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すべての広告宣伝がSNSに帰結し得る今 生活者の行動や心情をより真摯に考え抜く

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月刊『宣伝会議』2023年1月号(12月1日発売)では、「認知獲得から販促、CRMまで 最新・SNSマーケティング」と題し特集を組みました。
ここでは、本誌に掲載した記事の一部を公開します。

テテマーチ
Chief Communication Officer
ふくままさひろ氏

2017年にテテマーチに入社。企業のSNSコミュニケーションの企画、及び自社のマーケティング企画・CIリニューアルなどを実施。アドテック東京2019・2020公式スピーカー。個人の活動としては、若手マーケターイベントの企画、怠惰をテーマにしたTシャツブランド『怠惰万歳』の企画など。趣味は囲碁と服と酒とTwitter。

 

Q. 「SNSマーケティング」の定義とは?

A. すべてのマーケティングコミュニケーションが「SNSマーケティング」となる時代。

文字通りSNSを活用したマーケティングだと解釈していますが、今のマーケティング・コミュニケーション活動においては、ほとんどが「SNSマーケティング」に当てはまるのではないかと思っています。

SNSマーケティングとは何も、SNSアカウントの運用やインフルエンサーに商品をPRしてもらうことだけではありません。誰かが面白い屋外広告を見てSNSにあげたり、店舗の接客が良くてSNSにクチコミされたりと、これらもSNSマーケティングの一部です。

ですから、「SNSマーケティング」ではなく「SNS時代のマーケティング」と表現した方がわかりやすいと思っています。誰もがSNSに投稿することができ、情報が流通しやすくなったこの時代。こういうアクションを取れば、生活者が何を感じ、どう行動、発信するのか。こういった当たり前のことを、より真摯に考え抜くことがSNS時代のマーケティングに必要不可欠なのではないでしょうか。

Q. 日本企業におけるSNSマーケティングの最近のトレンドは?

A. 「人格」へのエンゲージメントを獲得しやすい“個人アカウント”の活用が進む。

従業員などの個人のSNSアカウントを育成するトレンドは、やはり今後も進んでいくと考えています。企業SNSよりも個人SNSの方が影響力を持てるケースが多くなってきているからです。

この理由としては、SNSで何か投稿をした際のエンゲージメントの付き方にかかわってきます。エンゲージメントの種類には大きく分けて2つあり、「コンテンツ」に付くケースと「人格」に付くケースが存在します。例えば、「お役立ち情報」などのTipsは「コンテンツ」、「おはよう」や「今日はカレー食べたよ!」などの挨拶や近況報告などは「人格」に分類されます。

企業のアカウントで投稿する場合、顔が見えづらいので「人格」を生み出しづらいというデメリットがある一方で、個人アカウントは投稿に人格を生み出しやすいです。また、投稿に対するハードルが低くなるので、情報の鮮度が大事なSNSにおいてはその点もメリットとなりえます。

Q. SNSにおけるユーザー動向の潮流は?

A. レコメンデーションから脱した、“偶発的な出会い”が求められるように。

ユーザーの趣味嗜好に合わせてレコメンドされないSNS、あるいはSNS以外の何かが求められる可能性があるのではないかと思っています。今のSNSは、TikTokをはじめとしてレコメンデーションの度合いが強くなってきています。

TikTokは基本的にフォローしていないレコメンデーションされた投稿を眺めていますし、Twitter、Instagramも自分がフォローしていないユーザーの投稿が“おすすめ”的にタイムラインにガンガン流れてきています。そうなってくると、今の自分の興味関心を超えた出会いがなくなってきてしまいます。

例えば街を歩いていると、いやでも自分には興味がないコンテンツが目に入ってくると思いますが、そういうランダムな出会いのようなものがカウンターパンチ的に求められてくるのではないかと思います。