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ワンダーマン トンプソン、採用拡充 2023年も大幅成長見込む

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ワンダーマン トンプソン トウキョウが、営業担当者や、UI・UXデザイナー、データアナリスト、ブランドコンサルタント、アートディレクター、デザイナーなどの採用を進めている。大がかりな人員拡充は2022年初頭に続いて2回目。大手高級化粧品ブランドの獲得や、金融企業、ヘアケアブランド、フードデリバリーサービスなどで新規ビジネスの獲得が続き、業容拡大が続いている。

特にデジタル領域での成長が大きい。2022年度のデータ、カスタマーエクスペリエンス、テクノロジー部門の売上高は前年度比約120%の伸長を見込む。

「クライアントのビジネス成長と自分自身の成長に貪欲で、エージェンシービジネスの枠組みを拡げる新しいビジネスへのチャレンジスピリットのある方を探している。特に、既存のエージェンシービジネスに疑問を持っている方、この業界を変えなければならないという使命感を持っている方にこそ、ぜひ応募してほしい」(ワンダーマン トンプソン トウキョウ採用担当者)

直近に獲得した大手高級化粧品ブランドのプロジェクトにおけるワンダーマン トンプソン トウキョウの提案は、「いかにオンラインでブランドらしさを体現し、ユーザー目線の体験を提供出来るか」という一文に集約される。コンセプトは「ヒューマンセントリック(人間中心)」。「ヒューマンセントリックなブランドになるためにマーケティング・コミュニケーションも変革していくべき」と掲げ、見事競合プレゼンを勝ち抜いた。

高級化粧品ブランドの案件は、オンラインでいかにブランドらしさを体現し、受け取るユーザーのためになる体験を提供できるか、という一文に集約される。コンセプトは「ヒューマンセントリック(人間中心)」。ブランドも、マーケティング・コミュニケーションも、「ヒューマンセントリックなブランドになるために、コミュニケーションも変革していくべき」と掲げ、見事、競合プレゼンを勝ち抜いた。

ワンダーマン トンプソン トウキョウ アカウントディレクターの小俣浩美氏
ワンダーマン トンプソン トウキョウ アカウントディレクターの小俣浩美氏

「私たちが掲げた〈ヒューマンセントリック〉は、消費者はもちろん、当該ブランドのビジネスに携わる方々をも包含します。ステークホルダー全体にヒューマンセントリックな体験を提供できるよう、ブランドは変わっていくべきだ、とご提案しました」(ワンダーマン トンプソン トウキョウ 小俣浩美氏)

「ヒューマンセントリックなブランド体験」を提供する上で、欠かせないのがデータだ。データアナリストとして21年にワンダーマン トンプソン トウキョウに加わったヘクター・リスト氏は、「Webサイトひとつとっても、できることは数え切れないほどある」と話す。

ワンダー マントンプソン トウキョウ データアナリストののヘクター・リスト氏
ワンダーマン トンプソン トウキョウ データアナリストのヘクター・リスト氏

「最良な体験を提供する上で重要なのは、人の行動がどういったものかを理解すること。そして理想に照らして、現状を理解することです。たとえばそれは、欲しい情報によりたどり着きやすくするサイトデザインや、ページの読み込み速度の快適さ。あるいはサイト側から提供される情報が、きちんと自分の望むことにマッチしている、といったことに現れます」(リスト氏)

こうした体験を提供するために必要なデータを取得し、整理・分析して活用することはもちろん言うまでもない。「もうひとつ重要なのは、ロジックとインスピレーションの双方が、ヒューマンセントリックな体験の提供には不可欠です」と小俣氏は話す。ロジックだけでは退屈な説得になってしまう。直感的な、共感や好印象も必要だ。しかし、そうしたイメージだけでも、ともすれば発信者の思い込みに陥りかねない。

「大事なのはユーザーのことをできる限り知ること。その点ではデータは強い味方です。データに基づいて、ユーザーに本当に意味がある形でコミュニケーションをしていくときに必要なのが、クリエイティブではないかと思います」(小俣氏)

データが示す事実を、いかに価値に転換するか。その際、外せない視点が、世の中の価値観の変化だ。

ここ3年だけ見ても、BlackLivesMatter運動が広く耳目を集め、新型コロナウイルス感染症の拡大で働き方やライフスタイルが変化を強いられた。ロシアによるウクライナ侵略などをきっかけとして生じた原料高や燃料高による値上げ基調は、消費者の価格観を大きく揺るがしている。

ワンダーマン トンプソン トウキョウ アカウントディレクターの石坂稿氏
ワンダーマン トンプソン トウキョウ アカウントディレクターの石坂稿氏

「さらに3年先、5年先がどうなっているか不透明な中、指針となるようなブランドのあり方を構築するにはどうすればよいか、というご相談も多くいただいています」と話すのは、石坂稿氏だ。

ヘアケアブランドひとつとっても、象徴的なセレブリティを前面に押し出したコミュニケーションから、ユーザーの個性を輝かせる方向へと移り変わっている。

「マーケティングのやり方は、たしかに変貌を遂げつつあると思います。しかし、ワンダーマン トンプソン トウキョウとして変わらないコアの部分は、ブランドの未来を作るグロースパートナーであること。そこに近年、東京オフィスも、データやテクノロジーのメンバーが増え、非常に盤石になってきた印象があります。むしろ、コンセプチュアルな仕事と、それをどう実現していくか。クリエイティビティにデータ、テック、カスタマーエクスペリエンスを掛け合わせることで、さらにユニークなシナジーを提供できるようになってきたと感じます」(石坂氏)

データ分析を通じて人を理解し、表現やユーザーエクスペリエンスへと転換する。ピープルインサイトを軸にデータ、カスタマーエクスペリエンス、テクノロジー この3分野を強化することで、ワンダーマン トンプソン トウキョウは、ケイパビリティを拡大するとともに大きく成長を遂げている。

ワンダーマン トンプソン トウキョウのオフィスにて
ワンダーマン トンプソン トウキョウのオフィスにて

クリエイティブとデータの融合は、実際の業務でも実践されている。「データアナリストも、データだけを見ていればいいわけではないのです」と話すのは、リスト氏。

「膨大な量のデータがある中で、どれが重要なデータポイントなのか、それはどういう意味なのかを理解しなくてはなりません。解釈によって重要度は変わります。データアナリストであっても、クリエイティブの側面を理解する必要があります。どんなデータがクリエイティブで生かされるのか、を」(リスト氏)

小俣氏も「クリエイティブ側としても、データがインスピレーションをくれることがあります」と話す。データは結果を検証するだけでなく、むしろスタート地点になることもある。

たとえば、ある国の人が、どういう季節に、どういうムードで何を食べるのか、というのは特定の目的があって調べるものではない。しかし、そうしたデータがあれば、「その食べ物をいま担当しているブランドに置き換えたら、どうなるか……」と、発想が広がっていく。

「データアナリストとクリエイティブのそれぞれの担当者は、ふだんから、『このデータは、何かに生かせないか』と日常的にやり取りしています」(小俣氏)

職能を超えたコミュニケーションが、ワンダーマン トンプソン トウキョウの特徴のひとつだ。石坂氏も「そこが魅力であり強み」と言う。

「百数十人規模の会社ですが、本当に多様なバックグラウンドを持つ人が集まっていると思います。元自治体職員の方もいるし、広告は未経験、という方もいる。しいて共通点を挙げるとするなら、オープンマインドな人が多い。互いの専門領域に敬意を持ちつつ、気軽にコミュニケーションを取る傾向があると思います」(石坂氏)

リスト氏も、「安心してアイデアを話せる場所だと感じます」と言葉をつなぐ。

「最も重要なのはアイデアがあったら、どう思われるかを心配せずに、自由闊達に話せることです。私のアイデアに真剣に、誠実に向き合ってくれると感じます。全く専門分野が異なる人から互いに学びあう環境なのだと思います。それが刺激的です」(リスト氏)

こうした環境で、外せないポイントがある。三氏が口をそろえるのは「ビジネス視点」だ。

「お客さまの大切な予算をお預かりしているからこそ、楽しい・興味があるだけではなく、私たちが提供するソリューションがどんな価値を生み出しているのか、そしてその価値を通じて自分やチームが値付けをされているという感覚を持つことがとても重要です。クライアントの成長に貢献し、評価をいただくことでビジネスになっていることを常に念頭に置いているからこそ、私たちは従来的なクライアントのマーケティングコミュニケーションを代理するというエージェンシー独特の一歩引いた立ち位置ではなく、もっと踏み込んだグロースパートナーというポジションをとることが出来るのだと思います。ここワンダーマン トンプソン トウキョウでは仕事の楽しさとプロ意識が両立しているのです」(石坂氏)