「売れなかった」要因は売り場にあり? ダノンがデータ活用で実現する、“良い”売り場 -コニカミノルタマーケティングサービス

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売り場におけるショッパーの行動をカメラを使ってデータ化し、分析できる「Go Insight」。これを活用し、“良い” 売り場を目指す、ダノンジャパンに話を聞いた。

左から
ダノンジャパン営業戦略部 カテゴリーマネージメントマネージャー 高橋英一氏
ダノンジャパン営業戦略部 シニアマネージャー 磧谷憲二氏
コニカミノルタマーケティングサービス執行役員 ショッパーデータプラットフォーム事業部長 齊藤 宏氏

可視化できていなかった棚前の行動

─今回の取り組みについて教えてください。

磧谷:スーパーマーケットにてGo Insightを活用し、ヨーグルト売り場におけるショッパーの行動をデータ化し、分析しました。これまで、店頭で得られるデータというとPOSデータやアンケート調査はありましたが、「購買に至った・至らなかった」プロセスをデータで把握することはできませんでした。

齊藤:購買データ、例えばID-POSデータでいうと、お子さんが商品を取り、買い物かごに入れたとしても、レジで購入したのが母親であれば、データ上では母親が購入したことになります。しかし、Go Insightでは、属性別、時間帯別に棚前の行動をデータ化し、売り場立寄り、滞在、接触、比較、購買を実際にした人がそれぞれ何人いたのかを把握することができます。

どの商品が一番手に取られ購買されたのか、手に取られたが購買されなかったのか、なども商品別でわかるので、競合商品と考えていたものとは全く違う商品をショッパーが比較検討していたという結果が出ることもあります。

ダノンさまには、視認性解析オプションも活用いただき、ショッパーの目線がどこにあったかなども分析させていただきました。

データから売れなかった理由を探す

─棚前行動のデータは、どのように売り場づくりに活かせるのでしょうか?

磧谷:データ化できるというのは、われわれが普段何気なく見ている行動が定量的に把握可能な数値で示せるということです。例えば、人には「うなずく」という行為がありますが、日常的に会話しながら、相手がうなずいた回数やその角度を数えることはしません。売り場も同様で、ショッパーが何気なくやっている「商品を手に取る行為」ひとつをとっても、様々なパターンがあるので、データを収集・分析し、インサイトを出せば、それに基づいた最適な売り場づくりが可能になります。

また、購買に“至った” プロセスではなく、“至らなかった”プロセスを細かく把握できるメリットは大きいです。売る側からすると、売れなかった商品=商品的価値・魅力がなかった、と考えがちですが、要因は別のところにある可能性もあります。

購買に至らなかった場合、他の商品と比較検討して選ばれなかったのか、比較検討の段階までいっていないのか、そもそも売り場に訪れていないのか、など様々な要因が考えられます。そこがデータによって明確になれば、対策がしやすい。そもそも売り場で比較検討さえされていなければ、認知を広げたり、売り場で見つけてもらいやすくする施策が必要で、比較されてから購入されていないのであれば、選んでもらうための施策を実施すればよいわけです。

高橋:今回の取り組みでは、ショッパーの無意識の部分をデータ化できたことも大きなポイントでした。購買行動自体は日常的なものなので、ショッパー自身、無意識に行っている行動が多々あります。

例えば、アンケートで「いつも同じものを買っています」と回答した人がいても、ふたをあけてみると、実はいつも同じものを購入していなかったりします。このような購買行動は無意識下に起こっているので、こういった非ロジカルな購買行動をデータで見て、それが起こるメカニズムを知ることが、売り場づくりには欠かせないと思います。

さらに今回、棚前におけるショッパーの視認性も分析したのですが、想定外の結果もありました。調査前にわれわれが想定していたヨーグルト売場の視認ポイントとは異なる場所が多く視認されている結果が出ており、売り場づくりに活かせる新たな発見がありました。

磧谷:今回の様々な結果を得て、社内では、今までにはなかった気づきや、当たり前だと思っていたことが、実は違ったなど、業務の見直しや変化が起きています。

Go Insightは取得したデータのアウトプットが、誰にでもわかるようにビジュアル化されるので、部署をまたいだ共有がしやすく、社内で共通の意識を持つことができます。共通のアウトプットを見ながらディスカッションできるので、今後は他関連部署などとも連携して、活用ができると考えています。

 

時代に合わせた最適な売り場を提案

─データ活用によって、どのような売り場を目指しているのでしょうか?

磧谷:当社では、これまでも誰にとっても“良い” と思える売り場を目指し、商品、売り場、顧客と店舗、それぞれのマネジメントに取り組んできました。

ただ、時代は常に変化しており、ショッパーの行動も変わるので、“良い”売り場に明確な答えがあるわけではありません。また、“良い” の基準はショッパー、小売さま、メーカーさまなど立場や人によっても変わるので、全員が“良い” と思える売り場をつくるのは、感覚ではなく、根拠となるものが必要です。つまり、データというファクトをもとに“良い” を数値化した基準をつくり、その基準に向けた最適解を出し続けるしかありません。

高橋:例えば、昨今でいうと、コロナ禍で店舗滞在時間が短くなるなど、買い物行動に大きな変化が起こっています。短い時間の中では、商品が「見つけやすい」「選びやすい」「買いやすい」という利便性の高い売り場づくりが求められています。これまで感覚に頼るしかなかったところを、データという根拠を持っていれば、利便性の高い売り場とはこういうものであるという提案ができます。

また現在、滞在時間が短いことによって、商品が目的買いばかりで、売れる商品が決まってしまい、広がりがなくなっているという課題を小売さまが抱えています。今後は、その解決のために、短い時間でも、商品を選びやすい売り場を提案するということもできると考えています。

齊藤:今後もサービス提供側として、より直感的でわかりやすいアウトプットを提供していくなど、ショッパー、小売さま、メーカーさまの3者すべてがwin-win-winとなるようなサポートをしていきます。
 
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