メール受信設定のご確認をお願いいたします。

AdverTimes.からのメールを受信できていない場合は、
下記から受信設定の確認方法をご覧いただけます。

×

言葉は隠れた心を解放する―『社会学の視点』アドタイ出張版

share

月刊『宣伝会議』では、研究者の視点から広告やコミュニケーションを読み解くコラムを連載しています。宣伝会議賞の締め切りまであとわずか。言葉をみつけるヒントとして、3回にわたって『視点シリーズ』のアドタイ出張版をお届けします。第1回は、「コミュニケーションとメディアのいま」を連載中の遠藤薫教授が、ネーミングと社会のつながりを考えます。

ゲゲゲってゲゲゲ

今年は水木しげる生誕100周年ということで様々なイベントが企画されているようだ。鬼太郎ワールドと地域とのコラボも、境港市や調布など盛んに行われている。鬼太郎はいまや現代の民話といってもいい。

人気のキーになったのは、やっぱり「ゲゲゲ」というネーミングだと思う。元は「墓場鬼太郎」だったが、それでは怖すぎる。そもそも鬼太郎作品はかなりこわい。私は小さいときに読んだ「鬼太郎」がいまでも夢にでてくるくらいだ。だから、1960年代の日本では、暗闇で妖怪が跋扈する「鬼太郎」は、非科学的で、時代遅れで、迷信まみれで、子どもたちには好ましくないと、大人たちは眉を顰めた。

でも、本当は、大人たちだって知っていたのだ。高度成長の時代でも、AIやロボットの時代でも、いやむしろそんな時代だからこそ、不気味で恐ろしく、ときに間抜けで哀しく優しい妖怪たちは、私たちの秘密の友だちなんだということを。1968年、「ゲゲゲの鬼太郎」に改題されアニメ化されて、人気が沸騰し、国民的キャラクターとなった。

「ゲゲゲ」とは、「不意を突く驚き」をちょっとポップに表すと同時に、「化化化(ゲゲゲ)」の底知れなさもこっそり滲ませた、絶妙のタイトルだと思う。そしてそれから半世紀以上過ぎた現在も、「ゲゲゲ」は私たちの心をそっとゆさぶる。

学習院大学
法学部 教授
遠藤 薫氏

東京工業大学大学院修了、博士(学術)。日本学術会議連携会員。専門は社会学、社会システム論、社会情報学。著書に『ロボットが家にやってきたら⋯人間とAIの未来』(岩波書店)、『ソーシャルメディアと公共性』(東京大学出版会)、『ソーシャルメディアと〈世論〉形成』(東京電機大学出版局)など。

第60回「宣伝会議賞」応募のご案内

「宣伝会議賞」は、宣伝会議賞は、月刊「宣伝会議」が主催する広告表現のアイデアをキャッチフレーズまたは絵コンテ・字コンテという形で応募いただく公募広告賞です。
一般部門・中高生部門で作品を募集しています。
 
【応募期間】
2022年9月1日(木)10:00~2022年11月1日(火)13:00
 

第60回宣伝会議賞公式サイト:https://senden.co
公式Twitter:https://twitter.com/sdkgaward
公式Instagram:https://www.instagram.com/sdkgaward/
公式Facebookアカウント:https://facebook.com/sendenkaigiaward