メール受信設定のご確認をお願いいたします。

AdverTimes.からのメールを受信できていない場合は、
下記から受信設定の確認方法をご覧いただけます。

×

伊藤佐智子、岡康道、早川和良、三浦武彦、山下達郎ら9氏が、ACC「クリエイターズ殿堂」に

share

ACC(All Japan Confederation of Creativity)は、「第8回クリエイターズ殿堂」を、11月2日に開催したオンラインイベント「TOKYO CREATIVE CROSSING」にて発表した。

ACCではCM表現の向上に関する事業の一環として、1983年7月に「ACCパーマネントコレクション」を制定し、歴史に残る優れたCMを殿堂入り作品として選考してきた。また、CM作品が殿堂入りすると同時に、このような優れたCMを長年つくり続けたクリエイターにも焦点を当てるべき、との考えから、2010年にACC創立50周年を記念して「クリエイターズ殿堂」を創設した。

今年10月7日に、「第8回クリエイターズ殿堂」の選考会を行い、伊藤佐智子、岡康道(故人)、柿本秀二、國房魁(故人)、高崎勝二、早川和良、福本ゆみ、三浦武彦、山下達郎の9氏の殿堂入りを決定した。選考委員長は杉山 恒太郎氏、選考委員を小田桐昭氏、早川和良氏、小佐野保氏、伊藤直樹氏が務めている。「クリエイターズ殿堂」の選出は、2018年の第7回から4年ぶりとなる。

各氏の選考理由は、以下の通り。

また、殿堂入りしたクリエイターの作品は、アドミュージアム東京(東京都港区)、放送ライブラリー(横浜市)で閲覧できるようになっており、今回殿堂入りした9氏の作品についても同様に閲覧可能予定だ。

上左から、伊藤佐智子氏、岡康道氏、柿本秀二氏、國房魁氏、高崎勝二氏、
下左から、早川和良氏、福本ゆみ氏、三浦武彦氏、山下達郎氏。

※受賞者と選考理由

伊藤佐智子氏(ファッションクリエイター)
【選考理由】 サントリーローヤルの CM、ランボウやガウディの広装など、後に続く広告スタイリストに多くの影響を与えた。現在は、映画や舞台、美術などで活躍。

岡康道氏(クリエイティブディレクター/CM プランナー)
【選考理由】90 年代、ヒトとモノの関係を深く描くことで、岡康道のCMは異彩を放ちながらも人々の心にいつまでも消えない読後感を残した。そして「タグボート」を創設し、日本の CMの行き先を常に示してきた。 天才的なプランナーの夭折は若い人たちにとっても衝撃的だった。早過ぎる彼の死を、人々の印象にさらに強く残すためにも、今回の殿堂入りとなった。

柿本秀二氏(プロデューサー)
【選考理由】1983 年の TYO 設立に参加後、数々のACC 賞を受賞。特に、今回の受賞者である、プランナー 三浦武彦、ディレクター早川和良と組んだ JR東海の作品では、卓越したプロデュース力を遺憾なく発揮した。2002 年モンスターフィルムを創業。いくつものショートムービーをプロデュースしており、人と人を結び付けるキャスティング力、予算感覚のセンスなど、90 年代のすぐれたプロデューサーのひとりである。

國房魁氏(故人)(カメラマン)
【選考理由】 80 年代は、スチールカメラマンが CM に大勢参入した時代とも言える。ブラウン管の再現力が向上したことと、スチールカメラマンの意図を理解する照明の人たちが増えたこともあって、 スチールとムービーの垣根は数段低くなった。スチール出身にありがちな硬質な映像ではなく、被写体からこぼれる笑顔や天衣無縫さを素早く拾い、見る人々を幸せにした。ミノルタX7 の「宮崎美子」や、富士写真フイルムの「心の写真」や、テイジンの「秋川リサ」、サントリーオールド「リー・ヴァン・クリーフ」など名作を数多く残した。

高崎勝二氏(カメラマン)
【選考理由】 スチールとムービーの間をこともなげに行き来したカメラマン。高杉治朗と組んで、サントリーの「樹氷」や、「ローヤル」シリーズを撮影した。どんな企画にも対応できる技術とキャパシティを持っていて、失敗作がない。「そうだ 京都、 行こう。」は今でも撮り続けている。

早川和良氏(ディレクター)
【選考理由】 80年代に制作された宝酒造の「東方に宝あり」のシリーズは、その映像の洗練さとファンタジックなストーリーテリングで、人々を魅了した。 この CM は日天を出て、吉田博昭らとつくった「TYO」が、若い CMプランナーを惹きつける プロダクションに成長して行くきっかけともなった。やがて三浦武彦とのコンビで、数々の名作を連発することになる。日本のCM に欠けていた、ストーリーテリングの技術を確立したディレクターと言えるだろう。その後の、日本のディレクターたちに大きな影響を与えた。

福本ゆみ氏(ラジオ CM ライター/ディレクター)
【選考理由】 1980 年代から 2000 年までの間で ACC グランプリを5本受賞。ラジオの広告が衰退していくなかで、“ことばの表現”にこだわり続け、松下電器産業(現・パナソニック)や資生堂など、メジャークライアントのラジオ CMを高い水準で守り抜いた。

三浦武彦氏(プランナー)
【選考理由】 1990 年代は JR 東海の「クリスマスエクスプレス」の CM から始まった。 今まで、なかなか実現出来なった「ストーリーテリング」の技術によって、三浦はヒトやモノ を運ぶ新幹線から「物語を運ぶ新幹線」へと変えた。他にライオンなどヒトとモノの日常をほほえましく描いた。トヨタの「交通安全キャンペーン」の CM も「人と社会にやさしい」という時代のさきがけでもあった。

山下達郎氏
【選考理由】 JR 東海「シンデレラエクスプレス」の「クリスマス・イブ」のメロディから 90 年代は始まったと言って良い。そして、それは今でも続いている。音楽の CM に与えた影響で言えば、山下達郎の功績は大きい。ほかに、三ツ矢サイダー、JAL、サントリーなど CM ソング多数。