資生堂グループは現地時間3月9日、ロシア向け製品の輸出を直ちに取りやめ、広告やプロモーションなどを含めたロシアへの投資を停止すると発表した。ロシアの従業員には数週間から数カ月間にわたり、雇用補償など全面的な支援を実施する。
ウクライナには従業員はいないが、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)を通じて100万ユーロを寄付したほか、洗顔料などの日用品5万個と、社員などが寄付したベビーフードなどを提供した。
資生堂のロシア市場参入は1999年から。代理店販売を通じてブランドを構築し、2007年5月に現地に100%子会社を設立。08年1月からカウンセリング販売など本格的に進出した。
2011年にはロシア最大の高級デパート「グム百貨店」で、全長90メートルのアーケードを用いて資生堂の企業文化をアピールするイベントを開催。創業時から、それまでの商品や宣伝ポスター、美容部員の制服を展示したほか、商品体験もできる企画だった。21年にはロシア科学アカデミー生物医学問題研究所との共同研究契約の締結も発表していた。
ロシアを含む欧州事業の2021年12月期売上高は1170億4000万円で、ブランド譲渡などを除く実質的な伸長率は前年比16.5%だった。ワクチン接種が進み、スキンケアや香水を中心に回復基調となっていた。オンラインカウンセリングやデジタルプロモーションも強化していた。全体の売上に占める構成比は11.3%。米州事業と同程度の水準となる。
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