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「ギガ死に負けない」mineoの強みを疑似体験できるOOH トイレ広告も活用

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※本記事は月刊『ブレーン』2023年4月号「PICK UP」に掲載しています。

オプテージは2022年10月、2023年1月に格安スマホ・SIM ブランド「mineo」の認知獲得を目指し、屋外広告を展開してきた。テレビCMやデジタル中心のプロモーションから一転、OOH を基軸に話題化を試みた理由とは。

通信速度制限がかかる「ギガ死」

オプテージが運営する「mineo」は、余ったパケットを全国のユーザー同士でシェアして助け合える「フリ―タンク」をはじめ、多くの独自サービスを提供している。今回、mineoならではの魅力を伝えることを目的とし、新たにOOHを使ったプロモーションを展開した。テレビCMやWeb動画などとは一味違う、OOHだからこそできるクリエイティブを起点としたSNSでの話題化を目指した。

第一弾として2022 年10 月には、月末までにデータ容量を使い切り、通信速度制限がかかってしまった状態である「ギガ死」に着目し、「月末の叫び」をテーマに新宿駅にサイネージ動画を展開した。「ギガ死したときに復活できるサービスがあることや、その良さを理解してもらうためには、まずギガ死を体験してもらうことが必要だと考えました」(人間 プランナー/ディレクター 岡シャニカマさん)。

新宿駅に掲出された「月末の叫び」広告。

この映像では、通信速度の低下によって、続きが気になる展開の場面でローディングが入り、動画が止まってしまう「ギガ死」を疑似体験できる。メインターゲットは、少ない通信量で契約をしていることが多い学生などの若者たち。サイネージで流したのは、TikTok などで話題の動画を模したもので、共感を誘った。サイネージの動画を止めて事件性を感じる空間にしてみたり、縦長のサイネージでスマホらしさを表現したりした。

サイネージの動画は実際にTikTok で話題の美容師が出演し、イメチェン動画を撮影するなど、リアルさを追求した。撮影もスマホで実施したという。

「映像監督の山本ヨシヒコさんとTikTok上の“あるある”を研究して、動画内にも小ネタをたくさん仕込みました。映像内のセットや出演者にもこだわり、リアルさを追求しています。何をすれば話題になり、何に共感してもらえるか、見る人にとっての驚きや発見を重視しました」(人間 クリエイティブディレクター 山根シボルさん)。

「我慢している人が多い」トイレを活用

第二弾となる2023年1月には、東武東上線池袋駅のトイレを広告媒体として活用した。スマホの通信速度制限がかかり、画面を読み込んでいる時間を“我慢している状態”と考え、「mineoは“我慢させない”通信キャリア」だと言い換えた。

トイレを掲出スペースとして選んだのは「我慢している人が一番多いのは、トイレではないか」という発想から。ただしトイレの中は撮影しづらく、SNS上での話題化が難しくなることが予想された。そこでトイレの外にある駅のサインボードも活用。コピーは「スッキリいこう。もうギガでガマンしない通信キャリアmineo」とし、トイレにかけたメッセージを届けている。

池袋駅に掲出されたトイレ広告「スッキリいこう。」。トイレの中だけでなく、トイレ外の改札付近に掲出することで、トイレを利用しない人の目にも留まり、写真も撮影しやすい工夫が。

公共のトイレ空間ならではのクリエイティブの工夫も。トイレに並んでいる(=我慢している)人が見る個室の扉を、スマホの画面に見立てて、外側には“ローディング中”のマークと文字を、内側にはmineoのサービスについてのメッセージを掲出した。「実は個室の中のポスターにも、うっすらローディングマークがあって、この部分は扉の中と外で反転している仕様になっています。2つのポスターが連動していることが伝わるデザインにしました」(人間 デザイナー 松尾聡さん)。

左から、個室の扉の外側の様子と個室の扉の内側の様子。

第一弾と第二弾のはざまにあたる2022年11 月には新聞広告も展開。「ネット広告がギガ消費のうち4 割を占めている」というデータ(オプテージ調べ)から「新聞広告はギガを消費しない広告」と打ち出した。今後も一貫して、メディア特性を活かしたメッセージの開発を継続していきたいと考えている。

11月に掲載された新聞広告。「広告でギガを4割消費している」ということにかけて、広告の4割を猫の写真で埋めた。

スタッフリスト

  GR

企画制作
人間
CD+企画(月末の叫び)
山根シボル
企画+ディレクター
岡シャニカマ
C
101
D
松尾聡
Pr
花岡
印刷
サンクラール
掲出
新宿駅メトロプロムナード(10/24~10/30)(01)、東武東上線池袋駅南改札口(1/18~2/17)(02)

 

  動画 

企画制作
人間
Pr
平井尚悟
PM
高福美
演出+撮影
山本ヨシヒコ
美術
山本直人
編集
奥本宏幸
音楽
細見武史
出演
ami、miyu、大月渉、木原英能、寺島弘樹

 

  新聞

企画制作
サイバーエージェント
CD+C
安藤達也
企画
中村圭吾
AD+D
佐野竜一
掲載
読売・日経(11/30)

ECD:エグゼクティブクリエイティブディレクター/CD:クリエイティブディレクター/AD:アートディレクター/企画:プランナー/C:コピーライター/STPL:ストラテジックプランナー/D:デザイナー/I:イラストレーター/CPr:クリエイティブプロデューサー/Pr:プロデューサー/PM:プロダクションマネージャー/演出:ディレクター/TD:テクニカルディレクター/PGR:プログラマー/FE:フロントエンドエンジニア/SE:音響効果/ST:スタイリスト/HM:ヘアメイク/CRD:コーディネーター/CAS:キャスティング/AE:アカウントエグゼクティブ(営業)/NA:ナレーター

 

月刊『ブレーン』2023年4月号

 
【特集】
日本発マンガ・アニメ
市場を活性化する
クリエイティブの力

 
・講談社『東京卍リベンジャーズ』
「日本リベンジャーズ」、「日本リベンジャーズメーカー」、最終巻発売告知
・『ONE PIECE FILM RED』
「ONE PIECE TIMES SQUARE TAKE OVER」
・集英社『僕とロボコ』
「僕とロボコ ミニ枠ジャック」
・サントリー食品インターナショナル「THE STRONG 天然水スパークリング」×『ストリートファイターⅡ』
・バスクリン「きき湯ファインヒート」×テレビアニメ『呪術廻戦』
・HENNGE「HENNGE One」×「ウルトラマン」
・盛り上がるマンガ・アニメ起用の広告 企画者が考えるべき5つのこと/文:野澤智行
 
【第10回BOVA】
応募総数発表
 
【UP TO WORKS】
・ライフカード「Life CARD 僕ら以上の僕ら。」
・森永製菓「よび覚ませ、集中力。」
・トヨタ自動車「プリウス NEW PEOPLE」篇
・オープンハウス「地底人」篇
・日本マクドナルド「ティロリミックス」
・日本マクドナルド「アジアンバーガーズ アジアのジューシー」篇、「アジアンごはん アジアの晩飯」篇
・野村ホールディングス「第35 期竜王戦・就位式広告」
・エクシング「気づけば笑顔。カラオケは全ての歌が応援歌。」
・ロート製薬「今すぐ正月メタボチェック」
・東急百貨店本店「『THANKS&LINK』東急百貨店本店 最後の屋外広告」
 
【SPECIAL】
・注目のクリエイティブチーム/サンデザインアソシエーツ
・ブランドアクティベーションを実行するクリエイターたち/大広WEDO
・BRAIN クリエイティブパートナーズ/フォントワークス
・U25 Creative プロジェクト/シチズン時計×アミューズ
 
【青山デザイン会議】
「世界の見え方が変わる 地理・地図から生まれる発想」
今和泉 隆行×高橋真知×柳瀬博一
 
【PICK UP】
・ユー・エス・ジェイ/ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
「ユニ春2023 忘れられない春が要る。」
・オプテージ/mineo
「月末の叫び」「スッキリいこう。」