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課題解決目線と専門性で成果最大化 究極は“キャスティングしない”という選択も

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エイスリーは、「対応できないジャンル、対応できないメディアはない」と掲げる総合キャスティング企業だ。俳優やタレントはもちろん、InstagramやTikTok、YouTubeで人気を博すインフルエンサー、キャラクターなどの起用もカバーし、毎月400件近いキャスティングの案件相談をこなす。エイスリー アカウントプランナーの湊川風馬氏は、「商品やサービスと企画に対して世間からポジティブな反響を得るためには、キャスティングでもいかに世間とのギャップを生まないかがカギ」と話す。

写真 人物 集合 左から伊東里菜氏、湊川氏、橋本翼氏、小磯晶氏

企画とキャスティングの不一致

エイスリーの特長は、10に分けた専門ユニットで、多くの領域にわたるキャスティングを可能にしている点だ。タレントや俳優、お笑い芸人などの広告契約を担う「広告・CMユニット」のほか、YouTubeやTikTok、Instagramで活躍するインフルエンサーを扱う「インフルエンサーユニット」、マンガやアニメなどのキャラクターを扱う「ライツユニット」、声優やバーチャルYouTuber(VTuber)、アイドルを扱う「ジャパンカルチャーユニット」、ゲーム関連の版権やプロゲーマー、ゲーム配信者、ゲーム好きタレントを扱う「ゲーム・esportsユニット」などがある。専門家・文化人、アスリート、クリエイターそれぞれを領域とするユニットもある。

「『商品やサービスのターゲットにアピールするためにどんな人をキャスティングすればよいかがわからない』といったケースも少なくありません。たとえば、入り口としてはタレントだったものの、よくヒアリングしてみると、VTuberがふさわしいケースだった、ということもあります。ご相談いただいた時点でもジャンル先行ではなく、課題の解決に寄与する、適切なキャスティングをご提案するようにしています」(湊川氏)

写真 人物 湊川氏

ターゲットとファン層が一致していても、落とし穴はある。企画内容とキャスティングの不一致だ。企画を先行させすぎてしまうと、キャスティングが成立しなかったり、成立しても結果がふるわなかったり、ということになりかねない。

「例を挙げると、たとえばお酒の広告案件をインフルエンサーに依頼したとします。しかし、その人がかつて、『お酒はあまり得意ではない』などの発言を個人配信などでしていた場合、フォロワーにとっては、お酒の広告に起用されること自体に違和感が生じてしまいます。そういった前提を知っていれば、そもそも起用しないか、あるいは『お酒が得意でない私でも飲みやすい』といったメッセージにすれば、より伝わる投稿になるのですが」(湊川氏)

こうした本人やファンにとっての実像と企画のズレは、特定の領域に限らず見られることだという。たとえば、ふだんから乾燥肌を公言している美容系インフルエンサーに、ふさわしくない化粧品の依頼をしてしまう、版権ものであれば、そのキャラクターの設定上、しないような表現をさせてしまう、といったことだ。

写真 人物 小磯晶氏

「キャラクターに関してでいうと、ポーズ違い、口調違い、決まっている色味と違う、というケースがあります。特定商品のアレルギーを持つことが作品中で明らかになっている、ということもあります」(ジャパンカルチャーユニットの小磯晶氏)

写真 人物 伊東里菜氏

インフルエンサー側からの反発もあり得る。インフルエンサーユニットの伊東里菜氏はこう指摘する。

「美容系インフルエンサーは、フォロワーからの信頼を最優先とする方ばかりです。断っているのにPRするようしつこく要求された、商品も良いとは思えなかった、といったことをフォロワーに対して公開するケースはさほど珍しいことではありません。フォロワーからすればきちんと真実を明かしてくれて、信頼できるアカウントと映ります。しかしクライアント側の印象は下がってしまいます」(伊東氏)

企画内容だけでなく、「異なる事務所のお笑いタレントの共演をマストにしてしまった」り、「コンテンツのプロモーションで実施していたものと同じような企画は版元側がよしとしなかった」りと、知られていないものの、企画の実現可能性を左右しかねないようなキャスティングにまつわるルールは少なくない。

依頼されてからでは遅い 日頃の情報収集

こうした依頼する側には見えてこない実態を細かく収集できているのも、専門ユニット制を敷いているからこそだ。一端を挙げるだけでも、「昨今ではテレビや雑誌からだけでなく、TikTokで突然人気を博してドラマに出たり、それこそテレビだけではなく、有料動画配信でスポットライトが当たって、というケースもあります。私のチームでは、ドラマや映画、動画コンテンツは少なくとも1話と最終回は必ずすべてチェックします。交通機関や街なかのポスターや広告物も確認して、誰がどの企業と契約中、契約終了といった資料を常に更新するようにしています」と広告・CMユニットの橋本翼氏は話す。

栄枯盛衰のあるインフルエンサーも同様だ。「単にフォロワーだけでなく、グループ系ならメンバーの立ち位置、喋りで進めるタイプかテロップで進めるタイプか。商品の訴求があるか、エンタメ寄りか、どんな商品、サービス、ブランドと親和性がありそうか。コメント欄などファンや消費者はどんな反応を示しているか、など、メンバーで分担して、新しく見た情報、得た情報を共有する習慣になっています」(伊東氏)

さらに専門性が高くなる傾向にあるのが、小磯氏のジャパンカルチャーユニット。ファンコミュニティごとに特有の慣習があることが多く、思わぬことでいわゆる“炎上”が起きることがある。企画の実現に差し障るようなことがないよう、日夜、事例の収集が欠かせない。1日5時間ほどYouTubeのチェックに割き、展示会や舞台、ライブには積極的に通う。

「サブカルチャーにおいては、ファンとのつながりが濃い一方、そのコミュニティの外側からは、なぜ人気なのか、どんな点がファンに受けているのか、という点がわかりづらいこともこの分野の特長です。また、かかる費用についても同様で、キャラクター系はしっかりとした予算を必要とすることもあります。そういった点も含めて、業界にあまり詳しくない方でも、ご理解の一助としていただけるような説明を心がけています」(小磯氏)

「ユニットに分かれているメリットは、顧客が求める提案の期待値に対して、あらゆる角度で応えられるということです」と話すのは橋本氏だ。

写真 人物 橋本翼氏

「キャスティング業界は、多くの場合一人で案件を抱えるので、どうしても幅を広げづらいですし、ふだん扱いのない分野は、声がかかってから調べることになります。一方、当社の場合は、インフルエンサーなら伊東のチーム、サブカルチャーなら小磯のチームと、自分が担当したことがなくても、すでに知識が貯まっていて、しかも属人化させずに共有もされている。企画の目的をうかがっていて、『これはタレントではなく、VTuberのほうが適切だ』となったらそちらもご提案できるのは強みだと考えています」(橋本氏)

企画成功、最大の敵は時間

キャスティングに限らず、企画の成功を危うくする最大の敵は時間だ。もっと早く確認していたら、もっと早く手を打っていれば……という後悔をしたことのない企画者はいないはずだ。

「考えすぎてわからなくなってしまわれたら、あるいはそうなる前に、お声がけをいただくのが最も早い解決策だとは自負しています」と話すのは橋本氏。

「誰もが知っているようなタレントですと、ご相談いただいてからどんなに短くても撮影まで2カ月、ローンチまで1カ月〜2カ月かかります。つまり少なくとも3〜4カ月前には決まらなければなりません。もっとかかることもあります。どうしても特急案件で当月撮影でそのままとなると選択肢も限られてしまいます」(橋本氏)

インフルエンサーやキャラクター系も同様だ。

「インフルエンサーの場合、残念なことではありますが、趣味の延長線で動画を作成されていると思われている方もいらっしゃいますが、決してそんなことはありません。内容を吟味せず撮影を先に進め、後から修正しようとしても、場合によってはメイクもやり直し、服装、光の加減なども全く同じ状況でとなると、1カットだけの差し替えはできず、結局すべて撮影し直しとなることも少なくありません。あくまで本人のアカウントで、その方のテイストでPRするので効果があるため、内容の押しつけはもちろん、急な変更というのも結局は成果を下げてしまうことになります」(伊東氏)

「提案を進めて後戻りできなくなって、与件に合うジャンルがゼロ…となるとリカバーが厳しいので企画段階から入れていただいた方がスムーズです。人によっては馴染みのないジャンルなので、企画出し時点から呼んでいただく機会が多いですね」(小磯氏)

あくまで重要なのは、最終的な目的は何か。単に目の前の“炎上”を防ぐだけ、あるいは“無事”に手離れすることだけ、がゴールではないはずだ。

「ブランディングしたい、店頭を動かしたい、といった目的、大本の課題が何かから考えることで、キャスティングはとても強い味方になり得ます。少なくない予算を要するものですし、企画段階から検討を始めることが、企画を先細りさせず、次につながる大きな成果を残すことにつながるのではないかと考えています」(湊川氏)

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写真 人物 集合 左から 湊川氏、伊東里菜氏、小磯晶氏、橋本翼氏


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