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KDDI・東急など、メタバース業界の発展に向けたガイドラインを策定

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KDDI、東急、みずほリサーチ&テクノロジーズ、渋谷未来デザインで組織している「バーチャルシティコンソーシアム」は4月22日、メタバース/都市連動型メタバース業界の発展に向けて「バーチャルシティガイドライン ver.1」を策定したと発表した。2020年5月に開始した「バーチャル渋谷」で得られた知見などをもとに、作成した。

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当ガイドラインは経済産業省と渋谷区をオブザーバーに迎え、「バーチャル渋谷」の運営や実在都市のまちづくり活動に携わる事業者および専門家による議論と各自が持つ知見をもとに、メタバース/都市連動型メタバース設立・運用時の注意点や検討項目を明文化したもの。PDFファイル32ページで構成され、誰でもWeb上で閲覧できる。

例えば「UGCの著作権」の項目では、「ユーザーがプラットフォーム内に持ち込む、またはプラットフォーム上で配信するユーザーの創作物(UGC:User Genarated Contents)の著作権については、創作者に帰属することが原則である」などと定めた。

また「クリエイターエコノミーの活性化」については、「都市連動型メタバースやメタバースにおいては、一方的にコンテンツを『消費』させるのではなく、ユーザーの創造性を促し、コンテンツやサービスをユーザー自身の手で生み出し、自由に提供できる環境を用意することが望ましい」などとしている。

都市連動型メタバースにおける「実在都市の景観の再現性・改変」の項目では、「仮想環境において建物等の景観の再現・改変にあたっては、現行法の下では当該再現対象の実在都市に関係する住民や地方自治体の同意(いわゆる「住民合意」)は必須ではない」「ただし、住民の私生活が脅かされないよう、構築するエリアについては住宅街を避ける等の配慮や、自治体・地域団体との関係性構築は重要である」といった点が盛り込まれた。

バーチャルシティコンソーシアムによると、「バーチャル渋谷」の活動を通じて実在都市をメタバースで拡張する都市連動型ならではの景観の再現性や自治体との経済的連携などの論点が明らかになったという。

今後コンソーシアムでは、ガイドラインver.2の策定に向けてプライバシーや利用者権利の保護、メタバース間の相互運用性の確保、渋谷以外の他都市での適応に向けた整理などを継続的に議論していく。

また、行政や自治体、民間企業などで進めていくルールメイキングの議論に積極的に参加していくことでメタバースの発展に取り組んでいく見通しだ。