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装丁、ポスターなど約2800点の作品や資料を紹介、和田誠の仕事の全貌に迫る展覧会

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2019年に逝去した和田誠の展覧会が10月9日より東京オペラシティ アートギャラリーで始まる。

和田誠展フライヤー。

和田は、1936年大阪生まれ。多摩美術大学図案科(現・グラフィックデザイン学科)に入学し、杉浦非水に学ぶ。大学1年の終わり頃、興和新薬の蛙のカットコンクールに応募、一等賞をとる。また、第7回日宣美展で「夜のマルグリット」のポスターが日宣美賞を受賞。これをきっかけに似顔絵と、TVコマーシャルのアニメーションの仕事依頼が入ったという。そして第8回日宣美展で奨励賞を受賞。日本専売公社より、車内吊りポスター「各人各煙」を依頼され制作。その後、電通に内定したが辞退し、広告制作会社 ライトパブリシティに入社した。

1968年の独立後は、イラストレーター、グラフィックデザイナーとしてだけでなく、映画監督、エッセイ、作詞・作曲など幅広い分野で活躍。たばこ「ハイライト」のデザインや「週刊文春」の表紙イラストレーション、谷川俊太郎との絵本や星新一、丸谷才一など数多くの作家の挿絵や装丁などで知られる。また、映画・デザイン・エッセイなど、各分野で数多くの賞を受賞している。

本展は、そんな和田の仕事の全貌に迫る初めての試みである。代表的な仕事を中心としたビジュアル年表や和田誠の輪郭をとらえる上で欠くことのできない約30のトピックスを軸に、幼少期に描いたスケッチから晩年まで、およそ2800点の作品や資料を紹介する。

40年にわたり続く、代表作でもある「週刊文春」の表紙は2000号までを一気に展示するほか、手がけた映画の脚本や絵コンテの展示、CMや子ども向け番組のアニメーションを上映。さらに注目すべきは、初期の代表的な仕事だ。多摩美術大学在学中に制作したLPジャケットや日本宣伝美術会賞を受賞したポスター「夜のマルグリット」ほか、ライトパブリシティ時代に手がけた「ハイライト」の版下など60年代の仕事、約9年間無償で制作した新宿日活名画座のポスターなども展示される。

誰もが知っているようで、実は知らなかった、和田誠の膨大な仕事に触れるかつてない展覧会と言えるだろう。

和田誠展
会期: 10月9日(土)~ 12月19日(日)
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
開館時間:午前11時~午後7時(入場は18:30まで)
休館日:月曜日
入場料:一般1,200円/大・高生800円/中学生以下無料

(左から)
「デューク・エリントン」 個展「JAZZ」より 1992
『マザー・グース 1』(訳・谷川俊太郎)表紙 1984 講談社
『ぼくは王さま』(文・寺村輝夫)表紙 1967 理論社 多摩美術大学アートアーカイヴセンター蔵

(左から)
「夜のマルグリット」ポスター 1957 多摩美術大学アートアーカイヴセンター蔵
「快盗ルビイ」映画ポスター 1988
「映画・JAZZ&POPS」ポスター 1995 かつしかシンフォニーヒルズ

(左から)
「新宿日活名画座」ポスター 1959
『週刊文春』表紙 2017
《ダグ》ロゴマーク 1968
すべて©Wada Makoto