良質なオーディエンスが情報をつなぐ雑誌の魅力的なアドエクスペリエンス

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コロナ禍も2年目となった2021年。以前から進められていた、オフラインとオンラインの複合的な取り組みが、出版業界においても一気に加速した。数多くのオンラインイベントの実績を持つ小学館では、改めて雑誌メディアの持つ可能性をどのようにとらえているのか。広告局 ゼネラルマネージャーの松田竜氏に考えを聞いた。

付録が「日本雑誌広告賞」を受賞紙とデジタルが生む新たな好循環

コロナ禍も2年目となった2021年、広告主もメディア側も対応力がついてきた年だったと言えるのではないでしょうか。急な事態に突発的に対応した昨年とは異なり、今年は企画立案時からリアルイベントは想定せず、インスタライブやYouTubeライブなど、オンラインでのイベント実施にむけて準備を進めた社が多かったように思います。

当社の各メディアでも数年前から本誌とデジタルメディア、イベントのクロス提案を積極的に進めています。その中でファッション、ビューティ領域などでは、大規模なイベントよりも、限られた人数が参加する小規模イベントで、インフルエンサーなどから情報が伝搬されることを想定した企画提案を続けてきました。この積み重ねが、昨今のオンラインイベント実施に活きていると感じます。小規模イベントでは、そのイベントの参加者に情報を届けるだけではなく、①インフルエンサーが自身の周辺にいるコアな読者に伝える②イベントの参加者が家族、友人など近しい人々に伝える③雑誌、編集部などつくり手や専門家も愛読者に伝えるなど、レイヤーごとに情報が伝播していくのです。

こうした情報伝播は、雑誌メディアの強みである「オーディエンス(=読者)の質」の高さによって実現できています。質の高いオーディエンスがいるからこそ、密度の濃いままの状態で情報が波及していく。大衆に一気に情報を届けるより、強い絆で結ばれた関係性の深い人々が情報をつないでいくのが、我々出版メディアの情報伝播の形であり、強みだと思っています。例えるならば、サッカーではロングパスもあれば、細かいパスをつなぐ戦術もありますが、当然、ロングパスは通りにくい。細かいパスをつなぐコミュニケーションこそが出版メディアの持ち味であり、SNSが多用される現代ではその力を増していると思います。このことに我々メディア側のみならず、広告主の皆さまも気づいていただきはじめたように感じています。

また、雑誌広告の新たな可能性を感じたのが、園児の知育学習雑誌『幼稚園』の付録です。東芝テックとのコラボ付録「セルフレジ」が、第63回「日本雑誌広告賞」で経済産業大臣賞グランプリを受賞。他にも、「くら寿司コラボ おすしコンベア」「セブン銀行ATM」など、企業とのタイアップによる読者の体験を促す本格的な付録が、テレビでも取り上げられ、注目を浴びました。

これらの付録は、雑誌の販売部数への寄与はもちろんですが、この付録を製作する様子を配信している『幼稚園』公式Twitterアカウントのアクセス数は大きく伸び、「東芝テックセルフレジ」付録動画の再生回数は182万回を超えています。

雑誌の付録という手法はアナログですが、その手づくり付録の魅力を発信するSNSがバズり、本誌の販売にも更に大きく寄与しています。

この事例のように、今後も出版メディアのビジネスを通じて、雑誌本誌とデジタルメディアの間で好循環を引き起こすような取り組みも推進していきたいと考えています。
 

小学館
広告局 ゼネラルマネージャー
松田 竜氏

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