ホンダ、Xbox、奈良の駄菓子屋など「グッドデザイン賞」大賞候補に

2022年度グッドデザイン賞(主催:日本デザイン振興会)は10月7日、大賞候補を含む「金賞」のほか、「グッドフォーカス賞」「ロングライフデザイン賞」などの受賞結果を発表した。金賞20件のうち5件が大賞候補となるファイナリストに選ばれており、11月1日に大賞が決定する。

ファイナリストとなった金賞5件は、以下のとおり。
 

・日立グローバルライフソリューションズ「日立 コードレス スティッククリーナー PV-BH900SK」

再生プラスチックを積極的に活用し高度循環社会の実現をめざした。内部部品のみならず、付属品や外観部品を含めた製品を構成する多くの部品を再生プラスチックに置き換えながら、外観品質を損なわないデザインにチャレンジした。

 

・日本マイクロソフト「Xbox Adaptive Controller / Xbox Series X|S」

障害を持つ人もゲームを楽しめるコントローラーと次世代ゲームコンソール機。デザインの一貫性を保ちながら、利用者を中心に置いたデザインで、いつでもどこでも誰とでもプレイできる環境を実現した。

 

・本田技研工業「ハンズフリーパーソナルモビリティUNI-ONE」

老若男女、下肢障害の有無にも対応し幅広いユーザーをサポートできる新領域モビリティ。単なる移動手段ではなく、着座する人の意図を読み取り、手放しでも意のままに全方位へ移動することができる。仕事やレジャーに対し新たな選択肢を提供する歩行感覚を実現した。

 

・日本放送協会「選挙啓発キャンペーン最高裁判所 裁判官の国民審査 特集サイト」

2021年10月実施の最高裁判所裁判官の国民審査において、投票方法や審査対象の裁判官たちの経歴、個別の判断などを解説するサイトを公開。放送とネットで連動したキャンペーンを展開し、形骸化が指摘されていた国民審査への関心を高め、投票判断に役立つ情報を提供した。

 

・アトリエe.f.t.+合同会社オフィスキャンプ+一般社団法人無限「地域で子ども達の成長を支える活動 まほうのだがしやチロル堂」

貧困や孤独といった環境にある子どもたちを、地域の皆で支える魔法の駄菓子屋。1枚100円の価値がある店内通貨「チロル札」1枚で、子どもたちは通常500円のカレーなどが食べられる。入口におかれたガチャガチャには、通貨の価値を変える魔法が仕掛けられている。

 

今年度のテーマは「交意と交響」。人々が持つ「創造する意志」を積極的に交わらせ、そうした人々のアクションが互いに関係し影響し合うことで生み出されるデザインに注目していくという方針を掲げている。審査対象は5715 件。97 人の審査委員による一次 ・ 二次審査を経て、1113社1560 件の受賞が決定した。

同日の記者発表会には、安次富隆審査委員長が登壇。今年度の総評のポイントとして次の3点を挙げている。日常化しているコロナ禍のくらしや生活・社会をよりよくするデザインの増加、中小規模の組織や小さな団体による優れたデザインが力を発揮していること、そして「隔たり」をなくそうとするデザインの台頭だ。

中でもファイナリストに選出された本田技研工業のモビリティ「UNI-ONE(ユニワン)」、奈良県生駒市にある駄菓子屋「まほうのだがしやチロル堂」は「隔たり」をなくすデザインの代表例といえる。

「健常者と障害者の区別をなくすモビリティであるユニワン。店内通貨を用いて家庭環境によらず分け隔てなく子どもたちが集えるチロル堂。いずれも隔たりがなく、誰もが平等になっていくような試みだと理解した。隔たりがなくなるということは、溝や壁がなくなり世の中の見通しがよくなるということ。より一層、未来に向けてのデザインの活性化を意識させられた」と安次富氏は述べている。

10月7日から六本木の東京ミッドタウンにて、2022年度グッドデザイン賞の受賞作の展示イベント「GOOD DESIGN EXHIBITION 2022」も開催する。会期は11月6日まで。

 

展示にあたり同賞の審査副委員長を務める齋藤精一氏や、小西利行氏らで構成されたクリエイティブチームを編成。齋藤氏は総合ディレクターを務める。展示コンセプトとして「Change for Good.」を掲げ、最新の受賞作を通じて“これから先のGood”を示す展覧会となっている。また、展示会場における廃棄物の抑制など、社会的要請に応える取り組みも行っていく。


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