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体験デザインの知見で新規事業開発 addictが構想と実装を支援

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ADKクリエイティブ・ワンのインハウス・クリエイティブ・ブティック「addict(アディクト)」は、新規事業創出を支援するクリエイティブコンサルティングサービスを開始した。外部のテクノロジー系制作会社とコンサルティングファームと協業し、事業構想から実装まで一貫して手がけられるよう、体制も強化した。

addictのメンバー(写真左から) Technical Director 佐藤 展久氏、Creative Director/Communication Designer 植田 誠氏、代表Creative Director/Experience Designer 藤本 勝也氏、Creative Director/Creative Technologist 貞賀 健志朗氏、Planner/Intermedia Designer 西田 みのり氏

addictは、「創造力で、イノベーションをリードする」というコンセプトのもと、ADK COに所属する4名と外部メンバー1名で2019年にスタートした。クリエイティブ×テクノロジー×ビジネスを起点に、従来型の広告クリエイティブに捉われない新しいアプローチによって、体験価値をデザインしてきた。顧客体験起点での発想力を生かし、広告会社としてのクリエイティブ/アクティベーションの領域のほか、クリエイティブとテクノロジーの掛け合わせによる、企業の事業を拡張するクリエイティブコンサルティング支援も活動領域として実績を重ねている。

所属するメンバーは、文字通り異色だ。

代表を務めるのは、クリエイティブブティック「ドリル」や「1→10imagine」を経て、「addict」を立ち上げた藤本勝也氏。植田誠氏は出自がシナリオライターで、その後、テレビの制作会社、デジタル系制作会社での勤務経験を持つ。貞賀健志朗氏は楽天ビッグデータ部のエンジニア出身。西田みのり氏はサウンドアートやメディアアートについて東京藝術大学大学院で研究していた人物だ。そして、新たに加わった笠原拓氏は、Webやデジタルを強みとするアートディレクターだ。

設立からまもなくaddictが手がけた「分身ロボットカフェDAWN ver.β」は、「第24回文化庁メディア芸術祭」エンターテインメント部門でソーシャル・インパクト賞などを獲得。〈分身ロボット〉を開発するオリィ研究所とのプロジェクトで、レジやホールでの接客などを遠隔操作で行えるロボット「OriHime-D 」が実際に店頭に立った期間限定のカフェを開設した。2019年10月と翌1月、東京・大手町と同・渋谷で開催した。addictはカフェのコンセプト開発やプロジェクトマネジメント、PRを担った。

障害者が自宅からカフェにいる分身ロボットを操作し接客する分身ロボットカフェ

そんなaddictが、クリエイティブビジネスの拡張を見据えて、企業の新規事業創出のサポートを行うクリエイティブコンサルティングサービスを新たに開始した。

「コロナ禍を経てDXが加速し、新規事業開発に取り組む企業が増えてきています。しかし、自社の過去の経験や知見だけで新しいものを生み出すことには限界もあります。そこで、外部との連携を模索する企業も多くなってきているのではないかと考えています」(藤本氏)

「これまで広告会社は、クライアントが開発した商品やサービスをいかに広めるか、という段階での参画でした。しかし、広告クリエイターの強みである、顧客体験起点での発想力や独自性の高い着想力というものは、そういった広告コミュニケーション領域だけでなく、事業開発領域にも活用できると感じています」と、藤本氏は話す。

そのきっかけとなったのがaddictが携わった、NTTドコモの新規事業立ち上げのプロジェクトだった。オンラインとオフライン、さらにメタバースを跨いだOMOストアの新規事業を立ち上げるというプロジェクトで、addictでは事業コンセプト開発、ネーミング/ロゴデザイン開発、顧客視点でのUXデザイン、店舗空間デザイン、プロモーション/PRといった幅広い領域を伴走型でサポートした。

「その際に感じたのが、我々が日頃やっているアイデア開発/ビジュアル開発や顧客起点での体験デザインという知見が、事業開発の領域でもかなり価値を感じてもらえるということでした」(藤本氏)

また、メンバーの知見やスキルもクライアントからの信頼につながった。「同社が別のコンサルティングファームに依頼していたときは、上流工程の質はよいものの、具体的な実装に弱く、またテクノロジーについての知見も薄かった、とのことでした。有り体に言えば、テクノロジーについてイチから説明する必要のある相手とはやりたくない、と。addictメンバーの豊富なテクノロジーの知見もクライアントから評価されたポイントでした」(藤本氏)

また、笠原氏のようなアートディレクターを擁していることで、クライアントが茫洋と考えているアイデアをすぐにビジュアライズし、意識共有できる点も非常に喜ばれたという。

NTTドコモ リアルとメタバースの2つの空間でスマートトイを体験できるOMOストア「THE-ST」

そこで、今回addictがTOKZUMとエネクシーとの共同プロジェクトとして立ち上げたサービスが、「XX(ダブルエックス)」だ。

「XX(ダブルエックス)」では、事業アイデアの開発から、顧客視点でのプロトタイプ開発、UI & UXデザイン、CXデザインまで一貫してサポートする。addictに所属するクリエイティブディレクターやエクスペリエンスデザイナーをはじめ、TOKZUMに所属する戦略コンサルタントやエネクシーに所属するエンジニアなどでチームを構成し、構想から実装までをワンストップで手がける。

TOKZUMは、元トーマツコンサルティング(現=デロイトトーマツコンサルティング)シニアマネジャーの德山隆俊氏が率いるコンサルティングファーム。前職では都市イノベーショングループを立ち上げ、イノベーション領域に強みを持つ。

さらにaddictのテクニカルディレクターも務める佐藤展久氏のエネクシーが実装をバックアップする。エネクシーは、大手企業/ベンチャー企業など様々な企業のプロトタイプ開発/サービス開発の実績を豊富に有している。

「XX(ダブルエックス)」のサービス内容

「サービスやプロダクトをただ考えるだけではなく、きちんと事業として成立させ、実現まで一貫してサポートできるようにするため、TOKZUMやエネクシーの参画を得ました。広告会社とコンサル会社の融合というのは文化の違いもあり、なかなかハードルの高いものだと言われますが、我々のような小規模のプロフェッショナル集団だからこそ、組織の壁を超えて本当の意味でのワンチームとなったソリューションが提供できると思っています」(藤本氏)



お問い合わせ
株式会社ADKクリエイティブ・ワン
EMAIL:info@addict-tokyo.jp
URL:https://addict-tokyo.jp/