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Tinder Japan代表が語る「愛は他人と。」キャンペーン展開のねらいと戦略

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2023年9月から、広告キャンペーン「愛は他人と。」を展開したTinder Japan。マッチングアプリ「Tinder」のイメージをアップデートすべく、獲得型の広告とは距離を置き、ブランディングに注力している。

※本記事は月刊『ブレーン』2024年1月号「2024年広告主がクリエイターに期待すること」特集からの抜粋です。
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チョウ・キョ氏

チョウ・キョ氏

Tinder Japan カントリーマネージャー。2012年にWeb 開発の会社を立ち上げ、法人向けツールの開発、販売事業を行う。2017年には、世界最大級のライブ配信プラットフォームBIGO LIVEの日本法人代表に就任し、2019年には東アジア・パシフィックの地域代表に就任。2021年にTinder Japan入社、日本と韓国の事業統括を行う。

 

ブランド理解の深化を狙った2023年の施策「愛は他人と。」

米・Match Groupが運営するマッチングアプリ「Tinder」は2012年にアメリカで誕生。2015 年頃から日本市場でもシェアを伸ばし、2019年に日本法人のMG Japan Services(Tinder Japan)が設立された。2021年から、チョウ・キョさんがカントリーマネージャーを務めている。国内のマーケティング活動はチョウさんがリードし、そのほかマーケティングディレクター、デジタルメディア担当、プロダクトマーケティング担当などが在籍している。

そのチームで手がけた施策が、2023年9月から10月にかけて展開した「愛は他人と。」をテーマにした屋外広告。渋谷駅前ロングボードやシブハチヒットビジョン、東京メトロの複数駅構内などで掲出し、Web動画も公開した。

またそれに付随する企画として、TikTokでドキュメンタリー調のドラマ「My First TinderはじめてTinderやってみた。」を公開したほか、SpotifyのTinder公式チャンネルで広告の出演者らによる音声コンテンツを配信している。

実施の狙いをチョウさんはこう話す。

「米国では結婚の約60%がMatch Groupが展開するアプリ(Tinderを含む)からスタートしているというデータもあるほど、マッチングアプリを通じた出会いというのは一般的です。日本でも若年層を中心に認知は広がってきたとはいえ、まだ『人と人との出会いを生む』という本質的な価値は伝わりきっていません。今後3~5年ほどかけてパーセプションチェンジをしていくべく、今回の施策を実施しました」。

 

クリエイティブの要はコピー

Web 動画「愛は他人と。」(60 秒)では、さまざまな人が恋人、友だち、仲間など「親愛なる他人」と出会うことで「最高のいま」を自分に与える様子を力強いコピーとともに丁寧に描く。

Tinder Japan「愛は他人と」(60秒)。

屋外広告では、お笑い芸人のゆりやんレトリィバァ、実業家・タレントのROLAND、動画クリエイターのkemio、モデルのミチの4 人が登場し、同じく他人との出会いとそこに生じる愛をテーマにしたコピーが重なる。

恋人をつくることを勧め、アプリのダウンロードを直接的に訴求する、従来のマッチングアプリの広告とは一線を画す手法と文脈だ。

「当社が考えるマーケティングキャンペーンは、ダイレクトにユーザー獲得を目的としていません。特に今回は、他人と出会うためのインフラとしてのTinder という存在を伝えたかったので、『アプリ』や『ダウンロード』といったワードも用いませんでした。最終的に獲得も見ますが、一番は認知が拡大したかどうか、ブランドリフト効果をKPI に据えています」。

Tinder の意図を一言で表した今回のコピー「愛は他人と。」は、コピーライターの児島令子さんによるもの。Tinder Japanのマーケティングディレクター 伊藤みどりさんが児島さんを指名して実現した。

「コピーが重要だと思っていたんです。ターゲットであるZ 世代に刺さるコピーライティングや、今回の“愛”というテーマを考えたときに、児島さんが適任だということでお願いしました」(チョウさん)。

コピーがブランド訴求の要になると考えているのは、過去のキャンペーンの成功に起因する。2021年9月から10月にかけて掲出した屋外広告では、「どこかにいい人いないかなーって、一生言ってな。」などパンチのあるメッセージを展開。SNSで共感を得て、話題となった。

また2022年には、男女が互いの顔を見ずにお見合いをするNetflixの恋愛リアリティ番組『ラブ・イズ・ブラインド JAPAN』とのコラボで、渋谷に「Netflixさん、顔を見ずにお見合い?そんなことよりTinder やったほうが良くないですか?」などと挑発するメッセージを掲出。両者のやり取りを楽しむ声がSNSで盛んに上がっていた。

「SNS上での拡散力や、人の心を動かす力を信じて、今回もコピーをメインに。結果、私たちも泣きそうになるほど素晴らしいコピーを書いていただきました。全体のディレクションはNetflixの際と同様、(クリエイティブエージェンシーの)KOORIさんにお願いしています。非常に満足のいくものを制作してくれました」(チョウさん)。

……続く内容は「Tinder Japan、2024年の注力テーマと方針」です。続きは誌面やデジタル版(ご購読でお読みいただけます)でご覧ください。

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    期待すること
  • クリエイターとのフラットな関係性が肝
  • 森永乳業の「伝わる広告」の考え方
  • 林正義(森永乳業)
  • 「マッチングアプリの認識を変えたい」
  • Tinder Japan 5年目の展望
  • チョウ・キョ(Tinder Japan)
  • 変革期の「kintone」
  • 2024年に目指すはブランドイメージの統一
  • 山田幸(サイボウズ)
  • 実写版テレビドラマも公開
  • 「ハジメとケンとセツ」次なる展開は?
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