ニーズがある場所に届ける仕組みをつくる―カップヌードル ローリングストック

大手メーカーによるサブスクモデル導入のチャレンジが続いていますが、配送スキームをはじめとするオペレーション設計や価格設定など、新たな仕組みづくりに頭を悩ませる企業も多いようです。継続してサービスを提供し続けるには、どのような設計が必要なのでしょうか。月刊『宣伝会議』1月号では、各企業の事例をもとにレポートします。ここでは、本誌に掲載した記事を一部公開します。

日清食品
マーケティング部
ダイレクトマーケティング課
ブランドマネージャー
佐藤真有美氏

 

 

押し付けにならない、喜ばれる仕組みをつくりたかった

「カップヌードル ローリングストック」の開発が始まったのは、2018年のこと。ブランドマネージャーの佐藤真有美氏によると、地震や台風、洪水などの自然災害の度に「即席めんの価値があらためて見直されていた頃でもあった」と話す。

その一方で、通販業界でも増えてきていたサブクスモデルを、同社でも導入するという話が出た。留意したのは、常に一定数の商品を届けるシステムでも「押し付けになってはいけない」ということ。便利で喜ばれる形はないか。その時に生まれたのが、「非常時のストック」と「自動配送」のモデルを組み合わせた、「ローリングストック」だった。

「“定額使い放題・食べ放題”というモデルは、当社のように1品1品に単価が付いている商品の場合はリスクが高い。そのため、ニーズのあるところに一定数を確実に届ける仕
組みを取ることにしました」(佐藤氏)。

「基本の9食」と調理用のカセットコンロ、保存水がセットになった初回配送は14,300円(税込)。入替用の9食セットは、3カ月ごとの配送で2,160円(税込)。1セットあたりの利益率は低く、長期的な利用を踏まえた上での価格設定だ。しかし“カップ麺をストックする”という習慣が根付いている場合も多く、続けることが前提のローリングストックの仕組みからも、解約率は低いのだという。利用者が増えるのは、「防災の日」がある9月と、東日本大震災が発生した3月。防災意識が高まることで、通常月の2.5~3倍程度の新規申し込みがあるという。

サービスの導入にあたり、定期配送の仕組みはすでに整っていた。同社がオンラインストアを開設したのは2000年。定額で月ごとにセレクト商品が届く「日清食品のおトクな定期便」は、10年以上前から続いていた。したがってシステムを追加開発する必要はなく、同梱内容や配送頻度など、コミュニケーションの仕組みづくりに時間をかけることができたという。

分かりやすいネーミングが社内外の話題をつくる

セットに含まれるのは、「どん兵衛」や「カレーメシ」など、「カップヌードル」ブランドの商品だけではない。したがってサービス名も、当初は「日清食品ローリングストックセット」で検討していたという。

―本記事続きは、12月1日発売の月刊『宣伝会議』1月号で読むことができます。詳細はこちらから。

月刊『宣伝会議』1月号

▼特集1
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「経験エコノミー」における製造業の課題と考え方
 
・CXからBXへ─Afterコロナの潮流を捉えた
製造業の新たな価値創造モデルとは
アクセンチュア 浜野雅之
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エデルマン・ジャパン 森田尚子
・“トキ”をデザインする“愛着”が叶える
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POOL INC. 小西利行
 
▼特集2
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―サービス設計から価格戦略まで―
 
▼特集3
企業の人格を伝える!
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