元が集まっていますが、日本酒や本格焼酎の魅力をどのように発信して、社会に啓蒙していくかもJSPの課題。検討を重ねていたところ、メンバーに中川政七商店の中川政七会長と知り合いの方がいて、ブランド戦略についてコンサルティングいただく機会を得ました。そこで中川氏からアドバイスされたのが「今までにない酒の販売をしてみたらどうか?」ということ。さらに「単にモノを売るためのECサイトではなく、蔵元の想いをダイレクトに届けられるようなサイトを目指した方がよいのでは?」とも提案いただき、そこでフラクタさんを紹介していただきました。

―ECサイト「UTAGE(ウタゲ)」は、どのようなサイトですか。

佐藤:國酒である日本酒ならびに本格焼酎は、長い伝統に裏打ちされた飲み物です。全国各地にある酒蔵は酒造文化と地方文化をともに担う存在として、強いこだわりを持って醸造を行っています。このような蔵元の想いを直接伝えるため、「UTAGE」はスタートしました。ECサイトで毎週1回、お酒や限定グッズを販売。販売と同時にライブ中継を行い、こだわりや特徴を蔵元自身が解説しています。

商品を売ることが目的ではなく、日本酒、本格焼酎の魅力に少しでも多くの人に触れていただきたい。蔵元の想いを一般の人に届ける場としてのECサイト、そうしたコンセプトをもとにフラクタさんと綿密に打ち合わせをしながら、プロジェクトが進んでいきました。

―フラクタの皆さんは、「UTAGE」の構築にどのような想いをもってかかわってきたのでしょう。

菊池:佐藤さんからは「毎週、アクセスしたくなるかっこいいサイトを目指したい」というリクエストをいただきました。毎週1つの酒蔵をピックアップし、蔵元が自ら商品を説明するライブを実施する。そんな、単なるECサイトではない「UTAGE」の魅力を伝えるため、ライブ感のあるサイトを目指しました。同時にオープン後は、JSPメンバーの皆さんで毎週のサイト更新が必要となるため、運用設計も綿密なコミュニケーションをとって調整しました。

大野:私はデザインを担当したのですが、今回はライブ感が大事とのことで躍動感は演出しながらも、一方で國酒だからこその歴史や重厚感もどこかで感じられるデザインにできないかと考えました。

高橋:私は裏側の設計を担当しました。どのようにサイトを更新していくか、どのように注文を受け、配送し、お客さまに届けるのかというところをお手伝いさせていただきました。

佐藤:これまでの國酒のイメージの延長ではないデザインを希望していたので、蛍光色を取り入れたデザインは最初に提案を受けた瞬間に良いと思いました。さらに、新酒が完成したときに酒蔵が軒先に飾る杉玉をモチーフにしたデザインになっていて、新しさと伝統をうまく表現していただいたと思います。

ポップなイメージの「UTAGE」だが、杉玉をモチーフにしたデザインなど、國酒に対するリスペクト
の気持ちも表現されている。

―反響はどうですか。

佐藤:初回のライブでは、2本入り200セット、400本の商品が約20分で完売。手ごたえを感じています。私たちのような規模の小さい蔵元は、新しい顧客と自ら接点をつくるのは難しい。「UTAGE」を通じて、日本各地の魅力的な日本酒・本格焼酎を知っていただく機会をつくれればと考えています。

―「UTAGE」の今後の運用を、フラクタはどのようにサポートしていきたいですか。

菊池:JSPさんにとって当然ながら、サイトの開設はスタートにすぎません。今後はJSPさんで、「UTAGE」をお客さまとのコミュニケーションの場として育ててくださると思います。もちろん必要な改善点やご要望が出てきた際には、当社でサポートさせていただけたら嬉しく思います。

―今回のプロジェクトにどのような感想を持っていますか。また今後、「UTAGE」を通じてどのように日本酒・本格焼酎の文化を広めていきたいと思っていますか。

高橋:プロジェクト自体に啓蒙という目的があったので、やりがいを持って取り組めました。印象的だったのはJSP理事の皆さんとディスカッションする機会をいただいたときのこと。皆さんのお酒への想いを聞き、こうしたお話が今後ライブで配信されていけば、お客さまにとってもおいしいお酒を味わうだけでない、楽しみが生まれていくと感じました。

大野:取り組み自体がすごくチャレンジングで、やりがいのあるプロジェクトでした。サイトがオープンして最初のライブを拝見したときに面白くて、ぜいたくな時間だなと感じました。

佐藤:コロナ禍における飲食店の休業、アルコール提供の自粛などは、私たち蔵元に与える影響も大きいものでした。加えて飲食店という場は、多様な銘柄と出会える接点ともなっていたと思います。その接点が減っている今、私たちが直接、お客さまに発信ができるECサイトを開設できた意義は大きいと思います。さらには「UTAGE」を介し、認知いただいた蔵のお酒を酒販店でお買い求めいただき、お楽しみいただくことも國酒の啓蒙につながると考えています。
 



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