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オンラインで売上30億達成も BtoBマーケティングの“メタバース”活用

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コロナ禍で企業活動のオンライン化が進む中、BtoBマーケティングの手法の1つとしてメタバースを活用した施策を行うケースが増加している。しかし、実情は企業ブランディング施策の側面が強く、思うような成果につながっていないケースも多い。BtoBマーケティングの施策としてメタバースをどのように活用すれば成果につながるのだろうか。

AR・VRなどの開発やメタバースのオンラインイベントプラットフォームの開発・提供を行う合同会社DMM.com イベントテクノロジー事業部 副事業部長 兼 株式会社アイデアクラウド 代表取締役CEOの新部昌也氏が、事例を踏まえながら企業のメタバース活用法について解説した。

※本稿は、「デジタルマーケティングカンファレンス2023」(2月7日~8日開催)の講演内容をまとめたものです。

利用拡大が見込まれるメタバース展示会

メタバースの国内市場は、2021年の744億円から2022年には1825億円と大幅増加しており、2026年には1兆円市場へと拡大が予想されている。世界市場においては、2021年の4兆2640億円から2030年には78兆8705億円まで拡大が見込まれている。新部氏は、今後さらにビジネスシーンでのメタバース活用が拡大していくと予想する。

「デジタルマーケティングカンファレンス2023」で講演する新部氏

では、BtoBマーケティングにおいてはどのような形でメタバースの活用が有効なのだろうか。新部氏は次のように説明する。

「見込み客獲得のためのマーケティング活動は様々ありますが、特に展示会やカンファレンスはメタバースやオンラインプラットフォームの活用が有効な施策といえます。その理由は、リアルな展示会と比較して、オンライン展示会やメタバース展示会は取得できる情報量が圧倒的に多いためです。見込み客の獲得後にナーチャリングを行う際、その情報をもとにより効率的に確度高くお客様をつかまえることができるのです」

同社が提供している「META BOOTH(メタブース)」は、展示会やカンファレンス、セミナー、デジタルショールームなどで活用できるプラットフォームだ。これまで約1万5000社が利用・出展している。

META BOOTHは、3D空間または2D空間で、自分のアバターを動かしながら動画を閲覧したり出展者とコミュニケーションをとったりすることができる。また、Webサイトのような空間や動画に特化した空間など、顧客の目的や用途に応じて様々なパターンを提供している。

インタラクティブな空間設計で見込み客獲得に貢献

新部氏は、META BOOTHを使用した事例を2つ紹介。ひとつめは、短期型イベントの事例として、電設資材・住宅設備など約200社が出展した大型展示会の例だ。これまではオフラインイベントのみの開催だったが、コロナ禍で来場者の確保が難しくなったことからオフライン・オンラインのハイブリッドで開催した。

オンライン会場はゲーム感覚で気軽に参加しやすく、ブースをまわりやすく回遊性が高い空間に設計。また、リアル会場と同様に、オンライン会場でも擬似的に商品の購入ができる。

オンライン上でインタラクティブなやり取りが行われ、多くの商談を呼び込んだ

「本イベントは、オンライン会場だけで約30億円の売上を達成しました。成功の要因は、インタラクティブな空間設計で多くの見込み客を獲得できたこと。そして、その見込み客の情報や購買情報を、営業担当者がリアルタイムで取得できることで商談・クロージングへとスムーズにつなげることができたためだと考えられます」

2つめは、常設型イベントの事例として、大手メーカーが自社サービスを紹介するデジタルショールームの例を挙げた。既存顧客への情報発信の場と新規顧客開拓の場として、年間を通して運用しているものだ。

META BOOTHでは来場した見込み客の情報取得が容易にできる

精度の高い情報の取得が成功の鍵

新規顧客開拓の施策としてセミナーを開催する際、一般的にはZoomなどの動画配信プラットフォームを使用するのが一般的だ。一方、本イベントのようにオンライン空間にセミナー会場を置くことで、セミナーの参加前後に商品ブースを回遊するという行動が発生する。その行動履歴を元に見込み客の選定を行い、商談につなげることで成功につなげているのだ。

「これら2つの事例を通して、情報の取得・情報の活用が重要であるとお分かりいただけたかと思います。META BOOTHでは、個人情報から資料閲覧、ブース訪問、動画視聴など24項目以上の情報取得が可能です。これらの情報をポイント化して、ホットリードとして見込み客の選定を効率的に行うことができます」

メタバースやオンラインは、オフラインよりも多くの情報を取得できるのが大きなメリットだ。新部氏は、メタバース導入に対する抵抗感や不安を抱える企業担当者に対して、次のようなアドバイスを送る。

「『イベント×テクノロジー』『展示会×テクノロジー』というように、現在取り組まれているマーケティング活動とテクノロジーを組み合わせることで、より効率的に精度の高い情報が取得できる。このような視点であれば、メタバースをマーケティングの手法として利用するハードルが低くなるのではないでしょうか」

合同会社 DMM.com イベントテクノロジー 事業部 副事業部長 兼
株式会社アイデアクラウド 代表取締役CEO
新部昌也氏

2006年東京電力グループの人材会社に入社。人材コンサルティング営業を経験した後、2014年広告代理店に入社。CMなどマス媒体からWEB媒体まで幅広い領域で営業を経験。2018年(株)アイデアクラウド に入社。営業本部長 兼 新規事業開発室長として、企業ブランディング、AR・VRなどのXR技術活用したR&Dに携わる。2021年2月DMMグループにジョインし、アイデアクラウド代表取締役CEOに就任。



お問い合わせ
合同会社DMM.com イベントテクノロジー事業部 株式会社アイデアクラウド
URL:https://metabooth.jp/
担当:新部・齋藤