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本格的なオタク時代が到来! 市場攻略の鍵となる2種類の「ハイセンサー」とは?

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前篇:日本人の気質を表現する「YMO」って何?

本記事の前篇では、故・ナンシー関さんが提唱した「YMO(ヤンキー、ミーハー、オタク)という日本人の気質についての過去から現在に至る動向をデータを基に分析。結果、日本ではオタク化の進行が顕著であることが見えてきた。

次に、どのような趣味ジャンルでオタク化が進んでいるのか、オタク化の実態を見ていこう。

グラフ その他 電通d-campX・関東 オタク3大ジャンル

オタク3大ジャンルは、アニメ、漫画、ゲームである。アニメオタクはティーンと20代男女が顕著に高く、男性は50代まで幅広い。漫画オタクは女性の方が多く、ティーンから50代まで幅広い。ゲームオタクは男性に多く、男性ティーンと20代が顕著に高い。これらのオタク3大ジャンルのいずれかのオタクに該当する人はオタク全体の約6割を占め、特に男性ティーンでは85%超を占めている。また、オタク1人あたりが該当するオタクジャンル数、オタク趣味の保有数は3.3個で、そのうち1.9個が3大ジャンルのアニメ、漫画、ゲームのいずれかのオタク趣味が占めているので、それ以外の趣味を平均1.4個保有していると推定される。

月刊『宣伝会議』2023年9月号に寄稿させていただいた「無意識・無目的のザッピングのなかでブランドはどう形成されるのか?」の中で、プライベート情報優勢で情報発信のイミにステータスを求めるイミ消費時代は、ソーシャルメディア上での自分の立ち位置、ソーシャルステータスをつくるために、なりたい自分の理想のソーシャルステータス像から逆算して積極的に情報発信していく時代だと述べた。

自分が好きで精通しているオタクジャンルの情報発信は、まさにソーシャルステータスづくりに適しており、とりわけそれを日常的に行っている若い世代にとって、オタク化が重要な要素になっていると考えられるだろう。

3つのKOL、鍵となるオタクリーダー

KOLとは、特定分野に専門性があり社会的に認められ影響力を持つインフルエンサーであるKey Opinion Leaderのことをさす。オタク時代、情報発信時代においては、このKOL以外に2つを加えた3つのKOLが大事になると考えている。

1つ目は、面識のあるオープンな関係のリアルの友人コミュニティ内で影響力を持つ、リア友内トレンドリーダーを指すKey Open Leader「リア友ハイセンサー」だ。そして、リアルでは面識はないが趣味のオタクコミュニティ内で影響力を持つ、デジ友内トレンドリーダーを指すKey Otaku Leader「デジ友ハイセンサー」だ。

グラフ その他 電通d-campX・関東 Key Open Leader「リア友ハイセンサー」とKey Otaku Leader「デジ友ハイセンサー」の構成比率

Key Open Leader「リア友ハイセンサー」とKey Otaku Leader「デジ友ハイセンサー」の構成比率はどのように変化してきたのか、再びビデオリサーチ社「dcamp-X 関東エリア」のデータを使って見ていこう。

まず、「時代、流行を先取りするセンスには自信がある」と「友人から色々な情報(ファッション、店など)について聞かれることが多い」の質問両方ともに「かなりあてはまる」と解答した人を、Key Open Leader「リア友ハイセンサー」と定義し集計した。そして、「自分はオタクだと思う」と「自分がネット上に投稿したコメントや写真に良い反応があると、知らない人でも嬉しい」の質問両方にあてはまると解答した人を、Key Otaku Leader「デジ友ハイセンサー」と定義し集計した。

グラフ その他 電通d-campX・関東 Key Open Leader「リア友ハイセンサー」の比率

SNSの普及で情報発信文化が根付くことで、Z世代中心にKey Open Leader「リア友ハイセンサー」の比率が高まっている。特に女性のティーンと20代が顕著に多く、リアルな友人コミュニティ内でのトレンド推奨による影響力の高さが伺える。

また、Key Otaku Leader「デジ友ハイセンサー」の存在感は全ての世代で激増しており、特に女性のティーンと20代が顕著に多い。このようにZ世代の女性を中心にして、SNSの浸透により若い女性のオタク化が進行し、「リアルなリア友コミュニティ」と「オタク趣味のデジ友SNSコミュニティ」の両方でハイセンサーの存在感が高まっている。

最後に、リアルな人間関係の自分をA面、SNS上のオタク趣味コミュニティの自分をB面とした際に、A面で「リア友ハイセンサー」の役割を果たしている人が、B面でも「デジ友ハイセンサー」の役割を重複で果たしているAB両面な「リアデジハイセンサー」の重複割合を算出すると、2022年4月の調査データにおいて、A面に対してのB面の重複率は女性ティーンで16.7%、女性20代で23.1%であったことにも触れておく。リアルな女子コミュニティのトレンドリーダーの役割を果たすZ世代女子の約5人に1人がB面でもオタクとして影響力を持っていることは、オタク時代到来における重要なポイントだと考えられるだろう。

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写真 人物 プロフィール 電通 戦略プランニングディレクター 宮前政志氏

電通
戦略プランニングディレクター
宮前政志氏

『売れることが最強のブランディングである』をプランニングモットーに、データ起点で事業グロース構造を把握するグロースコンサルティングを推進。同時に流通と顧客接点で新しい体験をつくる「PROMOTAG®」の開発、情報回遊時代の購買行動モデル「SEAMS®」の提唱も。