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佐藤可士和デザイン、反核反戦願う「ヒロシマ・アピールズ」ポスター公開

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7月15日、日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)と広島国際文化財団、ヒロシマ平和創造基金の3団体が主催するキャンペーン「ヒロシマ・アピールズ」のポスターが公開された。今年度のデザインは佐藤可士和氏が手がけている。

今回制作されたポスターのメインビジュアルは、「NO NUKES NO WAR HIROSHIMA APPEALS 2022」のメッセージそのもの。ポスターいっぱいに大きく表記することで、「反核反戦」の願いをダイレクトに示した。またアルファベットの「O」と数字の「0」にはそれぞれ、希望の光を模した黄色い円をデザインしたという。

今回のポスターについて、佐藤氏は次のようにコメントしている。

「2022年2月24日、ロシアによるウクライナ侵攻。そして核兵器の使用の威嚇。世界の緊張が高まる中、スウェーデンのストックホルム国際平和研究所は、核兵器が使われるリスクが冷戦以降で最も高まり、減少傾向が続いてきた世界の核弾頭の総数が今後10年間で増加に転じる可能性があると発表した。世界の安全保障環境は緊張を増し、厳しい現実が突きつけられている。日本は唯一の被爆国として、核兵器の恐ろしさを世界に伝える特別な役割を担っている。核兵器のない世界に向けて、今こそストレートに声を上げる必要があると強く感じた。ポスターはあえてタイポグラフィーのみで構成し、力強い文字でデザインした『NO NUKES NO WAR HIROSHIMA APPEALES 2022』のメッセージそのものをメインビジュアルとした。Oと0の文字を黄色い円(和)にし、この難しい時代にあって、平和の実現を心から願う未来に向けての希望の光を表現した。一人ひとりが心にある希望の光を灯してつなげ、ひとつでも多くの希望の光が広がり、ヒロシマ・アピールズの活動が少しでも世界平和に寄与するよう願っている」。

ポスターは、7月15日に広島市役所で、佐藤氏から松井一實広島市長へ贈呈された。また8月11日まで「東京ミッドタウン・デザインハブ」で開催されている「日本のグラフィックデザイン2022」展にて、第1回ポスターとともに展示されている。さらに希望者には広島平和記念資料館、JAGDA事務局にて、1枚1100円(税込み)で販売も行っている。

「ヒロシマ・アピールズ」は、1983年に開始。言葉を超えて“ヒロシマの心”を訴えるポスターを共同制作するキャンペーンとして、国内外に向け平和を呼びかけている。第1回作品として、当時JAGDA会長だった故・亀倉雄策氏による「燃え落ちる蝶」を発表。その後、毎年JAGDAの会員1名がボランティアで1点ずつ新しいポスターを制作している。

ポスターは毎年、広島市長に贈呈、広島市内の各施設や市立中学・高校に配布される他、国内外での展示や平和市長会議の加盟都市への寄贈なども行われている。

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