「金麦」22年の戦略発表 増税控える新ジャンルで生き残り

サントリービールは2月24日、新ジャンル商品「金麦」のブランド戦略を発信し、従来の活動を一新すると発表した。「日本の家時間を、もっと豊かに。」を方針に掲げ、おつまみのベタ付けや晩酌セットキャンペーン、レシピ提案など「晩酌」をテーマにプロモーションを実施する。「自分のペースでゆっくりと毎日の家時間を楽しみたい」という消費者の需要に応える。

2021年のサントリービールのビール類事業の販売数は6102万ケース(大びん換算)で、「金麦」は構成比で55.9%を占める。22年の売上目標は21年と同程度で、金麦ブランド全体で3400万ケース、本体〈缶〉1845万ケースを狙う。

2007年発売の「金麦」はサントリービールの主軸を担うブランドとなった

「金麦」は2007年に発売。累計出荷本数は21年末時点で150億本を超え、主軸を担うブランドに成長した。発売時は長時間労働が顕在化し、金融不安の兆しも出ていたころで、仕事にまつわるストレスを抱えるサラリーマンをメインターゲットに据えていた。女優の檀れいさんを起用したテレビCMでは、「家で帰りを待つ大切な人」を象徴的に描いた。

在宅時間の増加を背景に、家計に占める酒類の支出は2020年、21年で増加傾向にある

消費者のライフスタイル、価値観の変化に伴う、ブランド方針の変遷

一方、2020年〜21年にかけては、新型コロナウイルス感染症の拡大を巡り、在宅時間が増加。サントリービールの調査では、19年以前と比べ、「趣味・好きなこと」に使える時間が1時間増えた一方、「仕事・通勤」にかかる時間が2時間減、「家事・育児」にかかる時間が1時間増となった。

「自宅でお酒を飲むことが好きになったという方はコロナ禍以前と比べて増えており、もっと楽しみたいと考える方も少なくない。慌ただしい生活に戻りつつあるが、『やらないといけないことだけで、1日を終えるのはもったいない』と考える消費者に応えるキャンペーンを展開していきたい」(サントリービール執行役員マーケティング本部長の田中嗣浩氏)

2月26日に放送を始めるテレビCM「はじまり(彼)」篇から

テレビCMもイメージキャラクターを刷新。俳優の柳楽優弥、同・黒木華の両氏を起用した。「はじまり(彼)」「はじまり(彼女)」の2篇(いずれも15秒)を2月26日から、「同じ町」篇(30秒)を3月5日からオンエアする。前者の2篇は、製法を前面に押し出した表現で、最後のシーンは自宅内で「金麦」を楽しむようすを伺わせる。後者も家で過ごす時間をテーマに据えた。

新ジャンルは20年10月に一度増税、今後23年10月、26年10月の増税を経て、ビール系飲料の酒税は一本化される。額は350ミリリットルあたり

「金麦」が属す「新ジャンル」は来年23年10月、26年10月と段階的に増税が予定されている。田中マーケティング本部長は、「生き残れる新ジャンルは限られてくる。『金麦』は来たるべき酒税改正を乗り越えられると確信している」と自信を見せた。

パッケージもこの1月に発売した製品からリニューアル。商品名がタテ書きになった


 

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