ファンが応援したくなる企業になるには 語ってこなかった背景を隠さず見せること

田村恒平 氏

TieUps
コミュニティデザイン室
マネージャー


これまで企業やブランドのSNSやオンラインコミュニティの戦略・運用、イベント企画などオン・オフ統合型のファンマーケティング支援を行う。TieUpsに入社後、コミュニティデザイン室マネージャーとして企業・ブランドのコミュニティ支援をリード。



Q. 顧客との接点が途絶えることもあったコロナ禍を経て、これまでのファンコミュニティの在り方に変化はありましたか。

A. 応援対象が企業にも向き、ファンコミュニティの導入が増加。

コロナ禍を経て社会とのつながりを求める人が増えたことで、「応援」という行為自体を楽しむ人が増えています。この応援消費は「推し活」という言葉で再定義されていますが、過去10年の中ではAKB48がつくり出した応援消費というトレンドが、コロナ禍を経てさらに加速する流れになり、その受け皿がファンコミュニティになっています。

ニッセイ基礎研究所「“おひさしぶり消費”と“はじめまして消費”-新型コロナウイルス流行収束後の推し活を展望する」(2022年)によると、コロナ禍に入ってから推し活をするようになったと回答した人が29%、新型コロナウイルス感染拡大が収束しても(推し活対象を)応援していきたいと回答した人は69.2%いました。

「応援」「推し活」すること自体が目的化したことで、応援の対象はアーティストだけでなく企業などにも向いています。この潮流がファンコミュニティを導入し、成功する企業がここ数年で急激に増えているひとつの要因になっていると考えています。


Q. ファンが企業・ブランドを応援したくなるようなコミュニケーションはどのように実現すればよいのでしょうか。

A. お客さまに、背景や裏側なども包み隠さず見せる。

ファンがブランドを熱く応援したくなるコミュニケーションには、今まで顧客に見せていなかった背景や裏側なども包み隠さず見せることがポイントです。

①ストーリーを伝える
企業・ブランドの起源や理念、目指しているゴール、社員の製品や顧客への想いや葛藤などを伝えることで製品やサービスの良し悪しだけでなく、その背景にある企業・ブランドや社員のもつストーリーが共感を生む。

②裏側も隠さず伝える
裏側や苦労した経験、本来は隠したくなるような失敗談も包み隠さずファンに開示する。ファンの声に耳を傾け、もっとファンに喜んでもらえるようにサービスを改善したり、企画を実行したりファンと誠実に向き合う姿勢が信頼につながる。

③プロセスを共有する
目指すゴールの達成に向けての課題やどのように向き合っているかをファンと共有しながら一緒に歩を進めていくことで、仲間意識を醸成し、ファンの支えたい、応援したい気持ちを喚起する。

これらをファン層に繰り返し伝えることで、企業・ブランドとファンの距離感が縮まり、熱く応援するロイヤルファンが育っていくことになります。


Q. 投資に対する短期的でわかりやすい成果を提示するのが難しい既存顧客向け施策。効果を測定する上でファ クトとなる指標はどのように設定すればよいのでしょうか。

A. KGIに設定すべきは、収益性と相関がある「推奨意向度」。

ファンコミュニティマーケティングでは、収益性と相関のあるNPS(推奨意向度)をKGI(重要目標評価指標)として設定することをおすすめします。

NPSが向上することで「他者へのポジティブな口コミ・知人への積極的な推奨」に加え、「継続購入・高頻度での購入」「追加購入・アップセル・クロスセル」「企業へのフィードバック・プロダクト開発やサービス改善へのアイデア提供」などのポジティブな影響をもたらし、結果として企業の売上と相関するようになります。

よって、コミュニティにおけるKGIをNPSとして、KPIに投稿数、コメント数、外部SNSへの投稿も含めた口コミ数を設定し、効果測定しながら購買・来店・継続などの最終ゴールとの相関を追いかけていくことになります。


 

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