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停滞するBtoC領域での顧客育成をSNSでの継続的な接点が解決する

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月刊『宣伝会議』2023年1月号(12月1日発売)では、「認知獲得から販促、CRMまで 最新・SNSマーケティング」と題し特集を組みました。
ここでは、本誌に掲載した記事の一部を公開します。

Micoworks
マーケティングチーム
マネージャー
岩崎淳平氏

大学卒業後、ITベンチャーに入社し、広告プラットフォーム営業ならびに運用に従事。その後、インターネット広告会社を経て、2022年4月にMicoworksに入社。

 

Q. SNSマーケティングに対する企業の課題とは?

A. つながった“後”の、より強固なエンゲージメント構築に多くの企業が苦戦している印象。

昨今、各SNSのコンテンツ表示アルゴリズムの進化に伴い、生活者の行動データや興味関心などに応じた最適なコンテンツの表示が実現されるようになっています。これにより、企業側にとっては、より関連性の高い生活者への認知が加速するというメリットがあります。

また、フォロワーや友だちといった形で企業と生活者がつながり、継続的なコミュニケーションも可能になってきました。一方で、課題になっているのはつながりができた“後”。生活者に対して企業のサービスや商品を真に好きになってもらい、実際に利用や購入を促せているかと言えば、多くの企業が課題感を持っていると感じます。見込み顧客から顧客、あるいは顧客からロイヤル顧客へ導くためには、画一的な訴求ではなく、多様な生活者の状況や属性にあった最適なコンテンツや訴求が必要になります。

現状、SNSという接点において、そこまで緻密にやり切れている企業は多くはなく、またそれを実現できるソリューションの導入も一部の企業に限られていると考えます。ただし、細分化された生活者のニーズに応えることの重要性は増す一方であることを踏まえると、one to oneのコミュニケーションへの課題は、今後より顕在化していくと考えます。

Q. 今後、活用の可能性に広がりを感じる手法・概念は?

A. BtoC領域での顧客育成(ナーチャリング)をSNSが果たす可能性がある。

BtoBマーケティングにおいては分業体制の在り方として提唱された「THE MODEL」の浸透やMAツールの台頭によって、顧客育成(ナーチャリング)の概念が浸透しています。その文脈において、Marketo、HubSpot、Salesforce、Zendeskなどのソリューションがグローバルでも導入件数を増やしており、マーケティングの高度化が進んでいます。一方で、BtoCマーケティングにおいては、顧客育成(ナーチャリング)という概念すらまだまだ浸透していないように感じますし、それを実現するソリューションも明確に現れていない状況だと思います。

ではBtoCマーケティングで顧客育成(ナーチャリング)が難しいのか、あるいは必要ないかと言えば、必ずしもそうではないと考えます。SNSの特性を踏まえて、見込み顧客や既存顧客となんらかの接点を構築できているのであれば、そのつながりの中で継続的かつ最適なコミュニケーションを行うことが可能です。

また、特に検討期間の長い商材やコモディティ化した商品などは、顧客のニーズに沿って適切に商品の特性を伝えたり、定期的な接点を持って想起率を高めたりすることが重要であると考えます。まさにそうした顧客育成(ナーチャリング)こそが、今後SNSに求められるひとつの役割なのだろうと感じています。