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ライゾマティクスが「防衛白書」表紙制作、AIアートでコンセプト表現

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防衛省は7月22日、令和4年版防衛白書を公表した。実はこの表紙、ライゾマティクスのAIアートによるデザインが採用されている。

「令和4年版防衛白書」表紙。

プロセスとしては、今回の白書のコンセプト「Overcome hybrid security challenges with innovative ideas and cutting-edge technologies(ハイブリッド化した安全保障上の挑戦に革新的なアイデアと最先端技術で打ち勝つ)」をキーワードとしてAIにインプットし原画を生成。

AIで生成された原画。

この原画を加工し、切り出したデザインにより構成した。印刷会社が“テクノロジーが安全保障の在り方を根本から変える”という時代に即した表現ができるアーティストを探す中で依頼があり、実現した。

ライゾマティクスが省庁の刊行物のデザインを手がけるのは初のこと。「本プロジェクトは社会貢献のために、そして本白書の社会的な存在意義を高めるためにコンセプトが存在している。その中でライゾマティクスの作品としての個性を確立するためのメソッドや現代性を取り込み、デザインを行いました」と、クリエイティブディレクターの真鍋大度氏は経緯を説明する。

プロデューサーの宿院卓馬氏によると、画像の生成はAIサービスの「Midjourney」を使用した。

「最先端技術というテーマにも合致しているので、今回のコンセプトワードを用いていくつかアートを作成してみました。その後、表紙としての強度を保つため、これらを素材として活用した動画を制作。その結果、生成されたものを表紙としてデザインに落とし込んでいます」(宿院氏)。

「令和4年版防衛白書」表紙の全体像。

これらをもとにデザインを手がけたのは、アートディレクターの木村浩康氏とデザイナーの藤井かおり氏。機械によってつくられたクリエイティブを尊重するため、なるべく中立で意思を排除したデザインを意識した。

「一枚ずつ丁寧に額に収めたようなレイアウトをしてしまうとビジュアルが意思を持ってしまい、見る人の想像力を止めてしまう。それを避けるため、タイポグラフィ、各ビジュアルの境界線を曖昧にし、ひとつの面としてまとまるようにしました。これにより手に取るたび受ける印象が変わり、都度新しい発見をしてもらえるような表紙になったと思います」(木村氏)。

スタッフリスト

企画制作
ライゾマティクス
CD+ビジュアルアーティスト
真鍋大度
AD
木村浩康
D
藤井かおり
Pr
宿院卓馬

ECD:エグゼクティブクリエイティブディレクター/CD:クリエイティブディレクター/AD:アートディレクター/企画:プランナー/C:コピーライター/STPL:ストラテジックプランナー/D:デザイナー/I:イラストレーター/CPr:クリエイティブプロデューサー/Pr:プロデューサー/PM:プロダクションマネージャー/演出:ディレクター/TD:テクニカルディレクター/PGR:プログラマー/FE:フロントエンドエンジニア/SE:音響効果/ST:スタイリスト/HM:ヘアメイク/CRD:コーディネーター/CAS:キャスティング/AE:アカウントエグゼクティブ(営業)/NA:ナレーター