サッポロビールは2月25日、基幹ブランドのひとつ「ヱビスビール」で、「街」をテーマにしたコミュニティサイトを立ち上げた。今秋にも本格オープンする。
「YEBISU BEER TOWN(ヱビスビアタウン)」と名付けた。会員制で、利用者同士の交流を重視している。開設のきっかけとなった事前調査では、「ほかの人がどんな料理をヱビスと合わせているのかを知りたい」「他の人がどんなきっかけでヱビスを好きになったのかを知りたい」といった声があったという。サッポロビール側もサイト利用者との対話に積極的に臨む考え。
同日開催の記者発表では、ビール&RTD事業部部長の武内亮人氏が「いままでのビールマーケティングのあり方を変えるような取り組みになる」と紹介。同社ではオンラインとオフラインの融合を中期的なマーケティング方針として掲げており、「YEBIS BEER TOWN」を新たな顧客接点とするほか、従来施策のハブ(中継点)に育てる。
サイト内限定のキャンペーンやイベントなども実施する。膝下の東京・恵比寿に店を構える飲食店との共同イベントや、23年のビール醸造所開業に向け、地域との繋がりも強化する。
追い風となるのは、若年層の購入者の伸長だ。インテージSRI+の統計では、2020年10月〜21年9月にかけ、男性20歳代が前年比153%、女性20歳代が141%と大きく伸びた。男性30歳代では107%、女性30歳代では108%だった。ボリュームゾーンは男性50〜60歳代だが、ロングセラーブランドの「ヱビス」にとって、若い世代の取り込みはブランドの持続に欠かせない。
在宅時間の増加による家飲み需要には、雑誌『Pen』(版元=CCCメディアハウス)とムック『Pen+ 暮らしを彩る、ヱビスのある時間。」を発売し、ライフスタイル訴求を強める。年2回の刊行予定で、蔦屋書店全国8店舗などでアピールする。
2022年の「ヱビスビール」販売計画は21年比114.8%の787万ケース(大びん換算)を目指す。2026年まで段階的に行われる酒税改正で、ビールは減税となる点に期待をかける。
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