田向潤監督が実写とアニメを融合し、USJを舞台にYOASOBIのMVを演出

人気ユニット YOASOBIとユニバーサルスタジオ・ジャパン(USJ)がコラボレーションしたMV「アドベンチャー」が、3月11日に公開された。


「USJの学生向けキャンペーン『ユニ春』は、2020年から始まっていて今年が4年目になります。今年のテーマは、コロナ禍を乗り越えて卒業を迎える学生の、最後の春に寄り添うこと。YOASOBIのボーカル・ikuraさんは今年の3月で大学を卒業されるということからこのコラボが実現しました」と、クリエイティブディレクター 花田礼氏。

この楽曲は、「ユニ春」のCMソング。2022年10月に実施した「YOASOBI×ユニ春 学生応援!エピソード募集キャンペーン」に寄せられた中から、楽曲の原作としてAyaseさんとikuraさんが選出したエピソード(菜葵著「レンズ越しの煌めきを」)を楽曲化したもの。現在、USJ内の人気コースター「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド」に乗りながら聴けるようにもなっている。

「楽曲と歌詞をいただいて、少女が胸を弾ませながらUSJを踊り歩いているような情景が浮かび、実際にUSJを舞台にしたMVを作ることになりました」(花田氏)

テーマは、「心の中の1人パレード」。コロナ禍で思うように青春を謳歌できていなかった主人公がUSJで心を解放させる様を描いている。
演出の田向潤氏は「実写背景にアニメーションのキャラクターを合成し、現実とファンタジーの中間にあるようなUSJの空気感を表現しました」と話す。

YOASOBI「アドベンチャー」

「前半はレトロゲームのような平面的横スクロールと限られた色数で自由度の低い世界をイメージしています。最初のサビでキャラクターがUSJに現れるとカメラワークも色も一気に自由になります」(田向氏)というように、主人公がUSJに飛び込んだ瞬間からカラフルな世界が展開。少女はUSJの広場やレストランで自由に踊り続ける。

本作では、アニメーションで描かれた主人公の滑らかな動きや仕草に驚かされる。実は閉園後のUSJで慣性式モーションキャプチャスーツを着たダンサーが、実際に現場で踊って撮影したものをアニメーションに変換しているという。



田向氏が、このMVの制作のフローを解説する。
1. モーションキャプチャスーツを着て踊るダンサーを撮影。ダンサーの動き、背景のフレーミングなどを詰める(この時点でキャプチャ収録は完了)。
2. ダンサー無しで背景のみを1.と同じカメラワークで撮影。その場で編集機に入れてカメラワークが1.とずれていないか確認。
3. 2.で撮影した背景素材に1.のキャプチャデータを流し込んだキャラクターを合成。

というワークフローで制作しています。
このような複雑なフローになった理由はカメラワークにあります。USJに来た臨場感とワクワクを表現するために、ただトラックバックするようなシンプルなカメラワークではなく、ダイナミックに動き回るカメラでUSJを様々な角度から見せ、キャラクターの躍動感も出したいと考えました」

このようなカメラワークの背景とキャプチャを別々の場所で撮ると、カメラで切り取ったフレームにキャラクターが入らなかったり、変な見切れ方をしてしまう可能性が高いためこの手法を採用したという。

「事前にプリビズ(完成した状態を想像できるシミュレーション映像)を作成して、カメラワークとキャラクター以外のオブジェクト配置も大体決めていたため、飛び出すサメに合わせてカメラを振るようなワークも実現できました。
また背景の素材は24fps(1秒間に24コマ撮影)ですが、キャラクターは12fps(1秒間に12コマ)で動かしています。リミテッドアニメーションのようにフレームとフレームの間を視聴者が想像力で補完するような余地を残して、モーションキャプチャの生っぽさを軽減しています」(田向氏)

ちなみに歌詞字幕は、前半は通常の文字だが、USJに入ってからはわずかにシアーをかけて主人公の跳ねるような気持ちを表現している。
そして、ラストカットで夢の世界は終わり、キャラクターは実写に。現実に戻った彼女はコロナ禍でなかなか会えなかった友達と合流して、夢に見ていた現実のUSJに向かっていく。


本MVは、公開から3日で100万再生を超えた。「コロナを我慢して乗り越えた解放感と多幸感がある」「ラストの実写になるところで泣けた」「これを聴きながらUSJを歩きたくなる」など、SNSでは多くの声が寄せられている。

スタッフリスト

企画制作:
電通+P.I.C.S.
CD:
花田礼
CPr:
中川恭彰
Pr:
鈴木麻雄
PM:
岩本晃一、 安達勇樹
演出:
田向潤
撮影:
豊納正俊
照明:
池田知之
コレオグラファー:
Seishiro
ダンサー:
YUKINA
モーションキャプチャーシステム:
XSENS MVN
ST:
金田健志
I:
imid
AE:
木村俊介
CG制作:
KASSEN
VFXスーパーバイザー:
太田貴寛
VFXリードデザイナー:
井上凱
VFXプロデューサー:
巻田勇輔
カラリスト:
根本恒
CGディレクター:
竹野智史
CGプロデューサー:
佐藤大洋、三木 康平
CGプロダクションマネージャー:
山上紗央里、史耕
協力:
UNIVERSAL STUDIOS JAPAN

 

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ECD:エグゼクティブクリエイティブディレクター/CD:クリエイティブディレクター/AD:アートディレクター/企画:プランナー/C:コピーライター/STPL:ストラテジックプランナー/D:デザイナー/I:イラストレーター/CPr:クリエイティブプロデューサー/Pr:プロデューサー/PM:プロダクションマネージャー/演出:ディレクター/TD:テクニカルディレクター/PGR:プログラマー/FE:フロントエンドエンジニア/SE:音響効果/ST:スタイリスト/HM:ヘアメイク/CRD:コーディネーター/CAS:キャスティング/AE:アカウントエグゼクティブ(営業)/NA:ナレーター


 

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