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「食べられない」メタバース上に、モスが「ON THE MOON」店を出店した理由

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「モスバーガー」を展開するモスフードサービスは、9月6日、VR プラットフォーム「VRChat」上に仮想店舗をオープンした。“食べる”ことでおいしさが伝わる同社の商品と、“食べる”ことができないメタバースのプラットフォーム。一見親和性が低そうだが、どこに魅力を見出したのだろうか。
(※本記事は11月1日発売の月刊「ブレーン」12月号の特集「広がるメタバース市場 バーチャル表現はどこまで進化したか」への掲載記事から抜粋したものです。

「新商品」を「体験」に変換

モスフードサービスが9 月6 日にオープンしたのは、月面上に建てられたという設定の、実店舗を模した仮想店舗「モスバーガー ON THE MOON」。VRゴーグルを着ければ24 時間誰でも訪れることができる。同14 日に発売した新商品「月見フォカッチャ」のプロモーションの一環で、店舗も発売と合わせてオープンした。

9月6 日にオープンした仮想店舗「モスバーガー ON THE MOON」。

発案したのは、同社 デジタルマーケティンググループの大樂泰督さん。「“月見”製品では当社は後発なので、これまでと異なることをしなければ消費者の方々に振り向いていただけません。そこで“月見”から着想し、月上に店舗をオープンする、という企画を立ち上げました」と話す。

大樂さんいわく、商品やサービスが消費者の考慮集合に入る(“買ってもいい”対象として考慮に入る)には、「長期記憶」に残すことが大切だという。「その長期記憶として保存いただくためにはいくつかのアプローチがありますが、今回は『エピソード記憶』、つまり体験した“出来事”として月見フォカッチャを認識してもらおうと。そこで商品を体験してもらう手法を考えていきました」。

そして生み出されたのが、「仮想店舗の厨房で、実際に商品を調理する体験をしてもらう」という企画。「月見フォカッチャ」を含む4 商品が対象だ。

さらにその話題を最大化させるためにメディア関係者に着目。9 月14 日の発売に先立ち、同6 日にメタバース上で記者発表会を実施した。その際はVR 機器を15 台ほど用意して記者を仮想店舗に招待。同社の上席執行役員 マーケティング本部長 安藤芳徳さんとマーケティング本部 商品開発部長 濱崎真一郎さんもVR ゴーグルを着けて、自身の顔に似せたアバターで登壇した。

記者発表会の様子。エプロンを着けた大きいウサギはモスフードサービスの社員。

加えて発売から16 日までの3 日間は、時間ごとに恵比寿東店、渋谷公園通り店、渋谷道玄坂店にVR 機器を設置。一般の人々も仮想店舗での調理体験ができる場を設けた。

「当社としてもちろん初の試みです。最初は(メタバース上だと)商品を食べてもらえず、おいしさが伝わらないのに!という意見もありました。ただ、バーチャルで商品をつくる体験をしてもらうことで、実際の味がどんなものなのか気になるのではという、私の中での勝算はあったんです。バーチャル美術館をつくったら実際の美術館への来館者も増えた、というニュースを見た記憶があり、そこから思い付きました」と大樂さん。

実際、結果は上々。「#月モス」のハッシュタグで話題となり、14 日の発売から8 日間で当初の期間目標の半数を売り上げ、27 日からは一時販売休止をせざるを得ない状況となった。

自由に遊んでもらえる仕掛け

「 一方で、単に話題化のためにメタバースに参入したとなると、消費者やVR の利用者にもシビアな目で見られることもわかっていました。なので記者発表の際だけでなく、長く自由にON THE MOON を楽しんでいただく仕掛けを多数用意しています」と、大樂さん。
(――この続きは月刊「ブレーン」12月号に掲載しています)。

 
本記事のこの後のトピック
・調理の導線や課程の工夫
・継続的に「店舗」に利用してもらうための仕掛け
・目指すはコミュニティ化、そしてその先は?
 

月刊『ブレーン』2022年12月号

【特集】広がるメタバース市場
バーチャル表現はどこまで進化したか
(月刊『ブレーン』2022年12月号)

 
・コンピュータエンターテインメント協会
「東京ゲームショウVR 2022」
・モスフードサービス
「モスバーガー ON THE MOON」
・サントリー食品インターナショナル
「サントリー“飲むメタバース”プロジェクト」
・「バーチャル井波」
・三菱地所レジデンス「SUPER MODEL ROOM」
・映画『百花』
バーチャルヒューマンアーティスト「KOE」
・〈座談会〉
メタバース事業に挑戦する3人が見据える
「アナログ」な価値
仲田朝彦(三越伊勢丹)× 朴正義(バスキュール)× 宮原広志(博報堂)
ほか


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