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テレビ大変革期の今だからこそ面白い、広告会社と放送局の掛け算  編集部が「メディアプロデュース職」の魅力を紐解く

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国内のコネクテッドTVの普及率が5割を超えるなど、昨今テレビそして放送局を取り巻く環境は大きく変化。マスメディアのDXとも言える大きな変革が起きており、広告メディアビジネスもダイナミックに動いている。
 
また一人ひとりの生活者の価値観理解が重視される時代に、改めて消費者ではなく生活者・コンテンツを介してオーディエンスという側面から人と向き合うメディア企業、そしてメディアビジネスだからこそ得られる知見にも注目が集まっている。
 
こうした環境で広告メディアビジネスに関わる人たちは、日々何を考え、どのように動いているのだろうか。広告ビジネスのカバーする領域が、広告をはじめとするマーケティングコミュニケーションからより経営に近いマーケティング全般へと広がりつつあるなかでも、広告メディアに関わるビジネスは、コミュニケーション産業の中核であることに変わりはない。
 
広告メディアビジネスの最前線で活躍する博報堂DYメディアパートナーズ スポット&エリアビジネス局 宇井将人氏と、日ごろ宇井氏と共に仕事をしている琉球放送(RBC)テレビ本部 東京支社 営業部 津波竜樹氏に話を聞いた。

写真左から博報堂DYメディアパートナーズの宇井氏、琉球放送の津波氏。

クライアントと放送局の間に入りWin-Winになる調整を図る

―宇井さんは博報堂DYメディアパートナーズのメディアプロデュース職として、各エリアの放送局の広告営業担当と向き合い、広告の企画・セールスを支援しているそうですね。その仕事のなかで、琉球放送の東京支社で広告営業を担当する津波さんとも一緒に仕事をしているとのこと。具体的に広告会社のメディアプロデュース職とはどのような仕事なのでしょうか。

宇井:主な仕事は自分が担当する放送局のテレビCMの枠のバイイングです。クライアント企業の要望を受け、各放送局の方とすり合わせながら、CM枠を買い付けたりといった仕事です。広告会社にはクライアント企業に向き合うビジネスプロデューサーもいますが、僕はそのビジネスプロデューサーと各放送局の間に入って、皆がWin-Winになるように調整をする仕事をしています。

―津波さんは新卒で琉球放送に入社。以来、営業の仕事に就いているそうですが大学生の頃はマスメディア企業に広告営業を専門とする部門があることすら知らない人も多いのではないかと思います。

津波:そうですね。僕は新卒で琉球放送の本社に入社して、2022年の5月に東京支社に異動。入社以来、広告営業を担当しています。
元々ラジオが好きで、アナウンサーなど表に出る仕事を目指したことがきっかけで琉球放送に入社することに。確かに、僕がそれまで視聴者として見ていた華やかなテレビ番組の画面に映っている部分は放送局の仕事の一部。それ以外は広告営業などの仕事によってビジネスが成り立っているのだということを裏方の仕事をするようになって初めて知りました。

メディアプロデュース職が、放送局と共に新たなメニューを開発

―宇井さんと津波さんは、日ごろどのような仕事をしているのですか。

津波:僕は広告営業の担当ですが、売っているのは「当社でつくっている番組の視聴者に他社の商品やサービスを訴求する“CMを届けるための時間”」だと考えています。そこで、どのように届けたら沖縄の視聴者の皆さんに東京のナショナルクライアントのCMを喜んでもらえるのか。そして、クライアント企業の皆さんに喜んでもらえるのかを宇井さんと話しながら企画しています。

宇井:グループ内でクライアント向き合いのビジネスプロデューサーからの相談をもとに放送局に話をするだけでなく、番組やイベントの広告の枠を適切なクライアントに案内する窓口になることもメディアプロデューサーの仕事です。各放送局、さらには番組やイベントの先にいる視聴者属性を踏まえて、「こんな商品・サービスを持つクライアントだったら、視聴者もクライアントもWin-Winの関係になれるのではないか?」との仮説を持って、企画をしています。

例えば、琉球放送は「NAHAマラソン」の開催に携わっています。こうした地域密着型のイベントに多くの人を集められる地域での信頼度は、ローカル放送局が持つ定量化できない強みだと思いますが、こうしたイベントのスポンサー集めにも僕たちが関わります。

例えば、マラソン大会との親和性が高いスポーツドリンクのメーカーさんにスポンサードいただくために、そのクライアントの新商品や注力商品の情報をビジネスプロデューサーにヒアリングをしながら、放送局の皆さんと相談をし、提案したりします。

津波:宇井さんの持っているクライアントの情報と僕の持っている特番やイベントの情報を掛け合わせて、「この特番とその商材は合うかも」と適切にマッチングさせることでクライアントメリットを引き出せているのかなと思います。

信頼関係をつくるコミュニケーションスキルが大きな力として生きる

―広告会社のメディアプロデューサーに求められる役割は何ですか?

宇井:クライアント企業そして放送局、それぞれに直接には言いづらい要求もあります。それを代弁するのが、僕の役割だと思っています。
直接言い合えば収集がつかないだろうことを僕が代弁者になることで、クライアント・放送局・生活者・当社、全員が納得できる状態になるよう調整します。これがこの仕事の難しさであり、一番面白いところ。僕の言葉の選び方ひとつで、最終的にWin-Winになる形をつくれるか否かが決まってしまう。特にコミュニケーションの取り方は人それぞれなので、誰がどう伝えるのかによって、結果は大きく変わると感じています。

津波:まさにコミュニケーション能力ですよね。コミュニケーションは誰もがすることで、特別なスキルが必要ないと思う方もいるかもしれません。しかし、そもそも「相手ときちんと会話ができる」だけでも、難しいことだとこの仕事を通じて痛感しています。
言われたことの意図を理解し、その意図を踏まえた返事ができていない人が実は多くて。その点、宇井さんはこちらが投げた10のことに対して10で答えてくれるのはもちろん、20、30のアイデアを付加して返してくれる。さらに言えば、宇井さんはそれをすごいスピードで、そして琉球放送のほかにも何局も並行してやっているはずで。すごいなと思っています。

―広告会社のメディアプロデューサーに向いている資質はありますか。

宇井:社内や部内を見渡して、いきいきと仕事をしているなと思う人は、チームで動くことや、何より人とコミュニケーションを取ることが好きな人たちだと感じます。いろいろな人との調整が必要な仕事ではありますが、メディアプロデュース職のよいところは関わる人が多い分、苦しいときや困っているときには必ず誰かが助けてくれること。チームで動いているからこそのメリットですね。だからこそ自分がまず動ける人、コミュニケーションをとってチームで動ける人が向いていると思います。

津波:宇井さんみたいな人かな(笑)。でも、彼は本当に情熱をもって仕事をしてくれます。電話やメールで頻繁にコミュニケーションをとっているのはもちろん、時にフットワーク軽く会いにも来てくれる。そういう、日ごろのその人の人となりが仕事の成果に反映される職種なのかも、と思いますね。

宇井:えー、嬉し泣きしてもいいですか。実際の仕事の9割はメディアバイイングの仕事で、今、津波さんに評価していただいたのは残りの1割の部分なのかなと思います。でも、そこが業務の本質であることは入社当時から大先輩から教えてもらってきたことですね。

放送と通信の融合でローカル放送局のコンテンツ資源に再び脚光

―メディアビジネスは大きな過渡期にあり、通信と放送の融合という大きな流れのなかでは、放送局に新たなチャンスも生まれています。そんな環境にある今、宇井さんと津波さんがローカル放送局の力として感じていることを教えてください。

宇井:ローカル局とは言葉の通り、そのエリアに密着しているという意味だと思います。どんなジャンルにおいてもそのエリアの情報を質も量も豊富に持っています。そのエリアに対しての知識の幅が本当に広いので、東京の放送局でやればたくさんの人がかかわらないとできないような仕事も、ローカル局だと「営業が全部仕切ってくださる」みたいなこともあって。そういうところは面白いし、勉強になりますね。

津波:ローカル局の強みは地域の皆さんとの繋がりが深いことです。そのおかげで、番組作りもできているので、その関係値は今後も絶対に残していかなければいけませんね。

―現在のメディア環境をお二人はどう見ていますか。

宇井:インターネット広告の成長は無視できないし、今後は共存していくべきものだと思っています。ただ、メディアビジネスにおけるテレビスポットの役割はまだまだ変わらないのではないでしょうか。
その一方で新たなチャンスだとも思っていて。例えば、TVerでローカル局の番組も全国で見られるようになり、人気ランキングの上位に入ることも増えています。これを逆手にとって観光情報や飲食店、エリアの魅力を発信するというプラスアルファのチャレンジができたらよいのではないかと思っています。

津波:テレビやラジオは緊急時に最も信頼してもらえる情報ソースであることを、圧倒的な強みとして持ち続けなければいけないと思っています。ひいては、それが普段からのクライアントや視聴者の「信頼してCMを出稿できる」「信頼してCMを見られる」という安心感につながっているはずです。

―最後に、博報堂DYメディアパートナーズのメディアプロデュース職に、どんな人に入ってきてほしいですか。

宇井:コミュニケーションを取ることが好きな人。でも、その方法は何でもいいです。ゴルフや飲み会にガンガン行く人でもいいし、テレワークでもレスポンスがめちゃくちゃ早い人でもいい。コミュニケーションの取り方は結構人によって幅が広いものだと思うので、どんなやり方でもいいので、コミュニケーションを取ることが好きな人と一緒にお仕事をしたいですね。

【対談者】

博報堂DYメディアパートナーズ
スポット&エリアビジネス局スポット&エリアビジネス二部
宇井 将人氏

2018年、新卒で博報堂DYメディアパートナーズ入社。関西メディアビジネス局に配属となり、新聞のメディアプロデュース職を担当。2021年10月から、現在のテレビ担当のメディアプロデュース職に異動。

琉球放送
テレビ本部 東京支社 営業部
津波 竜樹氏

2016年、新卒で琉球放送に入社。テレビ営業局営業部に配属となり、広告営業を担当。2022年5月に東京支社に異動、引き続き広告営業を担当。


 

■取材を終えて 編集部が感じたメディアプロデュース職の魅力!

1.進む、マスメディアビジネスのDX 広告メディアはこれからが面白い!
世界的にテクノロジー企業発のデジタル広告の成長がけん引してきた昨今の広告市場。しかし、テレビをはじめとするマスメディアもデジタル化を推進。優良なコンテンツホルダーであるマスメディアの資源を生かし、新たな挑戦が始まっています。そんな時だからこそ、新しい広告ソリューションも次々と生まれています。メディアプロデューサーの企画力が生きる時です!

2.メディア企業は生活者ファースト 生活者起点のマーケティング力が身に着く
日々、オーディエンス(生活者)と接点を持つメディアの人たちと共に仕事をすることができるメディアプロデュース職の仕事。クライアント課題に向き合いながら、さらには顧客・消費者以前の“生活者”と向き合う仕事の中でマーケティングスキルに、磨きがかかります。

3.複数の人を束ねてプロデュース プロジェクトマネジメント力が養われる
メディアプロデュース職はメディアの先にいるオーディエンスにとっても、そしてメディア企業にとっても、当然ながらクライアントにとっても皆がWin-Winになる企画を形にする仕事。複数の人が関わりながら、利害関係をまとめあげていくメディアプロデュースの仕事で身に着く力はメディアプロデュース以外のプロジェクトマネジメントにも活かすことができる力です。

■博報堂DYメディアパートナーズの「メディアプロデュース職」をもっと知りたいという方はこちら

【メディアプロデュース職ってどんな仕事?】
クライアント課題に応じてメディア領域のソリューションを提供するプロデューサー

【未経験者も応募可能! メディアプロデュース職キャリア採用中】
メディアプロデューサー:テレビを主軸とした動画メディア担当(契約社員)
メディアプロデューサー:ラジオ・デジタルオーディオメディア担当(契約社員)
メディアプロデューサー:関西支社勤務テレビスポット業務及び地方局におけるタイム業務(契約社員)
メディアプロデューサー:中部支社(契約社員)