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オーバーツーリズム対策、DX…持続可能な観光に必要なこと—古屋秀樹さん(月刊『宣伝会議』「私の広告観」出張所)

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月刊『宣伝会議』では、社会に大きな影響を与える有識者が、いまの広告やメディア、コミュニケーションについて、どのように捉えているのかをインタビューする企画「私の広告観」を連載中。ここでは「私の広告観 出張所」として、インタビューの一部や誌面では掲載しきれなかった話をお届けします。今回登場するのは、東洋大学国際観光学部の教授で観光行動の分析が専門の古屋秀樹さんです。

古屋秀樹さん

古屋秀樹さん

1968年埼玉県生まれ。筑波大学講師などを経て、東京工業大学大学院修了の後、2008年より現職。岐阜県高山市や岩手県遠野市の持続可能な観光について研究。持続可能な観光指標に関する検討会委員(観光庁)、日本観光振興協会客員研究員等を務める。

Q現在、注力されているテーマのひとつ、「オーバーツーリズム」についてお聞かせください。

この問題の難しさは、観光客を短絡的に悪者にできないという点です。同様の現象が起きていても、観光客と住民の生活がうまく共存できている地域もあるんです。データを収集・分析してわかったのは、住民が観光客を地域の“誇り”として歓迎しているケースがあり、観光地として成功しているということです。地元が観光地として有名だという『シビックプライド』を住民が認識できること。これも重要なのだと思います。

Qコロナ禍による行動制限が緩和され、今後の国内の観光経済はどうなっていくのでしょうか。

国内の需要に対しては、観光という枠組みにとらわれずに、一歩踏み込んだストーリーや着眼点を提供するのがよいのではないかと思います。例えば、企業研修の一環として“防災教育”をプログラムに組み込んだ出張研修。東日本大震災では、東北地方の多くの地域が津波被害に遭った中、岩手県の三陸海岸の中央に位置する釜石市はなぜ被害が少なかったのかを学ぶ機会を提供するなどです。ワーケーションも、地域振興、過疎化対策などに積極的に活用促進したいところです。

古屋秀樹さんのインタビュー記事は、月刊『宣伝会議』2024年2月号 に掲載。

月刊『宣伝会議』デジタルマガジン では、2013年から本連載の過去10年分のバックナンバー記事を閲覧可能です。

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