部長と部下の姿通じて「GOする」を浸透させた、タクシーアプリ「GO」の広告戦略

竹野内豊が演じる少し天然な部長としっかり者の部下たちとのコミカルな掛け合いが展開される、タクシーアプリ「GO」のテレビCM。「どうする?」に対する「GOする!」というアンサーは動詞として受け入れられつつある。アプリの立ち上げからわずか約2年で、1000万ダウンロードを突破。どのようにコミュニケーション戦略を考えてきたのだろうか(本記事は月刊『ブレーン』2023年3月号「スタートアップ企業 事業を成長させるクリエイティブ」特集から抜粋したものです)。

あえてアプリのローンチとCMの公開時期をずらした理由

タクシーアプリ「GO」がローンチされたのは、2020年9月のことだ。遡ること5カ月、アプリ「JapanTaxi」を展開していたJapanTaxiと、DeNAのアプリ「MOV」などを担当する事業部が統合され、20年4月にMobility Technologies(MoT)へと商号を変更。タクシーアプリの深い知見を持つ両社が歩み寄って「GO」が立ち上げられた。

「GO」というサービス名には「行く、進む、向かう」といった意味のほかに、「タクシーに未来をのせて」という、同社の考えるタクシーの存在意義が反映されている。「SEOなどの観点から厳しいのでは、という意見もありましたが、目指す姿を体現した名称を優先しました」(Mobility Technologies GO 事業本部 本部長 江川絢也さん)という判断からも、新サービスへの覚悟と期待が感じられる。

大きな期待が寄せられていた一方で、課題も。「JapanTaxi」アプリや「MOV」のリニューアルではなく、別のアプリとして「GO」を立ち上げることになったため、一から認知を獲得していかなければならない状況だったのだ。

事業開始当初からパートナーとして携わるdofのクリエイティブディレクター 齋藤太郎さんは当時を振り返る。

「目標に掲げられた数字は相当大きなものでした。目標実現のため、マスを狙ってテレビCMを仕掛ける案が初めに出ました。でもCMで見て『いいな』と思った商品が、スーパーの店頭で見かけてようやく比較購買の対象になるように、GOのCMを流してもタクシーに乗りたいシーンでGOの姿が無ければ、せっかくの興味関心の受け入れ先が無いことになってしまいます。MoTの皆さんに『少しだけ我慢してください』と話し、先行してタクシーのラッピングを始めました。『CMで言っているGOとはこのことか』と受け入れ先を用意することで、実際のアプリの利用に繋がると考えたんです」。

そこで20年9月にアプリをローンチした直後の10月から、車体に大きくロゴを配したタクシー車両を都内を中心に3000~4000台ほど走らせた。

20年9月にアプリ「GO」をローンチした直後から、ラッピングした3000台~4000台のタクシーを走らせ、テレビCMの公開に備えた。

昭和な部長の「困った」を描く

街中に「GO」が走る状況をつくりつつ、テレビCMの企画も進めていった。企画の肝は、「困ったらGO」と印象付けることだったと齋藤さんは話す。「タクシーを使うのは、困った時なんですよね。だからさまざまな困ったシーンを挙げることで共感を得られるのではないかと。

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