重要なのはPDCAの“P”の精度~「効果予測」と「効果検証」によりテレシーがつくるデファクトスタンダード

テレビCMをはじめ、多種多様な広告媒体を駆使して企業の事業成長を支援するテレシー。効率的に成果につながる広告施策を実行したいという多くの企業の願いに対し、同社はどのような提案を行っているのか。ストラテジックプランニング本部 本部長の貴志和也氏に聞いた。

テレシー ストラテジックプランニング本部 本部長 貴志和也氏

本当に効率のよい広告運用とは?
“事前予測”でコストを削減する

2021年1月に設立し、いまや運用型テレビCM市場をリードする存在となっているテレシー。扱うメディアはテレビにとどまらず、タクシー、エレベーター、ヘリコプター、トイレなど、自社で実際に身銭を切って試し、活用法を会得しながら広げていっている。

企業の広告出稿プランも、メディアの種類が増えたことで複雑化。それに伴い、媒体軸以前の、戦略の部分からの相談が増えたという。

そこで同社では、今年7月よりストラテジックプランニング本部を立ち上げ、戦略策定の部分からも企業をサポートしている。

そんなストラテジックプランニング本部の本部長を務めるのが貴志和也氏。貴志氏はマーケティング領域におけるDXとして同社が目指すのは「企業により効率よく効果を返すこと」であると考えを述べる。そして、現在の広告運用の課題点について次のように指摘する。

「ツールを用いてクリエイティブを大量生成し、どんどんPDCAを回すことで、より効果の高いクリエイティブを見出していく方法がとられているケースも多いと思います。ただ、この手段のみを追求してしまうと検証においてコストがかさみがちになり、必ずしも効率的とは言えないのではないかと私は思っています。『効率よく効果を出す』ことがDXの一側面であるとするならば、これは逆行する結果にもなりえます」(貴志氏)。

このような課題に対して貴志氏は、PDCAの“P(プラン)”の精度を高めることがマーケティングDXにおいては非常に重要で、これにより、むやみやたらにPDCAを回さずとも、最初から一定の効果が見込めるクリエイティブを生み出すことを目指していると話す。

そのためにテレシーが推進しているのが、「効果予測」と「効果検証」だ。

「『効果予測』に関しては、現在様々な企業がAIなどを用いて、事前にクリエイティブの効果を予測する仕組みを提供しているかと思います。私たちもパートナー企業と協力し、ツールを用いることで、この『効果予測』の部分に力を入れています」と貴志氏。

「効果予測」を活用し、クリエイティブの事前検証を行っていくことで、大量生成、大量出稿をしなくとも、ある程度効果のある、“はずさない”クリエイティブを生み出すことができ、より高い水準/次元から、施策をスタートさせることができるのだ。

測定技術で特許を取得
測りづらい効果を可視化する

もう1点の注力領域である「効果検証」に関してテレシーは、8月4日にテレビCM効果測定ツール「テレシーアナリティクス」の測定技術で特許を取得した

この測定技術を用いることで、テレビCMの効果分析を、クリエイティブ/放映番組/放送局/放映エリアの粒度で可視化することが可能となり、Web広告と同様に、テレビCMにおける費用対効果を確認しながら広告運用を実現する。またこの測定技術は、デジタル広告(ストリーミングコンテンツ等のオンラインチャネルを通じた広告)やOOHにも活用できる。

「この技術は、広告主企業に過去の出稿データをIPアドレスベースですべて提供してもらうことで、統計的に効果の推計モデルを組み、その後の出稿に活用するというものです。この推計モデルの精度は、平均±5%に収まっており、テレビCMの効果計測においてはエポックメイキングな技術ではないかと考えています。一般的にテレビCMやOOHはデジタル広告と比較すると効果が数値化しづらいため、出稿量が少ない企業などの場合、一見しただけでは『効果がなかった』と思われてしまうケースもしばしばあります。しかし、この技術を活用することで、効果が可視化され確認できるので、企業がメディアプランを検討する際により正しい選択肢を提示することができるのです」と貴志氏は説明する。

デファクトスタンダードの存在がマーケティングの再現性を高める

「効果予測」や「効果検証」を推進し、あらゆる業界・業態における効果のあるクリエイティブやメディアプランの知見を蓄積することで、貴志氏はマーケティング領域における「デファクトスタンダード」をつくりたいと構想を話す。

「まずはその第一歩として、当社が多くの知見を持つ、テレビCMや動画広告において、このデファクトスタンダードをつくりたいと考えています。その後、各社に対して最適化していくことにはなりますが、毎回ゼロベースでスタートするのではなく、どんな業種業態でも一定の効果が担保される“型”が土台としてあれば、より効率よく最適化が進められると考えています。ひとつのファクトとしてデファクトスタンダードをもとにプランニングすることで、成功事例の再現性を高めていきたいです」。

テレシーでは、自らが“広告主”として各メディアに出稿し、身銭を切って知見を蓄えた歴史がある。この経験から同社では、必要以上の出稿をクライアントに提案することはしないというポリシーを持っている。貴志氏が話す「企業により効率よく効果を返したい」という思いも、このポリシーに基づくものであるという。

「これからも、クライアント企業に、より効率よく成果につなげていただけるよう、戦略面の提案を含め、サポートしていきます」と貴志氏は語った。

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