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リアルな体験の需要が増している現在 「行動データ」の活用が媒体価値を高める

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メトロアドエージェンシー
営業本部
統合メディア局 統合メディア部
堀江 雄氏

2016年メトロアドエージェンシー入社。鉄道会社の旅客誘致や広報・宣伝活動の営業担当を経て、現在はオン/オフラインの両面から統合的なプランニングに従事するほか、ロケーションビジネス、行動データを活用した分析サービスの開発・運用に携わる。

Q:コロナ禍を経て、改めて感じるOOHの価値とは?

A:リアルイベントの再開に伴い、リアル空間でインパクトを提供するプロモーションへの注目の高まりを感じる。

街を行き交う人々に対し、インパクトある展開が可能という点で、大きな存在感を発揮できることがOOHならではの価値であると再認識しました。当社では、表参道交差点の角地に位置するロケーションをメディア化し、イベントスペース(OMOTESANDO CROSSING PARK)として活用していますが、2023年に入ってから多数問い合わせをいただいており、リアルイベントの抑制が緩和されたことによるリアル空間でのプロモーション需要が高まっていると日々感じます。この例においては、ブランディングやPRの観点から既存の媒体枠にとらわれない、立体的かつ自由度のあるプロモーションを表参道という歴史ある洗練された場所で行うことで、自社ブランドやサービスを訴求したいと考えているクライアントに魅力を感じていただいていると考えています。

「リアル」という身体性を伴う空間で、インパクトあるクリエイティブ展開ができることがOOHの持つ本来の価値でありながら、デジタル化の進展にともなう情報スピードの速さも相まってブランディングと話題化の双方に有効的であることを再確認すると同時に、街が持つイメージや文脈とブランドやサービスのストーリーやメッセージが掛け合わさることで、生活者に共感や気づきを生み出せるような情報発信ができるというのもOOH広告が持つ重要な価値のひとつなのではないかと思います。

Q:デジタル技術の進展、データ活用によりOOHは進化を遂げつつあります。その中で特に注目している領域について教えてください。

A:「行動データ」のプランニング領域での活用に注目している。

特に「プランニング」の領域での活用に注目しています。プランニングをする際に、重要なもののひとつとしてデータ活用が挙げられますが、その中で、とりわけ注目しているのが、人の移動や回遊、施設来訪、日常行動といった、実社会での「行動データ」です。生活者の「実際にとった行動」をもとにしたファクトデータが、プランニング領域において重要度が高まっている背景を受けて、当社では東京メトロ圏内にいるさまざまな生活者の行動データを捕捉し、属性だけに留まらず、あらゆるジャンルの施設来訪頻度や趣味嗜好をダッシュボード上で視覚的に把握できる分析ツールを開発しました。

とりわけプランニング領域において注目しながらも、行動データを生かせる領域は多岐にわたります。行動分析による生活者のタッチポイントの洗い出しから効果的なメディアのピックアップ、オンライン/オフラインでの広告設計・配信から効果検証(来店・来場計測等)といったメディアバイイング~効果検証までが可能であり、実際に商業施設や鉄道会社でのエリア分析や集客プロモーションで活用されるなど実績もあげています。こうした行動データは、生活者の生活動線に位置し、日々の移動や来街・来訪時に接点を持つOOHととても相性が良いと考えており、これらのデータによりOOHが持つ本来の価値が拡張していくのではないでしょうか。