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ディップが全国19の大学キャンパスで広告「時給UPしたらできること」提案

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本記事は月刊『ブレーン』2023年1月号「PICK UP」に掲載しています。

ディップは10月17日から、アルバイト求人情報を探す大学生に向けた新プロモーションを開始した。春に次いで応募が増加する秋口の時期に合わせ、全国19カ所のキャンパス周辺の広告媒体を活用した取り組みだ。

法政大学(市ヶ谷キャンパス)内に掲載されているポスター。

 

時給アップを自分ごと化してほしい

ディップは2021年12月から、働く人の待遇向上に向けた「ディップ インセンティブ プロジェクト」を展開。求人サービス利用企業に対して時給アップなどを働きかけ、好待遇の求人情報を積極的に紹介してきた。展開後の調査によると、プロジェクト自体の認知度は上がっているものの、働く人の利用意向はそれほど伸びていないという結果に。

「時給アップが感じられない」「信じられない」という意見に対して、実際にサービスを利用してもらうためには、時給がアップした先のイメージを持ち、時給アップを自分ごと化してもらう必要があった。そこで今回、「#時給178円UPでちょっとイイこと」というキャッチフレーズのもと、大学生向けに新プロモーションを開始した。

「バイトルの主要ユーザーである若年層のうちまずは学生をメインターゲットとし、応募が増加する新学期や学園祭シーズンである10~11月に打ち出すことに決めました」と説明するのはディップのプロジェクトマネージャー 小澤由帆氏。

着目したのは、全国19カ所の大学のキャンパスだ。それぞれ最寄り駅の媒体や学内のポスター、学食のトレイ広告などを使い、そのキャンパスごとのメッセージを開発した。メディアプランニングにあたっては、「大学生同士のコミュニケーションが最も生まれやすい場所」であることが必要だと考えた。

大学内に掲出されているポスター。

「はじめは、各大学の最寄りの駅のバスをジャックしようという企画がありました。ただ大学生の息子と話していると、バイト先は友人との会話の中や口コミで決めることが多い、と。だからこそ友人と一緒にいる時に目に飛び込んでくる、もっと身近な媒体で訴求する必要性を感じました」(サイバーエージェント エグゼクティブクリエイティブディレクター 田中徹氏)。

広告を展開するキャンパスは学生数が多く大学に名物や特徴があること、またバイトルが応募を特に集めたいエリアから19カ所を選定した。

大学内や最寄り駅の広告掲出の様子。

ターゲットごとにメッセージを訴求

メッセージ開発においては「バイトルの求人なら前職と比較し平均して178円時給が上がる」という独自の調査結果に着目。「178円でできそうなちょっとイイこと」をテーマに、大学生の自分ごと化を促しているコピーは、各キャンパスに通う学生の心に響くようにリサーチを重ね、何度も練り直した。

「各大学の在校生に取材をし、いかに“自分ごと化”させられるかを意識して大学ごとの特徴的な切り口を見つけていきました。『~~したくない?』と問いかける構文にしたのは、“私だったら”と自分ごと化して考え、想像してもらえるようにするため。この表現は、最後まで吟味しました」(サイバーエージェント プランナー 西谷崇氏)。

大学の学食トレイに掲出されている広告。

今回「ちょっとイイこと」としてピックアップされているのは、「自家製プリン」(國學院大学)、「吉田食堂の大学芋」(京都大学)、「神大ソフト」(神奈川大学)、「オクラのお浸し」(千葉大学)など全て食べ物に関する切り口だ。

「元々は、食べ物以外も含め15 パターンぐらい作成していました。それらを全て学生に見せてアンケートを取ったところ、圧倒的に“食” が人気だったので、今回は“食”に絞りました」(西谷氏)。

現在、SNS 上でも連動したキャンペーンを実施している。「ご当地ちょっとイイこと大調査」と題し、広告を掲出した大学以外の学生も楽しめる参加型の企画とした。

左から、TikTokやTwitterに掲載したアンケート広告。

「OOHは実物を見られる人が限られるので、ターゲットごとに訴求できるデジタル広告を使うことで大学生の発話を促しました。リアルとデジタルの双方を使うことで、今後どんな反応が起きるのか楽しみです」(サイバーエージェント クリエイティブディレクター 重松賢司氏)。
 

スタッフリスト

企画制作
サイバーエージェント+電通+ディップ
ECD
田中徹
CD
重松賢司
企画
西谷崇
企画+AD
さいとうあい
D
賀谷恭子
CPr
水戸昭宏
Pr
吉田真
プロジェクトマネージャー
小澤由帆
PM
高田馨
編集
運藤
美術
石森スタジオ
掲出
法政大学、上智大学、國學院大學、神奈川大学、千葉大学、横浜国立大学ほか(10/17~11/30)※大学により前後あり

ECD:エグゼクティブクリエイティブディレクター/CD:クリエイティブディレクター/AD:アートディレクター/企画:プランナー/C:コピーライター/STPL:ストラテジックプランナー/D:デザイナー/I:イラストレーター/CPr:クリエイティブプロデューサー/Pr:プロデューサー/PM:プロダクションマネージャー/演出:ディレクター/TD:テクニカルディレクター/PGR:プログラマー/FE:フロントエンドエンジニア/SE:音響効果/ST:スタイリスト/HM:ヘアメイク/CRD:コーディネーター/CAS:キャスティング/AE:アカウントエグゼクティブ(営業)/NA:ナレーター

 

月刊『ブレーン』2023年1月号

 
【特集】
2022→2023
クリエイターと考える
広告の新しい表現・役割

 
・記事ランキングから振り返る
話題になった
広告トピックス
・読者に聞いた!
今年記憶に残った広告&
広告表現の課題
・「ねとらぼ」が見た
2022年の旬な広告
・【座談会】
「自由な広告表現はどこから生まれる?」
古川雅之×小島翔太×明円 卓
 
【特集2】
2023年注目のクリエイティブチーム
・アッシュ
・エルロイ
・6秒企画
・イトーキ
 
【第10回BOVA】
一次審査員からのアドバイス
 
【UP TO WORKS】
・日本マクドナルド「時をかけるバーガー」
・森永製菓「ムーンライト“切り絵”トレイン」
・IDA Studio「絵なんてわかってたまるか」
・サントリーホールディングス「スカッとマン」篇
・資生堂ジャパン「頼っちゃお!GIFT LABEL キャンペーン」
・雪印メグミルク「#雪コに甘やかされたい」
 
【SPECIAL】
・BRAINクリエイティブパートナーズ
 
【青山デザイン会議】
「企業とフォントの関係」
伊藤正樹×鈴木 功×福田隆之
 
【PICK UP】
・日本マクドナルド
「マックTHEチキン ガーリックペッパーの一撃」
・ディップ/バイトル
「#時給178円UPでちょっとイイこと」