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ビールに「憧れていた人」にもアプローチできた アサヒの「ビアリー」

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コロナ禍において私たちの意識や行動に起きた変化は、再びかつての日常が戻ってきたときに、消えていくものなのでしょうか。それとも、不可逆の変化としてこれからも定着していくものなのでしょうか。月刊『宣伝会議』2月号の特集では、最前線で活躍するマーケターの実務家の皆さんと共に、2022年どのような市場が創造しうる可能性があるのかを考察。生活者インサイトと新市場を、キーワードとともに解説します。ここでは、本誌に掲載した記事を一部公開します。

アサヒビール
マーケティング本部
新価値創造推進部
福冨貴之氏

 

─商品の企画背景を教えてください。

『アサヒ ビアリー(以下、「ビアリー」)』の特徴である「脱アルコール製法」の設備導入を検討し始めたのは2017年頃。私たちマーケティング部門は2019年頃から、商品開発に関わっています。

コロナ禍以前から生活者のライフスタイルは多様化していて、アルコールの飲み方・楽しみ方に選択肢を提示すべく、当社でも検討を進めていました。さらに近年、健康志向の高まりに伴って、アルコールや糖質の摂取を控える方も増加していました。そうしたなかで2020年12月、酒類を提供する企業としての最優先課題として、飲む人も飲まない人もお互いが尊重し合える社会の実現を目指す「スマートドリンキング」宣言を発信。「ビアリー」は、その第一弾商品として発売開始しました。 
 

―コロナ禍で「飲み会」に対する人々の価値観の違いが表出したように思います。

昔は、“酔うこと”が飲酒の主たる価値と思われていたのではないかと思います。でも今は特に若い人たちにとっては、顔が赤くなるのがイヤ、体調が悪くなるのはカッコ悪い、といった意識が生まれている。飲み会の場での「お酒が飲めなくて申し訳ないです」といったスタンスも、本来であればおかしな話なんです。私たちはもう一度、コミュニケーションツールとしてのお酒の位置づけをはっきりさせる必要があると考えています。
 

―「ビアリー」発売後の反響は?

当初、顧客対象は「ビールの味が好きで、お酒を控えたい人」「ノンアルコールビールの代わりにライトに飲みたい人」を想定していました。しかし発売後に寄せられたのは、「自分はお酒に弱いけれど、これならパートナーと一緒に晩酌できる」「仕事終わりの遅い時間でも、身体に負担をかけずに楽しめる」という声。また、初めてアルコールを飲む方にも利用いただいていることが分かりました。「私の人生、ここからビールライフが始まります」と喜びの電話が届いたり。アルコール度数の選択肢が増えることで、より多くの方に楽しんでもらえていると実感しています。
 
一方で、本シリーズはアルコール度数が1%未満であるため、酒税法上の「酒類」ではありません。量販店のバイヤーなどからはどの売り場に置いたらよいのか、という声はありました。そこで「微アル」のコーナーを新たにつくり、消費者に誤解を与えない、明確にアルコールが入っていることが分かるような店頭訴求を行いました。
 

―新カテゴリの商品発売にあたって、考慮したことは。

 
―本記事の続きは、12月28日発売の月刊『宣伝会議』2月号で読むことができます。詳細はこちらから。

月刊『宣伝会議』2月号

 
▼特集1
人々の意識と行動の変化にどう対応する?
2022年の消費者インサイト予測
 
・コロナ禍でもヒットを輩出したマーケターに聞く!
 スターバックスコーヒージャパン 山本大介、田中有紀
 アサヒビール 福冨貴之
 パナソニック 中江 睦
 アンプラージュインターナショナル 佐久間 周
 
・実務家の体感値から、2022年のインサイトを予見する
 【外食産業篇/サスティナブル篇/家ナカマーケット篇/ヘルスケア市場篇/ビジネスウェア篇】
 TableCheck 谷口 優
 オールバーズ 蓑輪光浩
 ハウス食品 清水愼太郎
 TWO 東 義和
 オアシススタイルウェア 素原勇人
 
・4つのキーワードで振り返る2021年の広告キャンペーン
・AIを活用したデータはマーケティング活動でどう取り扱えばよいのか?
 玉川大学 岡本裕一朗
・デジタルシフトに対応するコンテンツメディアの価値とは
 BI.Garage 長澤秀行
 
▼新年特別企画
顧客起点で新たな価値を創造する!いま注目の42社
デジタルマーケターに聞く「2022年の戦略」
 
▼特集2
広告投資にも企業の社会的責任
デジタル広告の課題と対策
 
▼特集3
ブランドと生活者をつなげる!
雑誌メディアのコミュニティ力を生かす